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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その三十

「だからだ」
「はい、ここでは」
「戦っていきましょう」
「そうしましょう」
「まだ」
「敵が攻めて来る限りは」
「この攻勢への防衛は一つだ」
 その防衛手段はというと。
「攻撃だ」
「攻撃には攻撃ですね」
「それで向かってですね」
「そうしてですね」
「戦っていくことですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「ここはな」
「若し退けばですね」
「その時はですね」
「逆にきますね」
「そうしてきますね」
「そうだ、退いたその瞬間にだ」
 まさにその時にというのだ。
「ティムール軍は来るぞ」
「そしてですね」
「我々は一気に押し潰されますね」
「ティムール軍の攻撃の前に」
「そうなりますね」
「だからだ」
 このことが容易にわかるからだった。
「ここは戦う、攻める」
「このままですね」
「カラコールにはカラコール」
「それを続け」
「戦い続けますね」
「そうする、損害が出れば無理をするな」
 そうした艦はというのだ。
「下がってそすいてだ」
「修理ですね」
「それを受ける」
「無理はしないで」
「そうしていくことだ」
 こうも言うのだった。
「修理を受けて無事ならな」
「はい、それなら」
「それでいいですね」
「そうだ」
 こう言ってだ、アッディーンは今の自軍の状況を見てまた言った。今前に出ている艦隊達の攻撃が終わったところでだ。
 別の艦隊を前に出させた、そうしてだった。
 再び攻撃を繰り出させる、その死闘は続いていた。
 だがその死闘を見て自身が乗るアリーが至近にビームを受けてもだった、アッディーンは憶することなかった。
 それでだ、危機を感じ後方に下がる様に言う者達に言うのだった。
「私が攻撃を受ければか」
「はい、何かあれば」
「そうなれば」
「ここは我々が引き受けます」
「ですから閣下はです」
「より後ろにおられて下さい」
 彼等は言う、だが。
 アッディーンは己の席から動かず言うのだった。
「私はここでいい」
「このままですか」
「前の会戦の時と同じくですか」
「前線で戦われますか」
「それを続けられますか」
「さもないとこの戦いでは満足な指揮を執れない」
 だからだというのだ。
「敵も攻めてきている、だからだ」
「今回もですか」
「そのまま下がらずですか」
「このまま戦われ」
「そして最後まで、ですか」
「若し勝機を見れば」
 その時はというのだ。 
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