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八条学園騒動記

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第六百四話 マウリアの推理その八

「けれどまさかって思ったよ」
「マウリアだからだね」
「うん、しかし本当にね」
 今度はつくづくという言葉だった。
「マウリアは独特だね」
「最初からそう思わせてくれるね」 
 トムもこう返した。
「本当に」
「そうだね」
 こうした話をしながら観ていく、すると。 
 ハドソン夫人と思われるサリーを着たマウリア人の美女が家賃の話をするとだった。
 何処からかともなく部屋の中に多くの男女がすすす、と出て来てだった。ホームズ達は音楽に乗って踊りだし。
「歌って家賃の話してるね」
「そうだね」
 トムは弟の言葉に応えた。
「早速ね」
「そうしてるね」
「何ていうか」
 シッドは男女と共に歌い踊る三人を見つつこうも言った。
「まさにマウリア映画だけれど」
「いきなり人が出て来てだね」
「マウリア映画観ていたら思うけれど」
 それも常にというのだ。
「歌と踊りの時いつも人が出て来るね」
「何処からともなくね」
「この人達何者かな」
「それ謎だよね」
「物凄く親しく一緒に踊るけれど」
 そして歌うがというのだ。
「何なのかな」
「不法侵入よね」
 エミリーは法律的観点から話した。
「この人達」
「人の家に急に出て来たからね」
「何か左右からすすす、って出て来たけれど」
 考えてみると、というのだ。
「もうね」
「それはだよね」
「それこそね」
 まさにというのだ。
「不法侵入で」
「ホームズさん達一切気にしてないね」
「しかも家賃の催促なのに」
 そうした個人としてはシリアスな場面だがというのだ。
「皆明るい笑顔で歌って話してるわね」
「踊りながらね」
「考えてみたら凄い場面ね」
「そうだね」
「しかもね」
 シッドはマウリア人の視聴者達を見つつ言った。
「マウリアの人達も踊ってるよ」
「それがマウリアなんだよね」
「それもなんだ」
「映画で歌や踊りの場面があったら」
 その時はというのだ。
「一緒にね」
「歌って踊るの」
「そうするらしいから」
「立ってなんだ」
「うん、そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「やるものらしいよ」
「そうなんだ」
「これもマウリアだとね」
「普通なんだね」
「そうだよ」
 こう弟に話した。
「それもね」
「だから止めることはだね」
「マウリアでは駄目だから」
「ここでもだね」
「そう、しないでね」
 そうしてというのだ。 
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