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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その十一

「どうもな」
「戦力は互角ですね」
「完全に拮抗していますね」
「あそこまで拮抗していますと」
「また引き分けになるかも知れないですね」
「片方が大きなミスをしない限り」
「そのミスもな」
 どうかと言うのだった、見ればトンガ軍中佐の軍服を着ている。自身の船からSNSを使ってそのうえで他の船にいる他国の武官達を会話をしているのだ。
「あるかというとな」
「まずないですね」
「アッディーン大統領、シャイターン主席なら」
「そのミスもなく」
「そのまま正面での戦闘が行われますね」
 前回の会戦の様にというのだ。
「そしてがっぷり四つに組んで戦い」
「勝敗を決しようとする」
「そうなりますね」
「そうなるだろうな」
 まさにというのだ。
「今回もな」
「そうでしょうね」
「まあその状況でどちらが勝つか」
「そう考えますと」
「どうにもですね」
「難しいですね」
 どちらが勝利を収めるか、今はじまろうとしているこの時点ではというのだ。
「どうにも」
「さて、この戦いはどうなるか」
「それを今から観戦しましょう」
「そして戦闘も観ましょう」
「一体どういった戦いになるか」
「そのことを」
「前回は壮絶な死闘だった」
 トンガ軍の中佐はまた話した。
「まさに正面同士からぶつかり合ったな」
「左様でしたね」
「両軍の損害は八割近くに達しました」
「双方が」
「今回もそうした戦闘になるでしょうか」
「やはり」
「そうなるかもな、戦力が全ての面において互角だとな」
 そうした状況ならばというのだ。
「多くの犠牲を出るのも当然だ、力と力がぶつかり合えばそれが互角であればその分だけ力がせめぎ合う」
「そしてそれが戦闘ならば」
「そのせめぎ合いの中で戦闘が激しくなり」
「犠牲も損害も増える」
「そうなりますからね」
「今回もそうなるか、若しかして」
 トンガ軍の中佐はこうも言った。
「もうこの戦争は消耗戦になるか」
「オムダーマンとティムールの」
「そうした戦いになりますか」
「この戦いは」
「その様に」
「そうなるかも知れない」
 こう言うのだった。
「若しかしてな」
「そうだとしますと」
「そうした戦争では国力の高い方が有利です」
「ならオムダーマンが勝ちますか」
「消耗戦になれば」
「そうなるかもな、だが消耗戦は国力の全てを使い行う」 
 その国のそれをというのだ。
「そうなるとな」
「サハラ全体が疲弊しますね」
「必然的にそうなりますね」
「そして統一出来たとしても」
「オムダーマンが勝利したとしても」
 この究極の政治的かつ戦略的な目的を達成出来てもというのだ。 
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