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夢幻水滸伝

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第百九十話 南の諸島においてその十一

 ポール=バイテはこの世界に来た時には港にいた、タヒチの港にいてそれでまずは周りに対して問うた。
「ここは何処や」
「ここ?タヒチだよ」
 水の精の船乗りが答えた。
「ここは」
「タヒチか。言われてみればそうした海やな」
 船乗りの言葉に頷いた時にだった。
 バイテの心の中で声が語り掛けてきた、そうしてこの世界のことと世界を襲う危機が存在していて自分はその危機からこの世界を救う星の者の一人であることを教えられた。
 その話を聞いてからだ、バイテは船乗りに自分から問うた。
「この世界星のモンが必要か」
「星のモン?救世主の方々か」
「そうなんか?」
「ああ、世界の危機が何かわからないけれどな」
 それでもとだ、船乗りはバイテに答えた。
「それでもな」
「その危機を救う救世主がか」
「星の方々だよ」
「そうやねんな、それでどうも拙者は」
 バイテは自分から話した。
「そのな」
「その?」
「星のモンらしい」
「いきなり何言うんだ」
 船乗りはバイテの言葉を聞いてすぐに笑った。
「嘘でもましな嘘吐けよ」
「ほなちょっと証拠見せようか」 
 バイテは心の中でまた語り掛けてきた声に頷きつつ船乗りに話した。
「術を使って」
「ああ、どんな術を使うんだよ」
「これな」
 まずは隕石の術を使って空に無数の隕石を出した、そして。
 召喚の術でバハムートを出しまた他の強力な術を立て続けに出してみせた、そして自身の神具であるフェニックスの尾を出すと。
 最初の引責で腰を抜かした船乗りは唖然とした顔で言った。
「いや、これでです」
「信じてくれたか」
「はい」
 まさにというのだ。
「流石に」
「どうもそうらしいわ」
「貴方が星の方ですか」
「そや、それでこれからどうするか」
「そのことをですか」
「考えてるんやが」
「あの、職業は」
 船乗りは立ち上がりつつバイテに彼のそれを問うた。
「一体、種族は火の精とわかりますが」
「海賊らしいな」
 心に語り掛けて来る言葉はそう言っていたのでそのまま話した。
「どうも」
「海賊ですか、ならです」
 船乗りはバイテにあらためて話した。
「船に乗られて」
「そうしてか」
「まずはモンスター退治をしてくれますと」
 そうしてくれたらとだ、船乗りは言うのだった。
「有り難いです、今タヒチの海は結構大変で」
「モンスターがよおさんおってか」
「はい、鮫も多くなっていて」
「鮫もか」
「あと鰐も」
 この生きものもというのだ。
「そうなっています」
「それは確かに大変やな」
「ですから星の方でしたら」
「わかった、ほなな」
 バイテは船乗りの言葉に頷いた、それでモンスター退治に出る船に自分のことを明かして乗り込んだ。その船乗りも一緒だった。 
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