| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と不思議な蛸

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四幕その六

「日本に来ています」
「そうでしたね」
「そうしたことを見ますと」
「捕鯨反対については」
「僕は賛成出来ませんでしたし」
「今もですね」
「はい、それが乱獲にならなければ」
 それ位ならというのです。
「構いません、そして僕自身です」
「鯨をですね」
「食べます」
 そうしているというのです。
「特にベーコンが好きで」
「ああ、鯨のベーコンですね」
「あれは美味しいですね」
「あの美味しさをご存知とは」
「いや、和食はこのこともです」
 鯨料理もというのです。
「非常にです」
「お好きですか」
「はい」
 そうだというのです。
「僕は」
「それは何よりですね」
「そう言って頂けますか」
「兎角外国の人はです」
 ダイバーさんは先生にこうも言いました。
「鯨については」
「食べないですね」
「食べないどころかです」
「捕鯨反対ですね」
「そう言われて」
 それでというのです。
「もう意固地に反対するので」
「その意固地は学問としてはです」
「よくないですか」
「はい」
 先生は一言で答えました。
「もう何よりもです」
「いけないことですか」
「意固地になりそのことに凝り固まれば」
 そうなってしまえばというのです。
「学問は止まり歪んでしまいます」
「捕鯨についても」
「過去に欧州各国もアメリカも捕鯨をしていました」
「その白鯨ですね」
「そして鯨も増え過ぎるとです」
 海にそうなってしまうと、というのです。
「かえってです」
「生態系が崩れてですね」
「よくないです、鯨は身体が大きい種類が多いので」
「よく食べますね」
「大型の哺乳類でしかも常に身体を動かしています」
「多く食べる要素が揃っていて」
「本当によく食べます」 
 鯨はというのです。
「それが魚類でもオキアミでもです」
「かなり食べるので」
「あまり増え過ぎますと」
 食べ過ぎてというのです。
「海の生態系がおかしくなります」
「あまり特定の生きものばかり保護してもですね」
「よくないです」
 先生は穏やかですが確かな声で言いました。
「ですから」
「捕鯨もですね」
「必要でして」
 それでというのです。
「鯨を食べることもです」
「いいことですか」
「日本の貴重な食文化の一つですから」
 それだけにというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧