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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり

作者:日本男児
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第4話 訪日!日本世界との邂逅!!

 
前書き
コロナ渦で映画業界が大変な今ですが、個人的には『ガルパン最終章』と『ゴジラ対コング』、『シン・ウルトラマン』の公開が楽しみです。
どれも予告や特報を見る限りじゃ期待値大なんだよな〜。 

 
『強硬派が事実上の壊滅!』


ブラック将軍ら使節団はその報せを出発直前に聞き、衝撃を受けた。


「壊滅!?強硬派が?」
「朗報じゃないですか!これで対日外交に専念できる!」


メンバーの殆どは両手を上げて喜ぶ。今後、日本世界と平和的な交流を行う上ではどうしても強硬派が邪魔になるからだ。
しかし、使節団長を務めるブラック将軍だけは考え込むような姿勢を見せた。


「そうか、強硬派が壊滅か。それはそれは…」


「どうされたのです?強硬派が壊滅したことが喜ばしくないのですか?」


千堂はブラック将軍に不安そうに尋ねた。


「いや、喜ばしい限りだ。しかし…いや、予定通り切り出すだけだ」


「?」


どういう意味なのか気になったが、千堂はその先を深く追求することはしなかった。相手は畏れ多くも大幹部だからだ。
……千堂が、その言葉の意味を理解するのはそれから数時間後の対日会談のことだった。


「……いよいよ訪日ですね。正直、戦闘開始直前のようです」


「フッ、外交もある種の戦いだからな。
…それよりもどうしたのだ、千堂よ。やけに震えているではないか。緊張しているのか?」


僅かな身体の震えに気づいたブラック将軍は千堂を見つめる。


「ハハ、まさか。武者震いですよ。これも将軍の仰る通り、外交が戦いである故に身体が反応しているのでしょう」


千堂は冗談混じりにそう言った。
しかし、今でこそ千堂は日本世界に対して武者震いを起こしているが2,3日前までは別の意味で震えていた。



きっかけは数日前の打ち合わせ時に貰った報告書を読んでからのことだった。
千堂はオタクとまではいかないが歴史好きという部類に入る。少し前に博物館でレレイ達に大幹部達の『偉業』を語ってみせたのがその証拠だ。

そんな千堂からすれば、日本世界の情勢が書かれたこの報告書はとても興味深い代物だ。ショッカーの加護を受けていない世界がどんな歴史を歩んだのか、どうなっているのか知りたかった。


公私混同をしていることを反省しつつ、読み始めた彼は戦々恐々とした。
日本側の世界は混沌(カオス)、いや、なんなら地獄と言った方がいいかもしれないものだったからだ。


まずは日本国。
日本国は自由主義陣営に属しており、民主主義によって自由と平等な社会を実現するという大義を抱えている国だ。
全体主義的なショッカー世界に生まれ育ち、それこそが至上と考える千堂からすれば、これを国是としてありがたがる日本人の気持ちすら理解できるものではなかった。

確かに、誰もが平和と豊かさを享受できるのは素晴らしいことだとは思う。しかし、ここ数年間の日本の現状を鑑みるに民主制を採っているばかりに衆愚政治に陥っているようにしか見えない。せっかく長く誇れる歴史を持っているのに…と思わざるを得なかった。



これだけならまだ『ああ、残念』で済む。それに彼自身、ダメージは喰らったがこれ位ならまだ想像の範囲内ではあった。しかし、日本の外…つまり、外国に至ってはもはや地獄の様相をしていた。
 

アメリカは人種問題に苦しみ、1%の富裕層が99%の貧困層が国家の富を独占する状況が続いている。こんな国が日本世界で『超大国』を自称しているのだから呆れて言葉も出なかった。


中国は未だに社会主義国であり、少数民族を弾圧しながら、太平洋進出を目論んでいる。
ソ連の成れの果てであるロシア連邦はクリミアを併合して旧ロシア帝国復活を虎視眈々と計画している。
これらの国の対応は『帝国主義の再来』といっても過言ではない。

さらに中東ではテロ組織が台頭し、ほぼ全土が混乱。テロ組織の中には国家を自称するものもあり、アメリカやヨーロッパ諸国と対立。アフリカは紛争と民族対立に身を投じているせいで、未だに貧困状態にあるそうだ。



日本国は平和ボケの衆愚政治、アメリカは人種差別に格差、中露は弾圧に帝国主義、中東・アフリカは内戦やテロ………。
これらだけでも日本世界の闇はまだほんの表面上のことに過ぎないのだという。


知れば知るほど恐ろしかった。日本世界の人々はこんな世界で暮らしていて、何も感じないのだろうか。
ショッカーが無ければ、自分達の世界も少し違えばこんな風に狂ってしまっていたかもしれないと思うと恐ろしさで身震いが止まらなかった。


だがそれも少し前…いわば過去の話。今の千堂は打ち合わせの時並に、或いはそれ以上に対日外交に躍起になっていた。
日本世界の実情を知ったことが千堂の正義感に火をつけたのだ。そしてそれが武者震いとなって身体に現れていた。


「流石は大役を任されているだけはあるな。期待しているぞ。さあ、そろそろ時間だ。行くぞ」


ブラック将軍はそう言うと門を潜った。千堂ら他のメンバーも彼に続くように門を潜った。門を潜った先にあるのは当然、オ・ンドゥルゴ基地。 


基地の中には既に日本側が用意した黒塗りの車が停車していた。予め、基地内への進入を許可していたのだろう。その奥ではゾル大佐が無言でこちらをジッと見ている。「諸君らの健闘を祈る」、まるでそう言っているようだった。
 

千堂は静かに敬礼をすると車の後部座席に乗り込んだ。一方、ブラック将軍はゾル大佐を一瞥すらすること無く車に乗り込んだ。大幹部を無視するような真似をできるのは自身もまた、大幹部だからだろう。千堂は自分には決してできないブラック将軍の行動に頭を下げるしかなかった。


車が発車し、やがて数十キロほど走ると自衛隊アルヌス基地に入った。何人かの自衛官が見物する中、車を降りた。


「お待ちしておりました。私は日本国で外交官をしております、菅原浩治と申します。今日一日、皆様の付添をすることとなっています」


そう言うと菅原は使節団一行を門の方へと案内した。アルヌス基地もオ・ンドゥルゴ基地と同じように門をドーム状の建造物で覆っていた。
建物の中に入り、門を潜った。ようやく使節団は日本世界へとたどり着いた。


ドームを出た彼らを迎えたのは、12月の冬の冷たい空気と昼間の銀座の街並みだった。使節団は首を左右にキョロキョロさせながら、初めての日本国の地を目に焼き付けていた。
この世界において日本は先進国の部類には入るが、ブラック将軍や千堂らショッカー側の世界の人間には東京の街並みはややレトロに感じる。


「来たぞ!ショッカーの使節団だ!!」
「おい!フラッシュを炊くな!写らないだろ!」
「こっちを向け!!」


そう喚くのは日本国内のマスコミ達だ。各国のメディアや使節団の前だというのに醜態を晒していた。

使節団員達に各国のカメラやテレビ中継のクルー達が一斉に砲列を向ける中、ショッカーの使節団と日本の交渉担当の菅原を始めとした外交官、そして日本国の代表である本位総理を始めとする数人の閣僚が銀座の門の前に降り立った。

本位はカメラやテレビに手を上げ挨拶し、使節団も総理に倣って手を上げる。

本位はブラック将軍に近寄り、話しかける。


「長旅お疲れ様でした。私が日本の総理を勤めている本位です。改めて、ようこそ日本へ。歓迎いたします」


「こちらこそ、お招きいただき感謝する。本位首相」


ブラック将軍は首相と握手するとマスコミのカメラの方を向いた。
するとマスコミ席からパシャパシャと絶え間ないシャッター音と光が起こる。
それを見て、千堂は思った。


(さすがはブラック将軍。こちらの友好振りを日本や第三国に印象付けているのですね)


千堂が感心する中、ブラック将軍の目線がチラリと千堂の方へ移動した。


(さぁ、千堂。親善大使としての初仕事だぞ)


そう言っているように感じた。
千堂は内心慌てつつも、冷静な素振りで本位の元へ近寄り、手を差し出した。


「この度、親善大使に就任しました千堂印一です。これからよろしくお願いします」


「こちらこそ、千堂氏。炎龍との戦闘の際は我が自衛隊と共闘してくださり、感謝します」


この時、既に日本とショッカーの外交戦が始まっていた。一見、これらは取り留めのない会話に聞こえる。しかし、片や一国の首相として、片や使節団の全権委任者として、向かい合う相手の器や人となりを確かめているのだ。
さらに、それと同時にどこか緊迫感があった。千堂は外交の素人故に理解できていないが、本位とブラック将軍は分かっていた。この一連の流れの間にどれだけ相手に差をつけるかで、これからの会談が有利に運ぶかを。


写真撮影が終わると、日本側と使節団は車に乗り込み、首相官邸に向かった。
首相官邸に到着すると、使節団一行は会議室へと通された。
両者が向かい合う形で長机に向かい、本格的な会談が始まった。



「改めて自己紹介を。私は日本国総理大臣、本位慎三です。この度は異世界から遠路遥々お越しいただきありがとうございます」


そう言うと本位は頭を下げた。
本位は早々にブラック将軍が油断ならない御仁であると感じ取っていた。
目つき、風格、出で立ち…どれをとっても鋭く、大きなものだったからだ。正に歴戦の戦士という感じがした。



対するブラック将軍は―。




(何だ?この脆弱な男は?)


失礼ではあるが、そう思っていた。
事前に仕入れていた情報によると彼の眼の前にいる男はこの国の舵取りをするリーダーであるはずだ。にも関わらずブラック将軍からすれば、本位にはリーダー然としたオーラが感じられなかった。
しかし外交の場であるが故にそれを面に出すことはなかった。


「では、こちらも改めて自己紹介をさせてもらう。吾輩はショッカーより派遣された、ブラックだ。ゲルダム州…この世界で言うアフリカ大陸で行政長官を任されている」


ブラック将軍の言葉で日本側は改めて、ショッカー世界が世界統一されている事実を再認識した。
本位は驚いてばかりはいられないと、世間話を続けた。もう少し、ブラック将軍の人となりを観察しようと思ったのだ。


「すでにご存知とは思いますが、我が国としては貴方方の世界との友好を発展させ、国交を結びたいと考えています」


「ああ、我々、ショッカーも同じだ。そして国交開設の暁にはあらゆる技術支援も行う所存だ。既に確約しているナノマシン技術や感染症特効薬はその前段階だ」


「存じております。その寛大な贈り物には感謝してもしきれません」


本位とブラック将軍は双方の代表として目を逸らさず、穏やかな口調で語っている。
そんな中、ブラック将軍は切り出した。


「……しかし、時に我々の友好を邪魔したい者達もいるようだな。マスコミだったか?我々に対して有る事無い事を言っているそうではないか」


「…!!!!」


突然の爆弾発言に本位は一瞬、ポーカーフェイスを崩した。これには予想外だったようだ。まるで考え直すように、数秒ほど沈黙した後、本位は口を開いた。
  

「…我が国では報道機関に報道の自由を認めています。それが、たとえ間違ったものであっても政府が強制的に訂正させることはできません」


『悪いのはマスコミである。日本政府を責めるのはお門違いだ』。本位がそう言いたいのがひしひしと伝わった。
しかし、ブラック将軍はまるで想定内の発言であったかのように、意に介さないといった様子だ。


「…日本側の主張は理解した。確かにそういう解釈も可能だろう。だが、その自由なマスコミとやらのせいで少し困ったことになっていてな」


「え?」


「対日強硬派……要するに、『日本国に懲罰攻撃を加えよ』と叫ぶ勢力が一定数出てきてしまっているのだよ」


ざわ!!!


強硬派についての初言及に日本側の席がざわめく。ショッカーとの武力衝突の可能性がここで浮上したからだ。ブラック将軍は現在、強硬派が壊滅しかけていることをあえて言わなかった。 
しかし、それが功を奏し、日本側に対して大きなアドバンテージとなっていた。本位に至っては目を白黒とさせている。ざわめく日本側の席の中で1人の男が恐る恐る手を上げて質問した。菅原である。


「その勢力はショッカーの政府内でどれだけの影響力があるのですか?」
 

「影響力はまだ小さいな。だが、この現状もどれだけ持つか…これから拡大する可能性もあるな」
 

ブラック将軍は含みを持たせて答える。
ショッカーとの全面戦争。技術力、軍事力、国力ともにショッカーが圧倒的に有利なため、戦えば日本が負けるのは確実。最悪、本土侵攻さえもあり得る事態に日本側は動揺を隠せない。
ブラック将軍はその様子を見て、ニヤリと笑った。


ブラック将軍の交渉術に千堂は舌を巻いた。いや、千堂だけではない。その場にいるショッカー側の全ての人間が改めてブラック将軍の凄さを再認識させられていた。
強硬派の増長。それは日本にとっては悪夢そのものだ。実際には既に壊滅したも同然なのだが、日本世界のマスコミが反ショッカー報道を繰り返す限り、息を吹き返すかもしれないので、あながち嘘ではない。
ブラック将軍は『強硬派の台頭とそれに伴う日本侵攻』という恐怖を与えることで、日本が自由主義の国であるにも関わらず、事実上のマスコミ規制をせざるを得ない方向を作り上げたのだ。


それからブラック将軍は大袈裟に俯いてみせた。まるで今後の未来を憂いているかのような仕草だった。


「吾輩個人としても日本と不幸な行き違いがあるのは不味いと思っているのだ。どうだろう?完全な思想統制を要求しているわけではない。ただ我々としては友好の障壁を取り除きたいだけなのだ」


「……分かりました。何とかしましょう」


本位はブラック将軍の要求を呑んだ。いや、むしろ相手に脅威を説かれて半ば強制的にそうさせられたという感じだ。


(脅威を説いて恐怖を与えることで、相手を動かす……か。勉強になりました、ブラック将軍)


千堂は隣に座っているブラック将軍の方を見ながら心の中で彼に礼を言った。
巧みな交渉術を目にし、千堂の中ではブラック将軍の尊敬度がぐんぐんと上がっていた。


悩みの種が消えて胸を撫で下ろすショッカー側に対して、本位はぐったりと疲れたような様子だった。そして本位はゆっくりと日本側の要望を伝え始めた。


「日本国からの要望は1つだけです。お互いにこの関係を維持、発展させていくために未来志向で努力していきましょう」


ブラック将軍は堂々とした態度で本位やその他の閣僚の目を一人一人、ジッと見つめる。


「ふむ、その通りだな。互いに努力しよう」


「ありがとうございます」


本位は嬉しそうに微笑んだ。
そしてそれと同時にショッカー側でも微笑んでいる男がいた。千堂である。親善大使としては日本国との友好の発展を喜ばない理由はなかった。



そうして会談は無事、終了した。ショッカー側の使節団一行は立席する。閣僚がドアを開け、続々と使節団のメンバーが退室しようとする中、ブラック将軍はふと、思い立ったかのように立ち止まった。千堂や日本側の代表達は何事かと彼を注視する。


「…最後に1つだけ言わせてくれ、我々は『貴国』との交流の進展に期待するぞ」


!!!!!!!!


本位ら、日本側の代表は驚いた。


ブラック将軍は会談中、日本のことを『日本側』や『日本』としか呼んでいなかった。しかしたった今、初めて日本のことを『貴国』と呼んだからだ。それは公式の場でショッカーが日本を国家として認めたということを意味した。
正式に承認するのは国交を開設した時になるだろうが、今回のブラック将軍の発言は極めて大きいものだ。


「では総理、また後ほど。次の予定は東京視察だったな。楽しみにしているぞ」


そう言うとブラック将軍はゆっくりと歩き出し、千堂もそれに続くように退室した。
会議室から使節団一行が完全に退室し終えた後、本位達はホッと姿勢を崩した。
皆、疲れ果てている様子だった。


「ふぅ、想像以上でしたね」


「ああ、だが完全に会談の主導権を向こうに握られていたな」


一息つく本位に答えるのは防衛大臣を務める、嘉納太郎である。非常に悔しそうな様子だ。


「で?マスコミはどうすんだ、本位さんよ。検閲でもやるつもりかい?」


嘉納としてはそこが一番気になっていた。本位は頭を抱え、唸るように呟いた。マスコミ規制など民主主義のこの国でどう考えてもできるわけがないからだ。


「……公安に動いてもらいましょう。マスコミ関係者の不正や犯罪を洗いざらい調べて一斉に逮捕するんです。そうすればショッカー批判をする世論を多少、変えられ………!!!」


本位は途中であることに気づき、言葉を止めた。周囲の人間は不思議そうに彼の顔色を伺う。


「そうか、それが狙いか…。これからの付き合いも一筋縄ではいかないな」

 
「総理、どういうことです?」


自嘲気味に天を仰ぎ見る本位に菅原が問いかけた。すると本位はゆっくりと話し始めた。


「ブラック将軍が提案したメディア規制、一見すれば我々だけが負担しているようにも見えます。しかし、思い出してください。次の衆議院選挙がいつあるのかを」


その場の皆が壁に備え付けられたカレンダーに注目する。次の衆議院選挙は1週間後だ。だが、それがどうしたというのだろう。


「分かりませんか、あの御仁は私達の政権の延命を図っているんです」


ますます分からない。一体、それの何がどうなれば一筋縄でいかなくなるのだろう。

 
「知っての通り、次の選挙は大荒れが予想されています。新興政党のEP党の勃興に、民生党や共生党の弱小化…、何が起こるか分かりません。
しかし一番恐ろしいのはメディアの存在です。今まで推していた野党が弱体化したことで何をしでかすか……」
 

本位以外の閣僚達は一様に頷く。戦後のマスコミの横暴は凄まじい。国営放送局のサブリミナルに、都知事捏造テロップ事件…挙げればきりがない。ましてや、民生党や共生党というスポンサーを無くした今、生き残りをかけてさらに"政権批判"に勤しむ可能性がある。
ここにきて、ようやく嘉納はショッカー側の真意を理解した。


「そうか、俺達にメディア関係者を逮捕させるように仕向けて、反ショッカー的になりうる異分子を日本国内から取り除こうとしたんだな。"親ショッカー的な現政権"を存続させるために…!!」

 
ここ数ヶ月で日本を取り巻く状況は一変した。
門の出現に、帝国との戦争、ショッカーの登場…。
そのせいで国民の与党への支持もぐらつき始めた。
政権交代が起こる可能性を危惧してありとあらゆる手を打った。大きな声では言えないが財界や団体に金を配り、得体は知れなかったがEP党と連立合意を結ぶことを決めた。
しかしそこまでしてもメディアの徹底的な政権批判には敵わないところがあった。
ここにきてショッカーが提案したマスコミ規制は正に渡りに船だった。


「ショッカー側の狙いが見えてきましたね。
…今度の選挙で万が一、我々の政権が倒れたらショッカーの対日戦略が一変する恐れがあります。そして、メディア規制はそれを防ぐ一手となりえます。つまり、こちらにも損はない上に、ショッカーも得をしているというわけです」


嘉納や本位と代わるようにして、菅原は外交官としての見地を呟くように言った。


「対内的には日本から一方的に利益を得ることで完全勝利をアピールし、台頭してくるであろう強硬派を抑えつける。その上でこの世界との交流を見越して、日本国内に安定的な政権の維持と親ショッカー的な世論を作り出す準備をする。…見事です」


「なるほどな。向こうのブラック将軍って奴、中々の玉じゃないか」


嘉納が感心する中、本位は独り言のように言った。


「……あれだけ優秀な使節団がこれだけで終わりなわけがない。きっと明日のマスコミ会見でも何か打って出るに決まってる!!」


閣僚達は慌ててマスコミ会見の予定表を取り、注視する。そして質疑応答役となっている1人の男の名前に目をつけた。


(((きっと、この千堂という男が何かするに違いない!!!)))



千堂の知らないところで彼の株が急上昇していた。
 
 

 
後書き
次回予告
波乱のマスコミ会見!そして外国の工作が動き出す!
どうする、千堂!!??

それでは次か(`゚皿゚´)/イーッ!!  
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