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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第21話『新世代、学ぶ』

「ティアナさん、あなた少しも平凡ではありませんよ。」
「そんなことありません!だって私は、機動六課でみんなに追いつく為に努力することしかできません。」
ティアナは涙声で言う。
「それは違いますよ。だってティアナさんは努力をし続けているではありませんか。努力を誰にでも出来ますが、努力をし続けることは誰にでも出来ることではありませんよ。」
「えっ?」
雅の言葉にティアナは驚く。
「普通の人はこれだけ頑張れば充分というラインを決めたらそれで止まってしまいます。ですがティアナさんは褒められてもそれで終わらせずに努力を重ねるティアナさんは、平凡ではありません。ある意味では、なのはさんと同じ、若しくはそれ以上の努力家かもしれません。」
「私が、なのはさんと…」
「ティアナさん、あなたのお兄さんのことは伺っています。次元犯罪者を追跡中に殉職なされたのですよね。そして、お兄さんの残した特別な術式、ランスターの弾丸を、事務仕事一筋で現場に立つことの無い方達に嗤われたのですよね。」
「はい。」
「でも、そのランスターの弾丸を扱えるのはもうティアナさんしかいないのですよ。ティアナさんが死んだら、誰がランスターの弾丸を教えられるのですか?」
「ですから私は、一刻も早く強くならないといけません。」
「そうですか、お話は分かりました。今後のことですが、ティアナさんとスバルさんには僕が稽古を着けることになっています。君達二人には、ここで訓練を積んで貰う。」
「国家象徴が?」
「はい。形式としては、模擬戦形式で僕と戦うシンプルなものですから、肩の力を抜いてください。その代わり、負けた場合には報告書を書いてもらいますよ。」
「ありがとうございます。是非、よろしくお願いします!」
ティアナは体を起こして頭を下げる。
「よし、そうと決まったなら、明日から訓練の開始だ。今日はもう遅い。明日に備えて今日はもう寝るといい。」
「その前に、スバルに合わせてもらえませんか。」
ティアナは雅に言う。すると、
「ティア、呼んだ?」
扉を開けてスバルが入ってくる。
「スバル、あんた応接室で待っていたんじゃ!?」
「いやぁ、あれから晩ご飯を食べさせて貰って、ずっとこの扉の向こうにいたよ。それで、雅国家象徴に話があります。」
「なんだい?」
「その訓練、私も混ぜていただけませんか!」
スバルは頭を下げる。
「構わないよ。君達は二人でチームを組むことを基準にスターズに選ばれたのだからね。それでは、今日はこれまでだ。お休みなさい。」
雅が医務室を出ると、スバルとティアナは医務室で眠り始める。

翌日、雅とスバル、ティアナの三人は国家象徴宅の戦技訓練施設に来ていた。
「さあ、まずは君達の今の実力を見たい。本気でかかってくるといい。その代わり、僕も全力で相手をする。二人の勝利条件は僕を変身解除させること。敗北条件は立ち上がることが困難とこちらが判断するまで。それで大丈夫かな?」
「「はい!」」
雅の言葉に二人は反応する。
「では、始めようか。」
雅はディロードライバーを装着し、ディロードのライダーカードをスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「マッハキャリバー!」
「クロスミラージュ!」
「「セットアップ!」」
二人はバリアジャケットを纏う。
【ATTACK RIDE-HAKUYOKU-】
ディロードは魄翼を展開する。
「本気で行きますよ!ナパームブレス!」
ディロードは弾幕を展開する。
「なんて強さ!これが、仮面ライダーとしての国家象徴…」
ティアナは驚く。それを見ながらディロードはディロードドラゴタイマーを装着する。
「かつて、この国と戦った男と戦うんだ。半端な考えではすぐに撃墜されるぞ!」
“ディロードドラゴタイマー!マジックモード!スタート!”
ディロードはディロードドラゴタイマーを起動させる。
“スターライト!”
「アクセルシューター!」
ディロードはスターライトフォームを召喚し、スターライトフォームはアクセルシューターを放って攻撃する。
“ライトニング!”
「ハーケンセイバー!」
“セイントスノーレイン!”
「クラウソラス!」
“スノーレイン!”
「穿て!ブラッディダガー!」
“トライユニゾン!”
「ハイパーリミットオーバーアクセルクロックアップ!」
ディロードは更にライトニングフォーム、セイントスノーレイン、スノーレインフォーム、トライユニゾンを召喚する。
“ファイナルタイム!ディロードフォーメーション!”
ディロードは必殺技を発動する。
「来る!?」
ティアナはカートリッジを装填しようとする。しかし、
「サンダーレイジ!」
「バルムンク!」
ライトニングフォームとセイントスノーレインの攻撃によってスバルと共に動きを封じられてしまい、
「「「「ディメンショントリニティブレイカー!」」」」
「スターライトブレイカー!」
トライユニゾンとスターライトフォームの砲撃が二人を襲い、その隙にディロードはティアナから魔力を奪い取る。
「ディロード雷填キック!」
「エンシェントストライク!」
ディロードとスノーレインフォームのダブルライダーキックはスバルとティアナに直撃し、二人は立ち上がることが出来なくなる。
「そこまで!今日の訓練は二人の敗北だ!」
ディロードは戦闘の続行不可能を確認し、変身を解除する。
「二人共、立てるか?」
雅は二人を手を差し伸べる。
「ありがとうございます…」
二人は雅の手を借りて立ち上がる。
「今日はここまでだ。後は反省会の時間だ。まずはお昼ご飯を食べて、一休みしてから、負けた原因を考えよう。」
雅達はシャワーを浴びて食事を取る。
「すごく美味しい!雅国家象徴、これってビストレ・サルのランチですよね!」
「そうですよ。ひよりさんに頼んで作って貰ったのですよ。」
スバルは凄まじい食欲で食事を食べきってしまう。
「「「ご馳走様。」」」
雅達は食事を済ませると、事務室に向かう。
「さて、二人にはまだ話していなかったね。」
「何を、ですか?」
「何故高町教導官が基礎訓練にこだわり続けるのか。彼女は今から5年前にあるガジェットドローンの襲撃を受けて全身不随の重体になり、二度と魔法は扱えないと診断されたことがあった。無論、教導官はその時期で既に今と変わらない実力を持っていた。しかし、教導官は偶然に魔法を手に入れた少女。戦闘の基礎訓練を一切してこなかった結果、魔導師生命が絶たれる一歩手前になった。教導官はその過去を深く受け止め、自身の教え子には基礎訓練をしっかり行うことを決めたのですよ。」
雅は何故なのはが基礎訓練にこだわり続けるのか説明をした。
「なのはさんに、そんな過去が…」
スバルとティアナはその言葉を深く受け止めた。
「さて、今日はこれから反省会だ。今日の模擬戦での失敗点を二人で相談して報告書に纏めるんだ。完成したら僕に渡して、僕がその内容を確認して、明日の模擬戦の参考にする。わかったかな。僕はしばらく部屋を離れるから、二人で相談して作るんだ。」
雅は部屋を離れる。スバル達は相談を始め、3時間かけて報告書を作成し、雅を呼んで提出する。
「…なるほど、つまり今回の敗因は人数的な不利が原因と?二人共、それは本気で言っているのですか?貴方達機動六課が追う対象は大規模な犯罪組織、当然あれより大勢を相手にしなくてはならなくなります。その中で6人相手に人数差を理由に負けたと言っていてはこれから先やっていけません。とにかく、これが敗因と考えているなら、明日の模擬戦は1対2やろう。それでは、今日はもう自由時間にしよう。」
雅は反省会を終わらせる。

翌日、再び模擬戦が始まる。
「では、予定通り僕は一人で行こう。」
【CHANGE RIDE-GAMER DRIVER-】
雅はディロードライバーをゲーマドライバーに変える。
「ハイパー大変身!」
《パッカーン!ム~テ~キ~!輝け、流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキ~!エグゼ~イド!》
雅はエグゼイド ムテキゲーマーに変身する。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」
エグゼイドは高速移動でティアナに近づき、高速10連攻撃を放つ。
「だったらこれで!」
ティアナはクロスファイアシュートをエグゼイドに放つが、一切の攻撃を受け付けないムテキの力でダメージを受けることなくエグゼイドは攻撃を続行し、
「フィニッシュだ。」
《キメワザ!Hyper CRITICAL SPARKING!》
エグゼイドは必殺技を発動し、100連攻撃を受け倒れる。
「この模擬戦も、君達の負けだ。今日も午後から反省会だ。僕は少し家を離れるから、二人で相談するといい。」
雅はワープのカードを使って離れる。

「二人共、大丈夫かな…」
なのははティアナ達を心配する。
「二人共、まだまだ考えが甘いかな。」
なのはの後ろに雅が現れる。
「雅国家象徴!?」
「驚かせてすまない。二人共元気に頑張っている。だけど、基礎ばかりで応用が利かない。今のままでは、とても戦力になるとは言えない。二人がなのはの所に戻りたいと言った時に、考えるといい。僕は二人の所に戻るよ。」
雅は再びワープを使って自宅に帰った。
「どうだ、出来たか?」
雅は事務室に入る。
「国家象徴、これが私達の出す最後の報告書です!」
スバルは報告書を渡しながら言う。
「やはり、今の私達は力不足です。なのはさんの所で、もっとしっかり勉強したいです!」
ティアナが言うと、二人は頭を下げる。
「合格だ。戻るといい。教導官には、僕の方で連絡する。」
雅はスバル達を見送る。
「なのはさん、ごめんなさい!」
ティアナは帰ってすぐ、なのはに謝る。
「大丈夫だよ。お帰り、ティアナ。」
なのははティアナに笑顔を見せる。二人には、互いへの疑念と不安は消えていた。

その頃、スカリエッティ博士の研究所にスマートブレインのイメージガール、スマートレディがいた。
「こちら、頼まれていた剣崎一真と相川始の遺伝子になりまぁす。」
スマートレディはスカリエッティ博士に試験管を二本渡す。
「ありがとう。協力に感謝するよ。」
「それでは、当初の契約通り、我らの王を改造実験体として、蘇らせていただけるのですね?」
スマートレディはスカリエッティ博士を見る。
「そんなこと、私の眼中に無いね。」
スカリエッティ博士はスマートレディとの約束を反故にする。
「そういうことを言うのですね。おねぇさん、お仕置きしちゃいますよ?」
スタートレディはオルフェノクに変身する。しかし、紫色の光が通り過ぎると、スマートレディの体は真っ二つとなり灰になる。
「これは、面白い研究が出来そうだ。」
スカリエッティ博士は笑みを浮かべた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「そろそろ、次のステップに進もうか。」
「こんな地下に、女の子!?」
「人は、人であればいい。」
「世界は、完成されて初めて価値が生まれます。」
「こいつらは一体!?」
次回『新世代、保護する』 
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