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レーヴァティン

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第百九十三話 武蔵入りその十

「徳川吉宗さんにね」
「そして田沼時代で緩めてな」
「松平定信さんが引き締めて」
「徳川家斉が緩めた」
「改革って言うか緊縮してるだけれど」
 財政をだ、そこに風紀の厳粛化も加わった。
「まあそれでもね」
「そうした政策があったな」
「江戸時代はね」
「そうしたことをしないとだ」
 改革この場合は緊縮財政と言うその政策をだ。
「幕府は財政的にもたなかった」
「財政システム自体を変えなかったからね」
「そうなっていた、だが俺はだ」
 英雄としてはだ。
「それをだ」
「採用しないで」
「最初からな」
 幕府の財政システムをだ。
「やっていっている」
「そうよね」
「あれだけは採り入れるつもりはなかった」
 英雄はこうまで言った。
「ことを進められないからな」
「だからよね」
「何があってもな、しかしな」
「しかし?」
「幕府は他のシステムは優れていた」
 統治のそれはというのだ。
「だから二百六十四年続いた」
「やっぱり統治のシステムは大事たいな」
 香織も言うことだった。
「何といっても」
「そうだな、他にも要素はあるが」
 徳川幕府が長く安定した統治を続けられたことはだ。
「やはり優れていた、だからな」
「多く採り入れたたいな」
「俺達の幕府の政にな」
「そうたいな」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「浮島を統一する」
「その優れた統治システムも使って」
「是非な、本来は安定した国を治めるのに適しているが」
 江戸幕府の統治システムはというのだ。
「しかし統一を進めるにもな」
「やっぱりあれたい」
 香織は英雄に応えて言った。
「領地を確かに治められるとよ」
「そのことが大きいな」
「それならたい」 
 領地がしかと治められていると、というのだ。
「戦もたい」
「進められるな」
「そうたい」 
 まさにというのだ。
「領地が安定しているなら」
「その通りだな、だからな」
「戦を行うにも」
「幕府の政は優れている」
「全くたいな」
「多く採り入れてよかった、ただ分権はな」 
 各地へのそれはというのだ、
「藩はあるがな」
「あまりしていないたいな」
「幕藩体制だったが」
 江戸幕府は徹底した地方分権であった、諸藩がそれぞれ独立国の様に存在してそれぞれ政を行っていたのだ。 
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