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FAIRY TAIL 〜悠久なるトキの中で〜

作者:刃牙
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幕間
  結成‼︎ 最凶チーム‼︎

 
前書き
久々の1日連続投稿となりました〜 

 
ジュード・ハートフィリア凸事件(命名アルトリス)から数日。妖精の尻尾は新たな酒場の建設を開始していた。とはいえクエストの度に問題を起こすメンバーが多く、賠償金の支払いが嵩む今日このごろ。少しでも経費を低く抑えたかったマカロフらは自分達で新たな酒場を建てる事を計画。幸いにも反対するメンバーはおらず、むしろノリノリで参加してくれた。

なお、この機会に物の大切さを覚えて物を壊さないようになって欲しいとアルトリスは考えるが、それが叶う可能性は低いだろう。

そして本格的に工事を開始してから2日目。クエストの掲示板が新たに設置され、またクエストの受注を担う仮設の受付カウンターが完成した事でクエストの受注が再開された。

「みんなー‼︎ 今日から仕事の受注を再開するわよー!仮設の受付カウンターだけどガンガン仕事やろーねー‼︎」

ミラジェーンの言葉を聞いたメンバー達は雄叫びをあげ、クエストの依頼書が貼られた掲示板に我先にと駆け寄る。その様子を仮設カウンターで飲み物を飲んでいたルーシィが呆れたように見ていた。

「なにアレ……いつもはダラダラお酒飲んでるだけなのに」

「本当にな〜。もう少しダラダラしたってバチ当たらねーのに」

積み重なった角材の近くで瓶丸々1本の酒を飲んでいたアルトリスの足元には酒樽と瓶がいくつも転がっている。ダラダラするにも限度があるだろうとルーシィのツッコミが炸裂する。

「あなたは飲み過ぎよー‼︎‼︎」

「そうかぁ?まだ序の口だぜ?」

あれだけ飲んで平然とした顔でいるアルトリスにルーシィは苦笑を禁じ得ない。ハッピーやグレイらの話ではクエストであまりギルドにはいないというが、今の姿はその逆。ダラダラとしていて、仕事に行く様子を見せない。

「アルトリスさんは仕事行かないんですか?」

「しばらく仕事しねーとさ、仕事行くの怠くなんだろ?つまりはそういうこった」

「あはは。アルトリスさんお金の心配とか無さそうですもんね」

ルーシィの言葉にアルトリスは苦々しい表情を見せる。その理由は自分ではなく他人の問題でお金が滝のように消えていくのが原因である。

「……6月に預金2億あったのが今は5千万だぞ。しかも仕事でプラスされててそれだからな。1億5千万以上は確実に消えてんだ」

「最近はナツが物を壊す事が多かったものね……」

幾つかの口座に分けているから問題ないと言えばないのだが、このペースでいくと底をつくのに5年はかからないか。

ここ最近でナツが壊した物は定例会場全壊。ハルジオン港半壊。ルピナス城の一部損壊。フリージアの教会全焼。ナズナ渓谷観測所崩壊による機能停止。民家7軒壊滅。チューリィ村の歴史ある時計台倒壊と数え出せばキリがない。兎に角、ナツの弁償代や賠償金だけで相当な額の金額を支払っているわけだが、ここから更に他のメンバーの失態による賠償請求や弁償代が加算される。その額は幾らになるのか考えるだけで恐ろしい。

「もしかしてアルトリスさんが賠償金とか全部支払ってるんですか?」

「正確にはオレとマカロフな。あ!この事は誰にも言うなよ。特にエルザ」

妖精の尻尾の資産だけでは支払えず、マカロフも自身の貯金から支払ってはいるがマカロフ1人に支払わせていては破産も時間の問題。その為、アルトリスが一部を肩代わりしているわけだが、払っても払っても次が来るのである。

「(またヤジマさんに高額クエスト紹介してもらわなきゃな)」

この数年はマカロフの旧友でもあるヤジマという評議院議員に頭を下げて高額クエストを貰う日々。妖精の尻尾のS級クエストと掛け持ちしている為、まともな休みが取れたのは幽鬼の支配者との抗争で手に入ったこの休みだけである。もちろん、その休みもまともに休めているとは言い難いのだが今までよりは何倍もマシなのが現状だ。




閑話休題

アルトリスが先行きに不安を感じていると、エルザの怒鳴り声が聞こえる。その相手はラクサスという雷の魔導士。妖精の尻尾にいるS級魔導士の1人だ。かつてはアルトリスと共にチームを組んでいて、その成長ぶりには目を見張るものがあった。

「もう一度言ってみろ!」

「この際だ‥‥はっきり言ってやるよ。弱ェ奴はこのギルドには必要ねぇ」

だが、この男は実力主義の考えが強く、弱い者は妖精の尻尾には必要ないというある種の選民思想の持ち主でもある。もちろん、妖精の尻尾への愛というものが様々な要因が積み重なって屈折していった結果ではあるのだが、ともあれ彼はギルドメンバーから煙たがられる存在なのだ。

「ファントム如きに嘗められやがって恥ずかしくて外も歩けねーよ」

「元はと言えばオメーらがガジルにやられたんだって?つーか名前も知らねーや。誰だよ?」

「情けねぇな、おい」

ラクサスはレビィ、ジェット、ドロイの3人_チーム・シャドウギアを口撃する。とはいえ、正論と言えば正論の言葉に3人は黙るしかない。自分達の実力の無さを痛感しているのはこの3人なのだから。

「酷いことを」

「これはこれは元凶のねーちゃんじゃねーか」

ラクサスはシャドウギアからルーシィに標的を変更し、口撃しようとするが、その前にミラジェーンがカウンターを強く叩き、それを防ぐ。

「もう全部終わったのよ。誰のせいとかそういう話だって始めからないの。戦闘にも参加しなかったラクサスにもお咎めなし。マスターはそう言ってるのよ」

「そりゃそうだろ。オレには関係ねぇ事だ。ま……オレがいたらこんな不様な目にはあわなかったがな」

この男は自分の強さに自信を持っている。アルトリスが彼とチームを解消したのが5年前。それから何かを探しているという話だったが、それは見つかっているのか。どちらにせよ、今の彼がこれ以上の力を持つ事は避けたいところであり、見つかっていない事を願っているのだが。兎にも角にも心配の種が尽きる事はない。

「ラクサス‼︎ てめぇ‼︎」

怒りのままにナツが殴りかかるがラクサスは雷のように一瞬で移動してそれを躱す。もちろん、それはナツの怒りを助長させるのだが、ラクサスは彼の事など眼中にない。

「勝負しろよ‼︎ この薄情モンがぁあ‼︎‼︎」

「お前はどう思うよ?アルトリス」

ラクサスの目が映すのはアルトリスだけだ。面倒な事に巻き込まれたという気持ちもあるが、ラクサスをこのまま良い気にさせとくのも癪ではある。

「……弱かったら何も守れねーのは確かだ。そういう意味じゃ腕っ節の強さは必要だ」

ラクサスの顔が勝ち誇ったような表情に変わり、四方八方から視線が痛く突き刺さる。特に後ろからの視線は強烈だ。かつての魔人と言われた頃を思い出させる。

しかし、本当に言いたいのはこれからだ。アルトリスは視線を無視して言葉を紡ぐ。

「けど、強さにも種類がある。腕っ節の力で他者を捩じ伏せても心からついてくる奴はいねーよ。必要なのは他者を守ろうとする強さだ」

突き刺さるような視線が霧散する。代わりにラクサスの顔が苦々しく歪むが、アルトリスにとっては気分が良いものだ。久方ぶりの昼間からの酒を邪魔した罪は重いのである。愉悦に浸り、瓶を口に近付ける。

「相変わらずな奴だ。いいか?オレがギルドを継いだら弱ェもんは全て排除する‼︎ 歯向かう奴もだ‼︎ 最強のギルドをオレが作る‼︎ 誰にも嘗められねー最強のギルドだっ‼︎‼︎」

「その時にお前とオレ。どっちの考えが正しいか思い知らせてやるよ」

「それは無理だと思うぜ?何たってオレ達は似たもん同士だからな!」

今の発言の何が面白かったのか、ラクサスは高笑いをしてどこかへ去っていく。まるで嵐が過ぎ去ったかのような妖精の尻尾。酒樽を椅子代わりにして座るルーシィにはラクサスの言葉を虚言と捉えたようだった。

「継ぐ……って何ぶっ飛んだ事言ってるのよ」

「それがそうでもないのよ。ラクサスはマスターの実の孫だからね」

「だから次のマスターはラクサスになる可能性が高いの」

「まっ!うちは世襲制じゃねーから他の奴がなる可能性は十分あるけどな」

とはいえ、次のマスターになる可能性が一番高いのがラクサスなのは確かだ。

「エルザとかですか?」

「まだマスターになるには力不足!まっ、今はどいつもこいつも問題抱えてるからマスターになれる奴は1人もいねーんだけどな」

妖精の尻尾の現役のS級魔導士はアルトリス、エルザ、ラクサス、ミストガン、ギルダーツの5人だが、この内エルザは実力不足が否めず、ミストガンはコミュニケーションに難がある。ギルダーツはそもそも3年間帰って来ておらず、アルトリスに至ってはマスターになる事を断固拒否している有り様だ。

その為、アルトリスとしてはラクサスの性格が落ち着けばマスターになるつもりのある彼がなる事に異論はなく、むしろ万々歳であるのだが。

「はい!この話はお終いにして……みんなクエスト頑張ってねー!」

ミラジェーンの言葉にエルザが反応し、4人の名前を呼ぶ。

「ナツ!グレイ!ルーシィ!ハッピー!」

「どうだろう?私達でチームを組まないか?」

エルザの提案を聞いたアルトリスの額に汗が零れる。ナツとグレイはライバル関係にあり、2人が揃うと破壊規模が大きくなるのはメンバーの周知の事柄だ。更にエルザもエルザで破壊行為を止めようとして更に規模を大きくするという本末転倒と言う他ない事をしてしまうのである。周囲の人間は面白そうに彼らを煽るが、アルトリスの本音は組んでほしくないの一心である。

「(断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ)」

しかし、ナツとグレイが同じチームとなる事に不服な顔を見せるもエルザに睨まれ、すぐに提案を了承してしまう。

「さっそく仕事だ!ルピナス城下で暗躍している魔法教団を叩くんだ‼︎」

やる気を見せるナツ達にアルトリスの不安は募る。チームの中で頼みの綱は唯一の常識人であるルーシィしかいない。

「ルーシィ……何があってもあいつらに物を壊さないようにしてくれ……‼︎」

「は、はぃいー‼︎‼︎」

しかし、アルトリスの願いもルーシィの奮闘も虚しく、ルピナス城下町半壊の報せが届く事となる。

「あのバカどもー‼︎‼︎」
 
 

 
後書き
最凶チーム(誤字にあらず)が結成されたという事で、最初の案では違う名前にしようかと思ったけど諦めた。面子見たらシティ・デストロイヤーズぐらいしか浮かばなかった笑
 
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