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八条学園騒動記

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第六百一話 朝ご飯はその十

「だからね」
「それでなんだ」
「それにあたし達お握り好きだし」
「手頃に食べられて美味しくて」
「だからね、日本人が生み出した偉大な食べものよ」
 ジャッキーはお握りをこう言って賞賛した。
「本当にね」
「それはそうだね、お握りってね」
 トムもこう言った。
「実際にね」
「偉大でしょ」
「手頃に食べられて」
 トムもこう言った。
「しかもね」
「美味しいわね」
「うん、凄くね」
「だから今はね」
「お握りにしたんだ」
「そうなの、これを食べて」 
 そしてとだ、ジャッキーはさらに言った。
「お味噌汁とね」
「お漬けものもあるね」
「このメニューを食べて」
 そうしてというのだ。
「今日も頑張るわ」
「そうするんだね」
「そう、名探偵はまず食べる」
 このことがというのだ。
「大事だし」
「それでだね」
「しっかり食べるわ、だからあんたもね」
 トムにも言うのだった。
「しっかりとね」
「食べないと駄目ね」
「そうよ、食べるのよ」
 絶対にというのだ。
「いいわね」
「それじゃあね」
「あたし四つ食べるから」 
 そのお握りをというのだ。
「しっかりとね」
「四つなんだ」
「お味噌汁も二杯飲むから」
「朝からよく食べて」
「全開よ」
 それでいくというのである。
「それでいくわ」
「それは毎朝同じだね」
「そう、あたし達は食べたものはすぐにエネルギーになるから」
「毎朝しっかり食べるんだ」
「そしてね」
 そのうえで、というのだ。
「若し事件があれば」
「その時は」
「全力で事件と戦うわ」
「事件と戦うんだ」 
 トムはそこに突っ込みを入れた。
「そうなんだ」
「何か問題があるか」
 テンボはそのトムに聞き返した。
「事件と戦うことは」
「事件って戦うの?」
 トムはこのことを聞いた。
「一体」
「そのことか」
「そう、事件って解決するものじゃないかな」
 こう言うのだった。
「戦うんじゃなくて」
「俺達はそう思っているんだ」
「事件は戦う相手ってね」
 テンボだけでなくジャッキーも言ってきた。
「そう思っているのよ」
「敵だとな」
「それで戦ってね」
「勝つんだ」
「敵にはそうでしょ」
「戦って勝つものだな」
「何かその言い方だと」
 トムは二人のそれを聞いてさらに言った。
「強敵と書いて『とも』と呼ぶ」
「そう、事件はね」
 実際にとだ、ジャッキーはトムに答えた。
「強敵と書いてね」
「『とも』って呼ぶんだ」
「そうなの、あたし達にとってはね」
「強敵であって」
「常に共にあるね」
「『とも』なんだ」
「そう、永遠の強敵なのよ」
 そして『とも』であるというのだ。
「そうなのよ」
「成程ね、けれど僕はね」
 ここまで聞いてだ、トムはあらためて話した。
「やっぱり事件はね」
「戦うものじゃないか」
「そうはね」
 到底という口調での言葉だった。
「思えないよ」
「解決はするが」
「その解決がなんだ」
「戦いだ」 
 テンボはあくまでこう言った。 
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