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麗しのヴァンパイア

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第三百十九話

              第三百十九話  カーミラと博士
 車椅子に搭載するミサイルやファンネル、ビームを強化した博士は再び暴れだした、この日はシチリア島に出向き。
 マフィア達に攻撃を仕掛け何十人も殺していた、カーミラはテレビでこのニュースを聞いて言った。
「この人は変わらないわね」
「全くですね」
「十九世紀からこうですね」
「この方については」
 周りにいる使い魔達が応えた。
「常に暴れ回ります」
「何か新しいものを開発されますと」
「それで遊ばれますね」
「そして攻撃するのは」
 その新兵器を使ってだ。
「いつもならず者達よ」
「マフィアなり街の不良達ですね」
「日本でいうヤクザ者達もそうですし」
「昔は山賊や海賊も狙っていました」
「そうして多くの人を殺してきました」
「あの人は殺戮も趣味だけれど」
 他には大量破壊兵器の開発と製造、人体実験それに破壊行為が趣味である。
「相手は選ぶわ」
「一般市民は狙わないですね」
「そして軍人も手にかけません」
「殺すのはあくまでならず者のみ」
「そこは変わらないですね」
「私が知る限りはそうよ」
 博士はならず者以外殺さないというのだ。
「それが博士のポリシーよ」
「倫理観は全く無視される方ですが」
「そこにはこだわりがありますね」
「何でもならず者がお嫌いで」
「殺すことに快感を覚えられるとか」
「私と戦ったこともあるけれど」
 それでもというのだ。
「その時もだったわね」
「はい、カーミラ様との勝負を楽しまれ」
「それで、でした」
「特にカーミラ様を殺めようとはせず」
「まるでスポーツの様でした」
「あの人はスポーツはしないけれど」
 それでもというのだ。
「戦いは楽しんでね」
「相手は手にかけない」
「殺人はあくまでならず者に対してのみ」
「そうした方ですね」
「そうよ、博士には美学があるのよ」
 カーミラは微笑んで話した、そして。
 使い魔達が入れたワインを口にした、紅のワインはグラスの中でルビーの輝きを放ちその味は濃厚な甘さと渋さがあった。


第三百十九話   完


                 2020・11・29 
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