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八条学園騒動記

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第五百九十七話 毎日すべきことその八

「今に至るまでね」
「あんまりにも評判悪くてか」
「チャールズとかエドワードとかジョージはいても」
 それでもというのだ。
「この名前の王様はね」
「少ないんだな」
「そうなんだよね」
「それだけ評判が悪いか」
「あっちの王族でヘンリーって名前の人がいても」
 このことは事実だが、というのだ。
「王位継承権はあまり高くない」
「そうした人に付けられるんだな」
「そうだよ」
「ジョンと一緒か」
 フックはここでこの名前を出した。
「それじゃあな」
「ああ、あの名前は有名だね」
「あの国ジョンって王族には付けないんだったな」
「実はたまに付けるみたいだけれど」
「たまか」
「イギリス王家では避けられている名前だね」
 このことは事実だというのだ。
「あの名前は」
「そうなんだな」
「ジョン王ってね」
「今でも評判悪かったな」
「実際はそこまで酷くなかったかも知れないけれど」 
 こうした説も存在している。
「けれどね」
「評判が悪いことは事実か」
「だからね」
 それでというのだ。
「今もね」
「ジョンって名前の王様はいないか」
「王族でも滅多に使われない名前だよ」
「あっちじゃそうか」
「それで今はヘンリーもね」
「あまり使われないんだな」
「この人からね」
 ヘンリー八世からというのだ。
「そうなっているよ」
「女好きで人をしょっちゅう処刑した様な人だからか」
「幾ら何でも離婚してまで再婚した奥さんを気に入らないってね」
 このことには王位継承者である男子を産まなかったという理由もあった、多分に浮気性が原因であってもだ。
「冤罪仕掛けて多くの人と一緒に処刑とかね」
「最悪だな」
「そんなことしていたから」
「人気もないな」
「特に女の人からね」
「当然のことだな」
「それでそのヘンリー八世よりずっとね」
 娘のエリザベス一世はというのだ。
「死刑も少なくて穏健な統治でね」
「今でもあちらじゃ人気が高いんだったな」
「うん、けれどね」
「カクテルの名前にはなっていないか」
「どうもね」
 これがというのだ。
「そうみたいだよ」
「そうなんだな」
「面白いよね」
 菅はこうも言った。
「不人気の女王様がカクテルの名前になっていて」
「人気がある女王様がなっていないか」
「そうなんてね」
「それもそうだな」
「ただ戦艦の名前にはなっているよ」
 こちらの名前にはなっているというのだ。
「エウロパ軍の戦艦のね」
「そっちにはなっているんだね」
「クイーンエリザベスファーストってね」
 この名前でというのだ。
「そうなっているよ」
「そうなんだな」
「このことも面白いよね」
「ああ、戦艦の名前にはなっているなんてな」
 フックも頷いた。 
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