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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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本編
  幕間~なのはの思い

 
前書き
今回はずっとなのは視点で進みます 

 
一人でいると、考えてしまう。


彼のことが、頭から離れない。


彼と一緒にいると、嬉しい。


彼が自分の事を自嘲的に語るのを見ると、悲しい。


彼がほかの女の子といるのを見ると、何だか嫌な気分になる。


どうしてだろう?


今まであった男の子と一緒にいる時と、何か違う。


彼は優しい。面と向かってそう言うと『優しくなんてない』と卑下したことを言うので、言わないけど。困っているときは必ず助けてくれる。いつでもそうだ。


彼は子供にしっかりとした躾をする。普段は甘やかしても、怒るべきところはちゃんと怒る。褒めるべきところはちゃんと褒める。


彼は料理が上手い。主夫………と言うと渋い顔をする。洗濯に掃除も完璧にこなす。


彼は強い。そして………弱い。努力で培われた剣技。百発百中の弓。明らかに手馴れている銃の扱い。いったいどれだけ努力したのだろう。そしてその努力は誰のために。そうしてふるった力は、けれど彼を“化け物”と呼ばせた。でも、その心は……とっても、弱くて脆かった。




…………………………………………………………




「はぁ……」


お昼の休憩中。今日は士郎君とヴィヴィオは買い物に行っている。食堂の食材が足りなくなったんだそうだ。ヴィヴィオは一緒に行きたいと言って聞かず、結局着いて行った。



「……………………」



久しぶりに一人で昼食。ここのところずっと三人だったから、何だか穴が開いた様。
フェイトちゃんも今日はランス君とエリオとキャロと一緒。最近のフェイトちゃんは、よく笑う。
アリサちゃんとすずかちゃんと過ごした子供の時のように。



「……っと、時間だ」


一人で食べるごはんは、何だか味気なかった。




………………………………………………………




「…………さん」



この思いは、なんだろう。



「………のはさん」



わからない。でも、どうしようもない。



「…なのはさん!」
「え?」



大声に我に返ると、心配そうに見てくるスバルとティアナ。


「どうしたんですか?さっきからボーっとして……」
「やっぱり、オフの時もずっとヴィヴィオの事見てて休めてないんじゃ……」
「ううん、平気。なんでもないよ」


この子たちにも余計な心配は駆けられない。


「休んでろよ、なのは」
「ヴィータちゃん……」
「スバルの言うとおりだ。子供の面倒見るのは、自分で思ってる以上に大変なんだよ。二人の面倒はあたしが見るから、さ」


ここで意地を張ったら逆に心配させちゃうか……


「うん。ありがとね」
「気にすんなって」


隊舎に戻ろうとしたとき、


「さて、なのはがいねぇ分ガンガン厳しくすっぞ!」
「「ええー!?」」


そんな会話が聞こえた。



……………………………………………………



「あ、ママ~」
「ヴィヴィオ……」


部屋に戻ろうとすると、ヴィヴィオに会った。と、いうことは……


「む、なのは。今日は訓練ではなかったか?」


士郎君も一緒だった。


「ちょっと調子が悪くて……」
「何!?それはいかんな。早く部屋に戻って休むんだ」
「ママ、だいじょうぶ?」


二人が心配してくれる。それだけで心が軽い。


「うん。もう平気だよ。ありがとう、ヴィヴィオ、士郎君」
「うん!どういたしまして」
「本当に平気か?熱はないか?」


そう言うと士郎君は………私の額に自分の額をくっつけた。
か、顔が近い!ほんの少しずれれば唇がくっつきそう……


「熱は……少し高いな。やはり部屋でしっかり……どうした!?顔がかなり赤いぞ!?」
「な、なんでもないよ!それじゃあ後でね!」


きっと今の私はゆでダコみたいになってるだろうなぁ……
そう思いながら部屋に戻った。



………………………………………………………



「あれ?なのは?」
「フェイトちゃん……」


部屋に戻るとフェイトちゃんがいた。


「午後は訓練じゃなかった?」
「調子悪いみたいで…ボーっとしちゃうんだ」


フェイトちゃんにまで余計な心配はかけられない。


「それって……士郎のこと?」
「……わかる?」
「私とはやてとシャマルとザフィーラはわかってるよ」
「ヴィータちゃんとシグナムさんは?」
「あの二人は、ねぇ?」


悪戯っぽく言うフェイトちゃん。


「そうだね」
「うん」


しばらく二人で笑いあった。


「……あのさ、なのは」


笑い終えた後、フェイトちゃんが真剣な顔で話を切り出した。


「そういうことは、やっぱり人生の先輩に相談するべきじゃないかな」
「人生の、先輩か……」


誰かいるかな………


「たとえば、なのはのお母さんとか………」
「お母さんか……うん、そうだね。そうするよ」


フェイトちゃんは悩んでる人の機微に鋭い。また助けてもらうことになっちゃったな…………




…………………………………………………………



その夜、フェイトちゃんの言う様にお母さんに連絡を取った。


「もしもし?」
「おかあさん?なのはだよ」
「あら、どうしたのこんな時間に?」
「ちょっと相談があって………」


今悩んでいることの全容を話した。


「……なのは」
「なに?」
「答えは、自分で見つけなさい。そうすれば、あなたは女として、人として一回り成長するわ。だから今はたくさん悩みなさい。そうすれば、自ずと答えは出てくるから」
「うん………」


お母さんからのアドバイスは、『もっと悩め』だった。
無論答えも教えてくれない。でも、その悩みは大切なことだ、と教えてくれた。


「私は、どうしたいのかな………」


ヴィヴィオと二人でいる時、思うこと。それは、この子の事を見る私が変わってきている、という事。
被保護者から、娘へと……
この件が片付いたら、正式に養子に取ろうと思う。無論、ヴィヴィオが嫌がらなければだが。


士郎君と二人でいる時、思うこと。嬉しいような、恥ずかしいような、よくわからない気持ち。この気持ちの正体がわかる日は来るのかな………


考えながら通信のために来ていた屋上を後にした。
………その時、私を見ていた人影があったことに気づいた。


「……誰?」
「私や」
「はやてちゃん?」


聞いていたのかな?


「なのはちゃん、私が言いたいんはこれだけや。……頑張れ。でも、助けられん。これは、なのはちゃんが一人で辿り着かないといけないものやから。それじゃ、おやすみ。また明日な」


それだけ言ってはやてちゃんは戻っていった。



……………………………………………………



部屋に戻ると、言い争うランス君とフェイトちゃん、それをなだめる士郎君とヴィヴィオ、といういつもの光景が目に入った。これからもこんな日が続くように……そのために私は戦う。その思いにだけは、迷いはない。そうだよね、レイジングハート?

 
 

 
後書き
幕間その一完成しました~

その二はフェイト主役で~す。

それでは今回はこの辺で~

誤字の修正しました。 
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