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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第18話『救済の願い』

「フェイト、大丈夫か!?」
通常形態に戻ったディロードはフェイトの右手を握りしめる。
「大丈夫だよ。それより…」
フェイトは視界を逸らし、ディロードはそれを追う。すると、スキュラに苦戦しているディケイド達が目に映る。
「あれから流夜達が応援に来たけど、スキュラの防御力に太刀打ち出来ていないの。それに、キュゥべえはシグナム達が戦っているけど…」
フェイトは状況を説明する。
「わかった。」
雅は変身を解除し、ディロードライバーをレイジングハートエクセリオンに変えてバリアジャケットを纏うと、ライジングアルティメットゴウラムに掴まって空中戦を行っているディケイドの所に向かう。
「兄貴、どうした?」
ディケイドは雅に気づき反応する。
「流夜、伍代さん達と強力してキュゥべえの方を頼みたい。スキュラは僕と晴人さんと仁藤さん、それから暁美さんで倒す。」
「了解。みんな、兄貴の声が聞こえていたか!」
雅の言葉を聞き、ディケイドはしきる。
「流夜、なんでお前がしきっているんだよ!」
サバイブドラグランザーはツッコミを入れるが、
「とにかく、国家象徴が言っているんだ。俺達も行くぞ!」
ジョーカージョーカーはサイクロンサイクロンと合体してダブルに戻りながらキュゥべえ怪人態に向かって行く。それに合わせて他のライダー達もファイナルフォームライドを解除してダブルに合流する。
「さて、まずはこれだな。ディバイドエナジー!」
雅は自身の魔力をウィザード達に渡し、魔力を回復させる。
「ありがとう、雅。仁藤、お前も大丈夫か?」
「ああ、勿論!」
殆どの魔力を使い果たしていたウィザードとビースト、そしてソウルジェムの限界で動けなくっていたほむらは雅の魔力を受け取ったことで立ち上がる。するとそこに、まどかがやって来る。
「まどか、どうしてここに!?」
ほむらは驚く。
「まどか、命を捨てる覚悟が出来たようだね。」
キュゥべえ怪人態はまどかの願いを聞こうとする。
「今の私なら、どんな願いも叶えられる、そうだよね。」
「その通りさ。さあ、その命を対価に、君は何を願う?」
キュゥべえ怪人態はまどかの質問に答え、その上で質問する。
「だめ…やめて…」
ほむらは泣きながら、かすれた声で言う。その中でまどかは一度深呼吸をする。そして、
「私の願いは、過去と今と未来、全ての魔女を生まれる前に消し去ること。さあ叶えて、インキュベーター!」
まどかはキュゥべえ怪人態と契約を結ぼうとする。
「待つんだ。その願いは!君はなんて事を願おうとしているんだ!そんなことをすれば、因果律の改竄なんてものでは済まされない!君は、神にでもなろうというのか!」
キュゥべえ怪人態は慌てる。
「みんなの希望が絶望や悲劇で終わるなんて納得出来ない。そんな世界なら壊してみせる、変えてみせる!その為なら私、神にでもなる!」
まどかの意志は揺るぐことなく、キュゥべえ怪人態は半ば強制的にまどかと契約し、まどかは魔法少女の力を手に入れる。
「これは危険だ。スキュラ、今すぐ鹿目まどかをファントムにするんだ!」
キュゥべえ怪人態はスキュラに指示を出し、自身も合流しようとする。しかし、
「お前の相手は俺達だ!」
「お前の計画の為に、子供達の笑顔を奪わせはしない!」
ディケイドの最強コンプリートディメンションスラッシュとクウガのカラミティアルティメットがキュゥべえ怪人態を切り裂き、キュゥべえ怪人態は撃破される。しかし、キュゥべえ怪人態は集めていたエネルギーを消費して再び現れる。
「こんなことにエネルギーを使うのは勿体ないけれど、ここさえどうにか出来れば!」
キュゥべえ怪人態は更にエネルギーを使い自身を大量に増殖させる。
「それなら!」
「ウェイクアップフィーバー!」
キバはタツロットを回転させて飛翔態に変身する。
「まとめてどうにかするだけだ!」
【ADVENT】
龍騎サバイブはドラグランザーを召喚し、キバ飛翔態と連携してキュゥべえ怪人態を焼き払い撃破してゆく。
「僕らが今まで集めたエネルギーを甘くみない方がいい。君達は所詮生身の肉体。それに対して僕らはただのエネルギー。能力の差は歴然。大人しく諦めるんだ!さもないと、君達は死んでしまうよ?」
「俺はジョーカー、不死のアンデット。それでも、俺は戦い続ける!だって俺は、人々の平和を守り抜く、仮面ライダーだから!」
ブレイドはマッハのラウズカードの力を常時発動し、高速の斬撃でキュゥべえ怪人態を撃破してゆき、
「俺は既に二度死んだ。人として、そしてオルフェノクとして。何度経験しても死ぬことは怖い。だけどな、仲間が死ぬことは、もっと怖い!俺は戦いの中でかけがえのない仲間を失った。草加も、木場も。だから言える!仲間の大切さが!それを持っていない、お前の脆さが!」
ファイズは背中のブースターで空を飛び、ファイズブラスターの爆撃を浴びせてキュゥべえ怪人態を撃破してゆく。
「何故だ。何故君達は諦めない?」
「俺達が諦めたら、救える命も救えない!人を救えるのは、同じ人間だから!」
アギトはシャイニングカリバーから放たれる斬撃、シャイニングクラッシュをキュゥべえ怪人態に放ち、撃破する。
『ボク達は簡単には諦めない!』
『だって、人に言われて諦めるなら、最初から願わないでしょ?』
『人の一番の強さは、その意志や!』
「『僕(俺)達は、積み重ねた過去と一緒に、未来を目指す為に、今をまっすぐに行きている!』」
電王はガンフォームのデンカメンを解放し、超ボイスターズロアーを放ちキュゥべえ怪人態を撃破する。
「どうしてこれだけの力が!君達の力は僕に劣っているはず!」
キュゥべえ怪人態は更にエネルギーを消費して自身を増産するが、生成した瞬間にハイパークロックアップを発動しているカブトのマキシマムハイパータイフーンによって撃破される。
「お前には解らないだろうな。互いを想う人間の真の強さを。」
「俺達はその心を常に鍛えている。だからお前には負けない。」
響鬼の拳はキュゥべえ怪人態を的確に撃破する。
「っ!もうエネルギーが殆ど残っていない。まさか!」
キュゥべえ怪人態は慌てふためく。
「どうやら、その怪人の姿で復活するのには、普段とは比べ物にならないエネルギーが必要だったみたいだな。」
その状況をディケイドはキュゥべえ怪人態に告げる。
「それでも、君達さえ倒せば、後は回収は容易だ。」
キュゥべえ怪人態は残るエネルギーを費やして巨大化する。
「なんて大きさだ!ウェイクアップ!」
「鬼神覚声!」
「ビッカーファイナルイリュージョン!」
キバ達は必殺の斬撃を放つが、巨大化キュゥべえ怪人態はそれを右手で振り払う。
「なんて強さだ。俺達の攻撃がまるで効いていない!」
フォトンバスターを撃ち続けていたファイズは言う。
「君達仮面ライダーが相手なら、この巨体で戦えばよかったんだ。」
巨大化キュゥべえ怪人態はディケイド達を踏み潰そうとするが、ディケイド達はそれを回避する。
「それなら、あれの出番だな。みんな、行くぞ!」
ディケイドの号令でライダー達は輪になり、右手を重ねる。
「ライダーシンドローム!」
ディケイド達はエネルギーを集中させ、巨大化キュゥべえ怪人態に放ち、怯ませる。
「今だな!」
ディケイドはクウガからダブルまでの11のライダーズクレストが書かれたライダーカードをスキャンする。
【FINAL ATTACK RIDE-KU KU KU KUUGA A A A AGITO RYU RYU RYU RYUKI FA FA FA FAIZ B
B B BLADE HI HI HI HIBIKI KA KA KA KABUTO DE DE DE DEN-O KI KI KI KIVA DE DE DE DECADE DO DO DO W-】
ディケイドのカードによってクウガ達の前にファイナルアタックライドの幻影が出現する。
「行くぞ!」
ディケイドの号令でライダー達はジャンプし、ライダーカードを通り抜ける。
「11ライダーディメンションキック!」
11人のライダーのキックが巨大化キュゥべえ怪人態に直撃する。
「こんなことで…僕の計画がぁぁぁ!」
巨大化キュゥべえ怪人態は爆発と共に完全に撃破される。
「向こうは上手くいったみたいだな。鹿目さん、今です!」
「はい!」
まどかは自身の弓から光の矢を放つ。それは幾多にも分散し、ある矢は世界各地へ、またある矢は既に戻る術があるはずもない過去へ、またある矢はまだ未確定な未来へ、そしてある矢はほむらが諦めた既に存在しない過去と向かってゆく。その矢がどんなものなのか、ほむらは怯えながら見ているが、その効果はすぐに判明する。一つの矢がスキュラに直撃すると、スキュラはもがき苦しみ、その体からワルプルギスの夜の反応が消滅する。
「もう苦しまなくていい。みんなの願いを、悲劇で終わらせたりなんてさせない。もう、休んでいいんだよ。」
今まで魔女となっていった魔法少女達のソウルジェムはグリーフシードに変わることなく光となって消えてゆく。
「鹿目さん、晴人さん、仁藤さん!これに願いを込めてください!」
ディロードはまどかとウィザード達に白紙のカードを渡し、まどか達は願いを込める。
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-MAHOU SYOUJO MADOKA☆MAGICA KAMEN RIDER WIZARD-】
ディロードは二つの世界のワールドホープを発動する。すると、スキュラの上部にまどかの魔法陣が、下部にウィザードの魔法陣が出現し、スキュラは拘束される。
「雅さん、今です!」
「フィナーレを決めてやれ!」
まどかとウィザードは右腕と左腕を組み合わせ、ジャンプ台のようにさせる。
「はい!ホップ!ステップ!ジャンプ!」
ディロードは二人が組んだ腕をジャンプ台にしてジャンプし、ロードスラスターを構え、
「魔法陣アタック!」
ロードスラスターをスキュラに突き刺し、ミッドチルダ式の魔法陣が出現すると、スキュラは爆発し、破片すらも消滅する。しかし、ウィザードが安心していると、まどかの姿は消え、空に巨大な隕石のような魔女が現れる。
「なんだ、あれは!」
ウィザードとビーストが警戒すると、その隕石はまどかの姿に変わる。
「私の願いは、姿の魔女を生まれる前に消し去ること。それが叶うなら、私が魔女になることも無い。」
まどかの姿はか弱い魔法少女の姿から全てを包み込む女神、アルティメットまどかへと昇華していた。
「もう、元の生活には戻れない。家族に別れを言うことも、母親に叱ってもらうことも、弟の泣き声を聞くことも、父親の手料理を食べることも、もう出来ない。」
変身を解除した雅はアルティメットまどかに言う。
「うん、大丈夫。だってこれは、私が決めたことだから。後悔なんて無いですよ。」
アルティメットまどかは笑顔で言うが、そんな中でほむらは泣いていた。
「そんな…そんなのってあんまりよ!」
ほむらは悲しみを露わにするが、アルティメットまどかはほむらを抱きしめる。
「私が魔法少女になったとき、ほむらちゃんが私の為にどれだけ頑張っていたか私、全部思い出したよ。こんな私の為に、ありがとう。」
アルティメットまどかは自身が生前に所持していたリボンをほむらに渡す。
「私はみんなの所にいられないけど、ほむらちゃんだけは私のことを忘れないでね。」
アルティメットまどかは笑顔で言う。
「うん…私だけは絶対、まどかのことを忘れない!」
ほむらは涙声で言い、まどかのリボンを受け取る。
「それじゃあ、さよなら。」
アルティメットまどかの言葉で世界は光に包まれ、その光が晴れると既にまどかの世界とウィザードの世界は切り離されており、雅達はウィザードの世界にいた。
「あれ?一体何が起きたんだ?」
変身を解除した晴人は疑問を抱く。
「鹿目さんが願いを叶え続けたことで、あの世界に本来あった概念は作り変えられました。魔女という概念モデル世界から消えたことで、ファントムと魔女の二つを融合させる為に世界を繋いで融合させるキュゥべえの計画そのものが消滅しました。ですから、この世界に魔女は存在せず、晴人さん達の敵は今まで通りファントムや、悪の組織だけになりました。」
雅は説明する。
「まどかはどうなった?」
「鹿目さんは、新しい世界の概念へ昇華しました。限界を迎えたソウルジェムが魔女になる前に消滅させ、光に導く円環の理に。」
「そうか。とにかく、雅達のおかげで助かった。ありがとう。」
「こちらこそ、世界を救う為に協力していただき、ありがとうございます。」
晴人と雅は握手を交わし、雅達はアースラの次元転送ポートでディロードの世界に帰還した。

世界の概念が書きかえられる少し前、ボロボロになったキュゥべえは何者かに遭っていた。
「これでよかったのかい?」
「ああ。貴重なデータが手に入った。」
「それにしても、どうしてこんな回りくどいことをするんだい?君の力をもってすれば、君のいる世界の一つくらい、簡単に掌握出来るはずだ。」
「仮面ライダーの限界を甘くみないほうがいい。それに、これはただの揺動さ。この状況で、凪風雅は変に勘ぐってくれるだろう。」
「まったく、君達地球の生命体の感情というものは、まったく理解が出来ないよ。それじゃあ、約束はこれまでだ。さようなら、悪魔神サタン。」
キュゥべえは概念構築に飲み込まれて消える。

「凪風雅ほか、無事帰還しました。」
アースラに帰還した雅達は状況を報告する。世界は、底知れぬ驚異にまだ気付いていなかった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「ユーノ君、久し振り!」
「キャロ、大丈夫?」
「私はもう、次のステップに進んでもいいはず!」
「ティア、あまり無茶しないで!」
次回『新世代、爆走』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
11ライダー(ファイナルアタックライド):11人の平成ライダーの力を宿したファイナルアタックライドのカード。
魔法少女まどか☆マギカ&仮面ライダーウィザード(ワールドホープ):融合した二つの世界のワールドホープ。ディロード、ウィザード、まどかの三人による魔法陣アタックが発動する。 
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