| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二百五十六話

「ここらが退き時かのう!」

奴は撤退を選択した。

先の銃弾と違い、火種に対処できないと踏んだのだろう。

「どうやら生中ならぬ邪魔がはいったようじゃ。虎の尾でも踏んだかのう? 今の拙者ではこれにはとても対処しきれぬわ! どうやら時期が悪かったと見える。我が主も居らぬようじゃし。ここは出直しじゃ。おぬしも寄り道せずまっすぐおうちに帰るがよかろう!」

轟っ‼ と噴き出した焔が天井を突き破る。

「キスショットに合流したら伝えておけい! もう少し回復したら拙者の大切な妖刀心渡を返しにもらいに行くと! やはり刀が無ければ鎧武者は締まらぬわ! なにせ貸してから四百年でござる! 延滞料は覚悟しておくがよかろうとな!」

聞き覚えのある笑い方をしながら、奴は体を塵に変化させて離脱した。

「すごい焔だな…」

これは一人称視点で見ているから勢いが強いと見えるのだろうか。

それとも…。

暦さん、駿河、そして自分の足元に障壁を張る。

うーん。強い。

明らかに強い。

建物がもう持ちそうにない。

この様子だと暦さん羽川翼とヤりまくってたんだろうなぁ。

焔の温度が数千度度ってどゆこと? 強化されすぎじゃない? 鉄も解けるよ?

「暦さーん。そんなところで寝てないでこっち来な―。足元の焔は防御してるから安心していいよー」

暦さんが此方に恐る恐る歩いてきた。

二人に渡した刀と手甲を回収する。

「さて、俺はいいけどこのままだと二人とも死ぬし出ようか」

「どうやって出るんだご主人様」

「俺が二人を抱えて飛行魔法で脱出する。若しくは二人を魔法で下ろしてから俺が下りる」

俺はどちらでも構わない。

「どうしたい二人とも?」

「一夏君に任せる」

「私もだ」

よしわかった。

まず影から取り出したロープで暦さんを縛る。

魔法で操るそれが暦さんの体に複雑に巻き付く。

「な、何を⁉」

「こ、これは亀甲縛り! 羨ましいぞ阿良々木先輩!」

「何処がだ神原後輩⁉」

「言っとくが亀甲縛りは荷物を運ぶための結び方だからな」

そして、そのロープを俺の腕にまきつける。

ロープの長さは2メートルくらいだ。

「駿河、ちんちん」

「ワン!」

「それでいいのか神原…?」

膝立ちの駿河を抱き上げる。

横抱き、御姫様抱っこというやつである。

「じゃ、行こうか」

圧縮空気弾でガラスをぶち抜く。

飛行魔法で飛び出すとグンと言う抵抗。

それに構わず加速すると暦さんの情けない悲鳴が響いた。

「どうだ駿河。怖くないか」

「怖い。だが、不思議と安心する気持ちもある」

「そうか」

「いい雰囲気の所悪いけど早く降りて欲しいな一夏君!」

「KY」

「それ今の子に伝わらないと思うぞご主人様」

「それもそうか」

ゆっくりと高度を下げる。

先に着地してお起き上がろうとしていた暦さんの背中に着地する。

飛行術式を切ると引かれたようなカエルのような声がして面白い。

面白いので続行。

「てんてーててんててててんてーててててて腕と足の運動」

「ぐぇっぐぇっぐぇっぐぇっぐぇっぐぇっぐぇ……」

「順番違わないか?」

「お前を抱えてどうやって最初からやるんだよ」

しばらく音の出るおもちゃで遊び、縄を解く。

「ひどい目にあったぜ」

「気功使えるんだからそこまででもなかったでしょ」

そこで此方に近づいてくる足音が聞こえた。

メティスサイトで捉えたその姿は小さく、幼く、ポップで、異様だった。

ここで駿河と足音の主は出会わない。

それがシナリオだ。

「駿河。疲れただろう。今は休め」

ヒプノアイ、キャスト。

「待ってくれ、ご主人さ…」

かくんと腕の中で駿河が眠りに落ちた。

コタンジェントのことは暦さんに任せ、駿河のケアを行う。

ケアといっても怪我はしていないので再生などは使わない。

死屍累生死郎によって奪われた生体エネルギーの補充だ。

腕の中の駿河にそっと気功を流し込む。

囲い火蜂のようにはならないように慎重にだ。

あっちで無理心中だのロリ心中だの聞こえるが俺の知った事ではない。

「で、そこらへんどうなのさユートピア」

「僕はキメ顔で「うるさい黙れ」

「で、どうとは?」

「神原駿河をつれていくかどうかについて」

「どっちでもいい。その契約は暦さんと臥煙のもので俺が口出しすべきじゃない。
駿河に暦さんを手伝うように言う所で既に俺は臥煙との契約は果たした」

すると暦さんが俺に対して咎めるような眼を向ける。

「君は、神原を危険な目に合わせてもいいと?」

その言葉も刺々しい。

「そうじゃない。駿河を守り切れるからだ。さっきのやつにもタイマンなら確実に勝てるだろう。
俺と奴には現時点ではそれだけの力量差があると俺は見ている。これは自惚れではなく純然たる事実だ」

吸血鬼として復活したばかりで調子の戻らない死屍累生死郎になら勝てる。

これは間違いない。

街や無関係の人々が巻き込まれることを考慮に入れなければの話だが。

しかしそれでも、此方から攻めずに駿河を守るだけでいいというのであれば余裕だ。

だって死屍累生死郎は駿河に対してこれと言って何かあるわけじゃないし。

「駿河を返すのも連れて行くのも、駿河自身の危険度は変わらない。俺が変わらせない。
だからまぁ、駿河の安全について暦さんは考えなくたっていいよ」

「ほら、ユートピアもこういってる。それに、ここで返すより臥煙さんといた方が安全だとは思うよ」

コタンジェントにじっと見つめられて暦さんは観念したように駿河を連れていくことを決断した。 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧