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八条学園騒動記

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第五百九十六話 カルボナーラその九

「別腹だしな」
「そっちはなんだ」
「大丈夫だ、だからな」
「アイス食べながらだね」
「ブランデーを飲む」
 ロックのそれをというのだ。
「今夜はな」
「それじゃあね」
「しかし。満足した」
 フックは寝袋の中でこうも言った。
「存分に食ってな」
「相当食べたんだね」
「十二皿な」
「それは確かにかなりだね」
「わんこそばの要領でな」
「カルボナーラでそれは凄いね」
 菅も話を聞いて言った。
「十二皿は」
「同じスパゲティでもペペロンチーノと全然違うからな」
「ペペロンチーノはあっさりしてるからね」
「かなりな」
「スパゲティの中で一番だろうね」
「それならまだわかるか」
「うん、けれどカルボナーラは」
 このスパゲティはというと。
「スパゲティの中でも特に濃い味だからね」
「ボロネーゼやイカ墨よりもな」
「さらに濃いからね」
「生クリームに卵の黄身にベーコンでな」
「かなりの濃さだよ」
 そこに黒胡椒も入って絶妙の味わいになるのだ、二次大戦中にイタリアに来たアメリカ軍からはじまったという。
「あれはね」
「そのカルボナーラをな」
「十二皿食べたんだ」
「それだけ食ったからな」
「ちなみに一皿どれ位の量だったかな」
「パスタで百グラムか」
「そこにソースも加わるから」
「もうな」
 それこそというのだ。
「十二皿な」
「食べたんだね」
「それだけ食ったからな」
「満足なんだね」
「やり遂げた気持ちだ」
 今の心境はというのだ。
「勝負は引き分けだったけれどな」
「引き分けでもそれだけ食べたらだよね」
「満足だ」
「そうだね、ただね」
「ただ。何だ」
「こうした大食い勝負って連合ではいつもだけれど」
 連合のあちこちで開かれている、そうして皆食べて楽しんでいるのだ。
「サハラだとね」
「こうしたことはしないか」
「余裕があってはじめて出来る勝負だからね」
 大食い勝負はというのだ。
「戦争ばかりしているサハラだと」
「こんな勝負はないか」
「食べものに余裕があって」
 そうした勝負を出来るだけの量がというのだ。
「それで行おうっていう精神的余裕がね」
「ないと出来ないか」
「連合は食べものがどっさりと会って」
 サハラの者は家畜もペットも皆丸々としていることに驚く、連合では飼えないペットはそうした生きものの為にもうけられている星で管理されて飼われているがその彼等もかなり太っていると言われている。 
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