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夢幻水滸伝

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第百八十四話 統治システムその十一

「士気が低いです」
「そのこともあるな」
「志願制は自ら入隊するので」
「士気は高いな」
「士気の高い兵士の方が遥かにいいです」
 士気の低い兵士よりもというのだ。
「そして我々は人口が多く志願制でも圧倒的な数を用意出来ます」
「それも大きいな」
「なら入隊したい人にだけ入隊してもらい」
 そうしてというのだ。
「そのうえでそれ以外の人を他の職種に就職してもらって」
「働いてもらってな」
「各種産業を発展させるべきです」
「それが一番国力を発展させるな」
「そうです、ですから」
 その為にというのだ。
「志願制とします」
「それにするんやな」
「そこは警察や消防署と同じです、あと民兵や自警団等は認めません」
「全部正規軍に入れてやな」
「公の警察に入れます」
「どっちも市民のもので一見したらええけど」
 綾乃は民兵や自警団についてこう述べた。
「あんなやばいもんはないさかいね」
「そうです、自警団は容易にマフィア化します」
「実際シチリアではそやったし」
「その通りや」
 そのシチリア出身の坪内が言ってきた。
「マフィアは自警団からはじまってる組織もある」
「密売組織とかね」
「自警団がやがてや」
「犯罪組織になっていったんやね」
「そうしたはじまりや」
 俗に言われるフランスへのレジスタンスがはじまりではない、そうした組織が犯罪組織になったものなのだ。
「実はな」
「そやったね、日本でも」
「山口組は自警団だった時があります」
 太宰はこのことを指摘した。
「まさに」
「終戦直後やったね」
「はい、そのことを見まして」
「自警団は禁止するんやね」
「警察を領土の隅から隅まで及ぼします」
「そうするんやね」
「交番や駐在所ももうけて」
 そうしてというのだ。
「まさに隅から隅まで、です」
「治安を守るんやね」
「そうします、自警団程危険な組織はないので」
 犯罪組織化するという意味でというのだ。
「そこから独立勢力になられても困ります」
「そやから全面的に禁止やね」
「民兵も然りです」
「軍隊も隅から隅まで置いて」
「国境警備も行います、また海や湖、河川にはです」
「水軍やね」
「軍は一つの組織としますが」
 それはというのだ。
「陸空海全てをです」
「それは空船とかあるし」
「軍艦は全て空も飛べるものにしますので」
 水上を進めてというのだ。
「大きな河川にも入られて」
「長江とかミシシッピー川に」
「そして航空機はその中の空母にも発着艦が出来てです」
 そしてというのだ。
「運用したいので」
「軍は一つやね」
「そうです、ただ部隊としては別で」
 それでというのだ。
「航空団や艦隊にです」
「分けるんやね」
「そうします、我々は実質的にこの世界の海はほぼ手中に収めています」 
 太宰は海の話もした。 
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