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戦国異伝供書

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第百二十話 三州奪還その六

「兵はな」
「強くあるべきですな」
「そして士気も高い」
「そうした兵であってこそですな」
「戦えまするな」
「うむ、そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「我等の兵はじゃ」
「強いですな」
「まさに天下一の強者達です」
「そして戦になれば皆進んで向かい」
「士気は落ちませぬ」
「その兵達でどれだけ有り難いか」
 まさにというのだ。
「我等はな」
「左様ですな」
「それではですな」
「この度もですな」
「その兵達で戦いまするな」
「そうする、そして策もある」
 こちらも備えているというのだ。
「これであと一つあれば勝てる」
「その一つとは何でしょうか」
「一体」
「強者達に数、鉄砲に策」
「そして残り一つは」
「一体何でしょうか」
「油断や慢心をせぬことじゃ」
 このことだというのだ。
「これがじゃ」
「その一つですか」
「勝つ為の最後の一つですか」
「それもあれば」
「それで、ですか」
「勝てますか」
「そうじゃ、どの様な相手でもな」
 それこそというのだ。
「相手を侮ってはな」
「負けますな」
「そうなりますな」
「だからですな」
「相手を侮らず油断せずな」
 そうしてというのだ。
「慢心もせず」
「戦う」
「そうすればよいですな」
「勝つことですな」
「言っておくが我等では織田家には勝てぬ」 
 天下人となったこの家にはというのだ。
「絶対にな」
「左様ですな」
「あの家には勝てませぬな」
「どうしても」
「力が違うので」
「圧倒的な兵と鉄砲の数でじゃ」
 それにというのだ。
「さらに知将猛将が揃っておる」
「まさに天下の名将ばかりですな」
「織田家は」
「その織田家と戦えば」
「勝てませぬな」
「絶対にな、だからな」
 それでというのだ。
「油断なり慢心なりはな」
「せずに」
「そうしてですな」
「戦うのじゃ」 
 敵と、というのだ。
「よいな」
「上には上がいる」
「織田家は当家よりも強い」
「それも遥かに」
「そのことを忘れず」
「慢心せぬことも大事ですな」
「油断もな、所詮我等は井の中の蛙」
 それに過ぎないというのだ。 
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