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もう一つの"木ノ葉崩し"

作者:ぬんすち
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第六話―九尾の力

 
前書き
<注意>
この話には女性に対する暴力行為が含まれます。ご注意ください。 

 
「あなた,この里の者ではないわね。どこへ行くつもりかしら。」

口調は穏やかに,しかし鋭い視線で,角都を睨みつけ牽制するのはうずまきミトである。

(この女……ただの頭のイカれた一般人というわけではなさそうだな……。)「滅相もない……木ノ葉の人間です。」

一先ずは誤魔化そうとする角都。

「嘘をついてもムダよ。あなたの全身から漏れ出す"敵意"と"悪意"が,私には手に取るように分かる。他里の忍ね。潔く額当てを付けたらどうかしら。」

「フン,良いだろう……その代わり……」

これ以上白を切るのは無意味だと判断した角都は,改めて額当てを装着してみせる。

「滝隠れ……。」

「……見られたからには殺さなくてはな!」

ダッ!

言うと同時,角都は右の拳を振りかぶってミトに殴りかかる。

「!」

サッ!

間一髪,何とか攻撃を左にかわすミト。

「ふんっ!」

「あうっ!」

しかし角都,空ぶった拳をそのまま右へ振り裏拳をミトの顔に叩き込む。ミトは後方へ吹っ飛ばされた。

「フン,他愛もない……。終わりだ。……ん?」

止めを刺そうと角都は倒れ込むミトに近づくが,その途中でミトの体の異変に気付く。

ジュウゥゥ……

(傷があっという間に……。)

角都の攻撃を受けて負った傷がすぐさま治癒していき,立ち上がるミト。

(長引くと厄介だ……さっさと終わらせるか。)

角都は印を結び,土遁・土矛によって片腕を硬化する。

ダッ!

「くたばれ!」

チリリリ……ッ

「……!?」

「はっ!」

角都が再び拳を振りかぶったその時,ミトの体が黄色く発光したかと思うと,前に突き出されたミトの片腕から黄色いチャクラの腕が伸びる。

「おのれ!」

しかし角都もさるもの,チャクラの腕に対して咄嗟に拳をぶつけ,勢いを相殺する。その衝撃に今度は双方ともが後ろへ吹っ飛んだ。

「ぐっ……。」

「くっ……!」

またしても倒れ込むミトに対し,角都は辛うじて踏み止まる。

(奇妙な能力だ。チャクラの衣を全身に纏っているのか……。だがパワーで勝負すれば負けることはない。次こそ終わらせる!)

そう考えた角都が,改めてミトの方へ目を向けようとする。


が,


そこにミトの姿はなかった。

「……!!」

シュン!!

ミトは一瞬で角都の背後に回り,チャクラの腕で攻撃を繰り出す。

(これで……っ!)

(速い……!!)

ガッ!!

角都はミトの攻撃を頸椎に直接食らう。しかし……,

「ぐあっ……おのれ……!」

角都は倒れることなく,背後のミトを睨みつける。

(効いてない……!?これは……体を硬化する術……!?)

「フン!!」

ドッ!!

「あうぅっ!!」

振り向きざま角都はミトの腹部に蹴りを入れ,ミトはまたしても後ろへ飛ばされる。

「手こずらせやがって……。さっさとくたばれ……。」

角都が今度こそ止めを刺そうと歩み寄ったその時,

ザッ!ザッ!

「ミト様!遅くなって申し訳ありません!」

「ミト様,ご無事で!?」

「猿飛さん,志村さん!」

金銀兄弟との戦いを扉間と交代した猿飛サスケ,志村サイゾウの両名が駆けつける。

「次から次へと……。」

「ミト様,ここは我らが!すぐにお逃げください!」

「こいつ,滝隠れの忍だぞ!やはり雲隠れの奴らだけじゃなかった,扉間様の言った通りだ!」

サスケがミトの体を起こしている間,サイゾウは角都を牽制しつつその額当てを確認する。

「私も,戦います。」

何とか立ち上がるものの,逃げようとはしないミト。

「ダメです,ミト様!我らがあなたに怪我をさせるわけには……!」

「奴はミト様に対しても手加減する様子がまるでありません。お逃げください!」

未だ戦おうとするミトを制止する二人だが,ミトはなかなか引き下がらない。

「手加減なんてこちらから願い下げです。もとより忍になった時から,命を張る覚悟はできています!」

「ミト様,あなたの一番の役目は火影様が目をお覚ましになった時に,いつもと同じ元気なお姿で側にいることではありませんか。万一あなたが怪我でも負えば,我ら火影様に合わせる顔がございません。どうかここは,我らにお任せください。」

サスケの諭すような言葉と真剣な眼差しに,さすがのミトもこれ以上食い下がることはできなかった。

「わ,分かりました……。」

「ご無礼を申し上げたましたこと,どうかお許しください。」

「いえ……,ではよろしくお願いします。木ノ葉を護ってください。」

「もちろんです。」

その場を後にするミトを,角都はあえて追おうとはしなかった。目の前の二人の忍がそれを簡単には許してくれないことなど明白である。彼らの実力が並ではないという事を,角都は即座に察知していた。

「話は終わったか……?こうなるともう,隠密活動は無理だな。どうあれ,目的達成のためにまずは……お前らを始末する。」 
 

 
後書き
お読みいただきありがとうございます!

暴力描写には少々悩みましたが,角都なら性格的に相手が女性でも気にせず攻撃するだろう,またミトも女性であることを理由に弱音を吐いたりなどしないだろう,と考えた末このような展開になってしまいました。苦手な方には申し訳ありません。

サスケとサイゾウの次なる相手は角都,はたして勝つことができるのでしょうか……?



~猿飛サスケ&志村サイゾウ vs 角都~
猿飛サスケ
  実 力  :★★★★☆
コンディション:★★★☆☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★☆☆☆

志村サイゾウ
  実 力  :★★★★☆
コンディション:★★★☆☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★☆☆☆

角都
  実 力  :★★★★★
コンディション:★★★★☆
モチベーション:★★☆☆☆
ラ ッ キ ー:★★☆☆☆

※最大評価★5つ 一部例外アリ
※同じ人物でもその時々によって変動アリ 
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