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悪のペットショップ

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第一章

                悪のペットショップ
 山村義人は会社員をしながら保護犬や保護猫の里親を探すボランティア団体において過酷な環境にあったり捨てられた犬や猫達を救う活動を行っている、その中で。
 彼はその団体の犬や猫達がいる場所に来たサラリーマンの村瀬良一色白で少し口が尖っている感じで小さな目を持つ黒髪の固太りな感じの身体の彼に一匹のアメリカンショートヘアを差し出して話した。
「ではです」
「この子をですね」
「これからお願いします」
「わかりました、妻と息子にもです」
「もうですね」
「話をしていますし」
 それでというのだ。
「この子を家で家族としてです」
「大事にしてくれますか」
「そうします」
 村瀬は山村に優しい目で約束した。
「絶対に」
「そうして下さい、この子も大変でしたから」
「ペットショップにいたんですね」
「はい」
 その猫、結構歳を取ったアメリカンショートヘアの雌猫を見つつ話した。
「その裏側に」
「お店のですか」
「そこにずっとケージの中にいて」
 それでというのだ。
「ただひたすら子供を妊娠して」
「産んでですか」
「それだけで」
 そしてとだ、山村は話した。
「一生を過ごすんです」
「それは酷いですね」
「そして子供は売られるんです」
「ペットショップで」
「それでお店に出ている子達も」
 ペットショップに展示されている彼等もというのだ。
「商品です」
「生きていますよね」
「いえ、商品としてです」
 その様にというのだ。
「扱われていて」
「それで、ですか」
「売れないと」
「捨てられますか」
「保健所に送られたり捨てられたりします」
「そうですか」
「冷蔵庫に入れたり業者に渡して」
 そうしてというのだ。
「処理します」
「処理ですか」
「もう売れ残った子は」
 それこそというのだ。
「山奥の小屋でどうなるか、それか」
「どうなるんですか」
「実験に使われたり」
「酷いですね」
「そうしたお店ばかりではないですが」
 山村は深刻な顔で話した。
「中にはです」
「そうしたお店もですか」
「ありましてこの娘もです」
 この猫もというのだ。
「そうした子達を産む」
「道具ですね」
「まさに、そしてです」
 山村は深刻な顔で話した。
「もう産めなくなって」
「道具として役に立たなくなって」
「それで、です」
「保健所に送られたんですね」
「そうした子です」
「とんでもないですね」
 ここまで聞いてだ、村瀬は俯いて言った。
「そんな現実があるんですね」
「ペットショップには」
「ペット業界には」
「そうです」
 山村も沈痛な顔で話す。
「そうした子がいるんですよ」
「何とかしたいですね」
「はい、これは法律でもです」
 これでもというのだ。 
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