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戦国異伝供書

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第百十九話 悪人達の絵その六

「あの地で伊東家を戦うならば」
「そのまま伊東家と雌雄を決することになってな」
「日向もです」
 目指すこの国もというのだ。
「手に入れる為に大きな戦となります」
「そうであるな」
「では」
「うむ、伊東家の軍勢が来ればな」
 その時はとだ、義久は義弘に告げた。
「我等でな」
「降しますな」
「これまでは薩摩でも大隅でも小さな戦ばかりであった」
 二国を手に戻すまでのそれはというのだ。
「実にな」
「そうでしたが」
「今度の戦は違う」
「大きな戦になりますな」
「だから用心してくぞ」
「わかり申した」
「我等四人全員が出る」
 今度の戦ではというのだ。
「よいな」
「では兄上もですな」
 家久は長兄に問うた。
「出陣されますな」
「四人全員と言ったな」
「はい、今しがた」
「それが答えじゃ」
「ですな、では」
「早速出陣の用意に入る」
 義久は弟達にも家臣達にも告げた。
「そしてじゃ」
「そのうえで、ですな」
「伊東家と戦う」
「そうしますな」
「おそらくこちらに来る」 
 島津家の領地にというのだ。
「だから迎え撃つぞ」
「敵は飯野城の方に来るかと」
 義弘が応えた。
「ですから」
「うむ、飯野城に入ってな」
「そうしてですな」
「戦うとしよう」
「さすれば」
「ではです」
 歳久も言ってきた。
「すぐにですな」
「我等四人がな」
「あの城に入ってですな」
「それからあらためて軍議を開こう」
「さすればその時に」
「お主の策を出すな」
「そうさせて頂きます」
 歳久は長兄に確かな声で答えた。
「既に策はありますが」
「今はじゃな」
「より練ってです」
 頭の中でそうしてというのだ。
「そしてです」
「話してくれるな」
「その様に」
「では待っておるぞ」
「その時を」
「ではな」
「おそらくですが」
 家久も言ってきた。
「伊東家も正念場なので」
「主立った御仁達が出陣するな」
 義久は家久にも応えた。
「そうしてくるな」
「そうでありますな」
「ならばな」
「だから我等もでありますな」
「四人全員で出る」
 そうするというのだ。 
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