覇王の隣に戦闘狂 Ruler with Berserker
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銀の君主 5
前書き
_〆(。。)
(……止まっている?)
柊矢は周りの人間を見た。
位置が固定されて動かない。
まるで時間が流れていないかのようだ。
そこに長い銀髪の少女が立つ。
先程までは居なかったのに。
彼女は深い青の瞳で見る。
「妹さんに触れなさい。掛かっている『停滞』が解除されるわ」
その時だった。
城嶋戌の目玉が動いて少女を凝視。
彼は体ごと向きを変える。
「おっ、上手くいった上手くいった。なかなかのスペルだな。あっ、5年前の人だ」
城嶋戌は自力で停滞を解除。
目前に居た礼司の腕を放す。
それに対し銀髪の少女は愕然。
「あ、貴方は一体ッ……!? どうやって私の停滞を抜け出したのッ!?」
「どうでも良いじゃん。今なら大丈夫だろ。まあ止めなくても勝ったけど」
銀髪の少女が頷いて詠唱する。
「我が左手に宿りし【導き】のルーンよ。全ての時を指し示す針を、今一度、神の御手に委ねたまえ」
停滞が解けた礼司が異変に気付く。
「僕のスペルを封じた……? いや、停滞させることで解除したのか……。流石は頂点に立ちし、偉大なる我が君主……」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「宗真礼司。【ヴァルハラ学園】イーストスクエア分校において騒ぎを起こしていると聞き、裁定を下しに来たわ」
礼司は銀髪の少女に恭しい態度を取る。
「御手を煩わせ申し訳ありません」
「【騎士】の権限を濫用していると見做すけど、構わないかしら?」
「これはルーン・レルムにおいて『法』で認められた権利。【階位】の高い者が低い者を従者とする。これは他の上位者もしていらっしゃることではありませんか」
銀髪の少女は溜め息。
「《鷹城桃花》が希少な回復系のスペルを持っていることは報告を受けて知っています。それを欲しがる人が多いことも」
銀髪の少女がそう答えると新たな声。
「最初に声をかけた上位者が声をかけた下位者のことを一時的に従者として、自分の勢力に属する者として扱える」
眉目秀麗で大人びたメイド。
(何故?)
(おっぱいでけー)
柊矢と城嶋戌は気付く。
彼女の腰には本物にしか見えない刀。
メイドは銀髪の少女に尋ねた。
「宜しいので? ここで決まりを破っては貴女やこの領域が他領の『王』から干渉を受けるかもしれませんが……」
「ルールを破るつもりは無いわ……。幾ら私の統治下に在るとは言え、【東方島領域】だけの法が【第十三ルーン・レルム】全体の法を侵すわけにもいかない……」
後書き
_〆(。。)
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