覇王の隣に戦闘狂 Ruler with Berserker
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銀の君主 4
前書き
_〆(。。)
礼司の瞳に冷たい光が宿り、明確な敵意を二人に向けてくる。
「本性出したな、この気障男。まあそんなこったろうとは思ってたけど」
「桃花、こんな奴に構うな」
《小山田城嶋戌》と《鷹城柊矢》も《宗真礼司/そうまれいじ》に敵意を返す。
礼司は城嶋戌が掴む右腕の手の平にルーンの刻印を浮かべた。
それは青く発光し輝きを増す。
「君達は何も解っていない。愚かさの代償は身を以て知ってもらおう」
柊矢の耳に痛みが走る。
何かが鼓膜に響いたらしい。
耳を押さえてよろめいてしまう。
しかし城嶋戌は無反応だった。
(俺のアレと似てるかな?)
城嶋戌は自身の使う能力によって柊矢に同じようなことが出来る。
礼司は少し表情を曇らせた。
(この男……なぜ平気なんだ? 人体に影響は出る筈なんだが……。能力が無いと聞いていたが、潜在的に【ルーンスペル】に対抗するルーンスペルでも持っているのか?)
「シュウちゃんッ! キーくんッ!」
「シュウ! キジー! 逃げろォッ!」
「まともに受けたら死ぬぞッ!」
《ルーシィ・七瀬・マッキンリー》、《浅野タカシ》、《谷山ヒロシ》の3人が教室に駆け込み声を挙げる。
「こっちは退く気が無いからな?」
城嶋戌が礼司に言い放つ。
「ならば二人とも死に至る苦痛を知れ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
礼司がスペル発動の詠唱をしだすも城嶋戌が邪魔する様子は無い。
(直に喰らって確かめてみるか。『こっちの世界』は転生前の『地上』よりレベルが低いから期待は出来ないが)
城嶋戌は強い奴が好きだ。
そいつと戦うのも大好きだ。
バトルマニアや戦闘狂の類い。
この世界で興味が湧いたのは自分と同じく別世界から転生や転移で来て、その世界に有った力を振るう『それなり』の強さを持つ者。
柊矢や桃花も彼等から教えを受け、幾つかの能力や技術を授かっている。
「我が右の掌に刻まれし【戦い】のルーンよ。ヘイムダルの神器、終末を導く角笛の音色で愚かなる者を破滅に導きたまえ!」
礼司の体内に蓄積された【魔素】が右手の手の平に集まっていく。
それを目の前でみていた柊矢は
『生きたい』
『妹を守りたい』
と願いながら気づいた。
何時の間にか礼司の放っていた青い光の色は消えており、代わって目の覚めるように鮮烈な銀色の光が視界を覆っていることに。
「───貴方はそのままで良い。そう、何者にも屈することが無い貴方のままで………」
後書き
_〆(。。)
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