覇王の隣に戦闘狂 Ruler with Berserker
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銀の君主 3
前書き
_〆(。。)
「折角のご丁寧な挨拶に痛み入るんだが、去るわけねーだろ」
城嶋戌は《宗真礼司》の威圧に対して一歩も退くことが無い。
逆に同程度の威圧感/プレッシャーを放って礼司のことを牽制する。
「ああ。桃花にどんな用が有るのかは、もう十分に解ったからな」
柊矢は妹を『癒しの能力者』と言われたのが気に食わず不快だった。
礼司は個人でなく能力に価値を見出だしているのがありありと解る。
「僕は意見を聞いていない。『命令』をしているんだ。【階位】が下の人間は上の人間に逆らうことを許されていないんだよ。それは【ルーン・レルム】で決められたこと」
柊矢は日本の本島を思い出す。
あちらで送っていた暮らしがどれだけ平和だったのかを痛感している。
かつて自分達が巻き込まれた爆破テロを起こした能力者と同じ【ルーンズ】しか居ないルーン・レルムが本島と同じであるはずがない。
根本的な在り方が違う。
それを証明するように城嶋戌と柊矢以外は礼司に対して何もしようとしなかった。
下が上に逆らってはならない。
そう刷り込まれているから。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ルーン・レルムの法に従う僕の行為は正当性を保証される。だから二人はそこを退いた方が良い。僕は《鷹城桃花》を従者とする為に来たんだ。僕は彼女の力が必要になるからね」
礼司が桃花の前に立つ柊矢を押し退けようと手を伸ばすも城嶋戌が腕を掴む。
「……僕の称号は【騎士】だ。そして【階位】は『982位』で1000位以内。10000位よりも下から3ヶ月で今の地位になった。それが何を意味するか解るだろう?」
彼の能力は急成長しているということ。
そして今より上の階位を狙っている。
だが城嶋戌は手を放そうとしない。
「お前のルーンスペルがどうなってんのかなんて俺には何の関係も無ぇんだよ。悪いが桃花ちゃんを従者にさせるつもりは更々ないんだからな」
「城嶋戌さん……」
桃花の声は震えている。
「絶対に俺達が守る。ここで引いたら兄貴やってる資格が無いからな」
柊矢も城嶋戌に同意して体を力ます。
何時でも礼司に飛びかかれるように。
後書き
_〆(。。)
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