覇王の隣に戦闘狂 Ruler with Berserker
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階位 2
前書き
_〆(。。)
声を掛けた城嶋戌に下位の男子を脅していた上位の男子が睨み付けてきた。
「何だテメェ? 俺は忙しいんだ。邪魔だからあっち行ってろよ」
城嶋戌は下位の男子と目を合わせ笑うと上位の男子に顔を向け言い放つ。
「よしっ。お前、俺と戦え。俺が勝ったら二度と徴税するんじゃねぇぞ」
その言葉に相手も周囲も絶句。
しかし柊矢だけは心配していない。
「ちょっ、良いのか!?」
「我々では手が出せん」
タカシとヒロシは城嶋戌が上位者に喧嘩を売っても見ることしか出来ない。
「大丈夫だよ。城嶋戌は負けないから」
柊矢は2人を落ち着かせる。
そこに城嶋戌が戻ってきた。
どうやら【決闘】は成立するらしい。
「というわけでして、俺はあのバカ丸出しな底辺の雑魚と今日の放課後に決闘することと相成りました、マル」
城嶋戌の台詞にタカシとヒロシは口を開けたままになり、柊矢は苦笑いした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そう言えばシュウ。確か君には妹さんが居るんだったよな?」
体育の授業が終わった後でタカシが柊矢へと話題を振ってくる。
「どうやらこの島のネット掲示板で情報が出回っているようだ。今は容姿と能力についてしか書かれていないが……」
ヒロシも状況を伝えてきた。
「対策をしないと不味いってか?」
城嶋戌が眉を顰ます。
当の兄である柊矢は平常運転。
ヒロシが話を続ける。
「新入生の【ルーンスペル】について効果の判明したものは情報が開示される。この『癒し』の能力を欲しがるのは上位者に多い」
タカシが頷く。
「さっきのキジーが割って入った二人は同じ【平民/コモン】だから本当は要求を拒否できるんだ。でも上の称号を持つ【騎士】とかだと平民は絶対に逆らえない」
しかし柊矢は狼狽えなかった。
「力づくで来るのなら心配ない。俺の妹はかなり強いからな。少なくともこの【第十三ルーン・レルム】に来て出会った【ルーンズ】の誰にも負ける気がしなかったし」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
上位者がどれだけ《鷹城桃花》のスペルを欲しがろうと関係ない。
《田中要/たなかよう》
《加藤岳/かとうがく》
《小山田城嶋戌/こやまだきじまいぬ》
この3人と共に柊矢と鍛え、他の転生者からも手ほどきを受けた。
そんな鷹城兄妹がこの世界の人間を相手に負けることなど有りはしないのだ。
大量破壊兵器とはいかなくとも、近代兵器を相手にあっさり勝つのだから。
「実を言うと、既に上位者の間では、誰がシュウの妹を『従者』にするかという『賭け』も始まっているんだが……」
悪趣味だが、ヒロシによると新入生が平民だった場合には何時も起こるらしい。
「授業が終わったら桃花の所へ行くよ」
「シュウ、おかしなことは考えるなよ? 逆らったら死にはせずとも半殺しに出来る能力者が騎士の階位にはゴロゴロ居るんだぞ」
そう言ったタカシの肩が叩かれる。
城嶋戌だった。
「桃花ちゃんなら心配ないだろうが念のため俺も柊矢に着いてくよ。まあ絡んできた上位者が可哀想になりそうだけど」
後書き
_〆(。。)
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