| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百九十四話 正門にてその二

「僕としてはだ」
「そうなっては欲しくないね」
「法律があるとだ」
 それでというのだ。
「秩序が出来るからな」
「若し法律がないとね」
「そうした社会になる」
「ううん、法律がどれだけ大事か」
「わかるな」
「それってあれね」
 ここでビアンカが言ってきた。
「辺境外縁部ね」
「そちらだな」
「つまりはそうよね」
「そうだ」
 その通りだとだ、兄は妹に答えた。
「はっきり言うとな」
「そうよね」
「あちらは連合に入るまでそうだな」
「ええ、もう海賊やテロリストやならず者のやりたい放題で」
「勝手にやっていたな」
「そこにいる殆どの人達はもう搾取されて」
 そうした悪質な連中にだ、実際にそうした連中が勝手に政府を立てて横暴の限りを尽くしていた事例もあった。
「自分の身は自分で守るとか」
「そうした社会だったな」
「もうね」
 それこそとだ、ビアンカはさらに話した。
「さっき兄さんとロミオが言ったけれど」
「世紀末だな」
「そうした社会だったのよね」
「よく言って西部劇だ」
「アメリカからはじまったね」
「ああした世界だった」
 牛泥棒やならず者が跳梁跋扈しガンマンや保安官、カウボーイがいた世界だ。尚この時代の連合各国の西部劇はアジア系でも誰でも主役である。
「まさにな」
「そうだったのよね」
「そうした社会になる」
「法律がないと」
「だから校則があってだ」
 そうしてというのだ。
「さらにな」
「中は風紀部の人達がいて」
「そしてここはだ」
 正門はというのだ。
「ガードマンの人達がいる」
「そういうことだね」
「実際にそうした警備もないとな」
「中にはね」
 ここでビアンカは暗い顔で話した。
「包丁や拳銃持った奴が学校の中に入るとか」
「あるな」
「それで暴れ回るとかね」
「そうしたこともある」
「だからよね」
「警備は必要だ、しっかりと警備を固めないとだ」
「皆安心出来ないわ」
 ビアンカははっきりと言った。
「だから立場のある人達も」
「ボディーガードが周りにいる」
「そうよね」
「理事長さんもな」
 アルフレドは自分達の学園の最高責任者の話もした。
「八条義統さんもだ」
「そうよね」
「あの人も周りはいつもボディーガードの人達がいる」
「中央政府国防長官だし」
「八条グループの次の総帥さんだ」
「そうした人だから」
「警護もな」
 これもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧