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猫は寂しがり屋

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第二章

「ないわ」
「そうですか」
「ええ、ティーカップトイプードルの女の子で」
「ティーカップっていいますと」
「ほら、トイプードルって小さいでしょ」
「小型犬ですね」
 麗奈もこの犬のことは知っていて応えた。
「そうですよね」
「大体四キロ位だけれどね」
「確かに小さいですね」
「大人になってね、けれどね」
「そのティーカップの子はですか」
「さらに小さくてニキロ位なのよ」
「そういえば何か大きさ違いますね」
 トイプードルといってもとだ、麗奈も頷いた。
「それはそうだったんですね」
「そう、普通のトイプードルの子が大人で四キロ位でね」
「ティーカップの子はニキロですか」
「それ位なの」
「さらに小さいんですね」
「そう、それで大人しくて優しくてね」
 千夏はその犬の性格のことも話した。
「いい子よ、ちなみに女の子よ」
「女の子ですか」
「犬はどうも女の子の方が大人しいわね」
「そうですか、猫はどうも」
「女の子の方がやんちゃなの」
「はい、実家のお母さん猫も」
 麗奈は自分が妹と言った彼女のことを話した。
「この子よりやんちゃです」
「そうなの」
「女の子の方が」
「じゃあその子は」
「お母さんよりましですが」
 そのやんちゃさはというのだ。
「ですが」
「それでもやんちゃなのね」
「やんちゃなことはです」
「変わらないのね」
「はい」
 そうだというのだ。
「これが」
「それでも楽しそうね」
「私が帰って来るとすぐに玄関までドタバタして来て」 
 そしてというのだ。
「もうあちこち飛び跳ねて」
「それは凄いわね」
「それでちょっと忙しいから無視すると」 
 その時はというと。
「足甘噛みしてくるんです」
「本当にやんちゃね、うちのメグちゃんはね」
「そんなことないですか」
「ええ、ひょっとして寂しがり?」
「かなりそうですね」 
 実際にとだ、麗奈も答えた。
「この子は」
「やっぱりそうね」
「猫ってそうですよね」
「犬もそうだけれどね」
「犬以上にですね、ですから私も家にいる時は」
 その時はというのだ。
「いつもです」
「一緒にいる様にしているの」
「はい」
 そうしているというのだ。
「実際に」
「そうなのね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「何か私がいない時は」
「お仕事でね」
「ずっと寝ているみたいです」
 その時はというのだ。
「そうみたいです」
「犬も猫もよく寝るわね」
「そうですよね」
「だからその時はなの」
「もうずっとです」
 それこそというのだ。 
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