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オズの木挽きの馬

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第五幕その四

「いいね」
「わかりました」
 恵梨香も素直に頷きます、そしてでした。
 皆は東に向かって出発しました、ここでも黄色い煉瓦の道を進んでいってそうしてでした、先に進んでいると。
 不意にです、恵梨香はこんなことを言いました。
「お羊座のお話が出たけれど」
「そうそう、黄金の毛の羊はお羊座の羊さんの親戚だったね」
 神宝はシードさんのお話から言いました。
「そうだったね」
「オズの国でも星座あるんだね」
 カルロスも言います。
「そうなんだね」
「外の世界の星座と同じかな」 
 ジョージはこう思いました。
「そうなのかな」
「星座のことはこれまで考えていなかったけれど」
 ナターシャは考えるお顔になっています。
「どうなのかしら」
「外の世界と同じよ」
 グリンダが笑顔で答えました。
「星座はね」
「同じですか」
「だからお羊座もあって」
「他の星座もあるんですね」
「そこは外の世界と同じで」
「変わらないんですね」
「八十八の星座があって」 
 そしてというのです。
「どの星座も心があるの、特にね」
「特に?」
「特にといいますと」
「まだ何かありますか?」
「星座について」
「あるとしたらどんなことですか?」
「黄道の十二の星座はね」
 この星座達はというのです。
「特別な存在なのよ」
「あっ、外の世界と同じで」
「そう、オズの国でかなり位の高い神様になっているの」
 グリンダは恵梨香に答えました。
「そうなっているの、干支と同じくね」
「干支の生きものも神様で」
「それでね」
「十二宮もなの」
「というと天秤座も」
「天秤が意志を持っていてね」
 そしてというのです。
「神様になっているのよ」
「そうですか」
「あと干支は国によって豹や猫もいるわね」
「ベトナムやモンゴルではそうですね」
「だから豹や猫もね」
 こうした生きもの達もというのです。
「神様になっているのよ、オズの国では」
「そうでしたか」
「そのことも覚えておいてね」
「はい、それで黄金の羊も」
 恵梨香は今から自分は連れて帰る彼のお話もしました。
「お羊座の神様のですね」
「親戚なのよ」
「そうなんですね」
「だから毛が金色なのよ」
「そういうことですか」
「ええ、では夜はね」
「その星座もですね」
「見ましょう」
 こうしたお話をしてでした。
 皆は東に進んでいきました、そしてです。
 やがてある場所に着きました、そこはどういった場所かといいますと。
 広い川で橋はありません、ですが小舟が一艘あってそこに日本の着物に襦袢そして編み笠という恰好の男の人がいました、ここで木挽きの馬は言いました。
「僕は泳いで渡ったから」
「舟のことはなのね」
「見たけれどね」
 それでもというのです。
「使わなかったからね」
「舟のことはなのね」
「意識しなかったよ」 
 こう恵梨香にお話します。 
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