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星河の覇皇

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第七十六部第四章 戦いの合間のその十二

「我々にも影響する」
「その影響を考慮し」
「見ていこう、そして対処をしていこう」
 マウリアに対してというのだ。
「是非」
「では」
「特に彼は」
 キロモトは普段より温和な口調になっていることを自分でも認識していた、それが義理とはいえ孫が出来たことにより機嫌がいいことは認識していた。その認識の中でさらに話していった。
「ジャバル副主席は」
「彼はですね」
「見ていこう」
 是非にと言うのだった。
「おそらくこれからは」
「彼がですね」
「マウリアを動かしていく」
 だからだというのだ。
「マウリア主席にもなるだろう」
「国家元首にもですか」
「今の流れを見ると」
「そのことについてですが」
 カバリエはキロモトに淡々とした声で話した。
「やはりです」
「彼自身のことか」
「はい、どうしてもです」
「彼がアウトカースト出身だからこそ」
「副主席に抜擢されましたが」
 国家主席であるクリシュナータの推挙によってだ、そうなって今はマウリア副主席になっているのである。
「アウトカースト政府の主席から」
「そうだな、しかし」
「はい、どうしてもです」
「カーストが問題になる」
「ヒンズー教のそれが」
 マウリアでは圧倒的多数のこの宗教の制度である。
「それがあるので」
「そうだな、しかし」
「そのカーストもですか」
「彼は超えるかも知れない」 
 キロモトは真剣な顔で述べた。
「そうしてだ」
「マウリアのですか」
「国家主席になるだろう」
「そうしてですか」
「マウリアをさらにだ」
「変革していきますか」
「そしてその変革が」
 革命とも言っていいそれがだ。
「我々にも影響するだろう」
「だからですね」
「あの国の国力は倍になった」
 アウトカーストの力を取り入れてだ。
「人口、正確なそれもわかった」
「三千億とは」
 首相のアッチャラーンが言ってきた。
「やはりです」
「相当だな」
「連合でそこまでの人口を擁している国はありません」
 この時代では中国でも二千億だ、だがマウリアはその中国よりも今では千億も多くなっているのだ。
「そしてです」
「そのうえでだな」
「国力もです」
「さらに上昇していっているな」
「ジャバル副主席の辣腕により」
 まさになのだ。
「そうなっています」
「そう考えるとな」
「ジャバル副主席とマウリアの動きがですか」
「注目しなくてはならないものだ」
 連合にとってはサハラ以上にというのだ。
「だからだ」
「では外務省としては」
「頼む」
 キロモトはまたカバリエに話した。 
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