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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第17話『例え朽ちて消えても』

ウィザードはほむらのアンダーワールドに突入する。
『ほむらちゃん、グリーフシードは?』
『ううん、まどかは?』
『私ももう無い。このまま、二人で魔女になって暴れちゃう?』
『それもいいかも。』
ほむらが自暴自棄に言うと、まどかはほむらのソウルジェムをグリーフシードを使って浄化する。
『まどか!?』
『ほむらちゃん、一つだけお願いを聞いて。ほむらちゃんは戻って。キュゥべえに騙される馬鹿な私を守って…』
まどかのソウルジェムはグリーフシードに変わり、救済の魔女に変貌する。
「これが、魔女の真実…」
ウィザードが呟くと、アンダーワールドの風景は砕け、兎のような巨大なファントム、ラプラスと共に此岸の魔女が現れる。
「確か、魔女は倒すなって雅は言っていたな。さあ、ショータイムだ!」
ウィザードはウィザードラゴンを召喚する。

『フェイト、はい。』
アンダーワールドの内部でアリシアはフェイトにバルディッシュを渡す。
『アリシア、これ…』
『フェイト、行ってらっしゃい。私はもう何処にもいないけど、それでも、フェイトのお姉ちゃんだもん。』
アリシアは笑顔を見せ、フェイトは泣きながらアリシアに抱きつく。
『ごめんね、アリシア…』
『いいよ。それより、優しい友達が待っているんでしょ。』
アリシアはフェイトの頭を撫でる。
『現実でも、こんな風でいたかったな…』
アリシアの幻影は消滅する。そして、アンダーワールドは砕け散り、虚像の魔女と共にアリシアの姿をしたファントムが現れる。
「何者だ!」
ディロードはロードスラスターを構える。
「私はファントムのドッペルゲンガー。さあ、私を楽しませてね。おにいちゃん♪」
ファントム、ドッペルゲンガーはバルディッシュを構える。

ウィザードとディロードがアンダーワールドで戦闘を繰り広げている頃、現実世界でも仮面ライダー達がスキュラとの戦闘に苦戦していた。
「なんなんだ、あのバリア!」
「もしかしたら、闇の書の闇が持つ複合バリアが復活しているのかもしれません!」
ブレイドの言葉にはやては答える。
「仕方がない。こいつでいくか!」
【FINAL KAMEN RIDE-DECADE-】
ディケイドは最強コンプリートフォームに変身し、その能力でライダー達も最強形態にパワーアップする。
「んじゃ、こいつの出番だ!」
【FINAL FORM RIDE-ALL RI RI RI RIDERS-】
ディケイドはオールライダーのファナルフォームライドを発動する。
「ちょっ、流夜!いきなりやめてよ!」
クウガは驚くが既に遅く、
「伍代さん、ちょっと、くすぐったいですよ。」
アギトによってクウガはライジングアルティメットゴウラムに変化し、
「翔一、ちょっとくすぐったいぞ!」
龍騎はアギトをシャイニングトルネイダーに変化させ、
「城戸、ちょっとくすぐったいぞ。」
ファイズは龍騎をサバイブドラグランザーに変化させ、
「巧、ちょっとくすぐったいぞ!」
ブレイドはファイズをクリムゾンブラスターに変化させ、
「一真、ちょっとくすぐったいからな。」
響鬼はブレイドをキングブレードに変化させ、
「響鬼、ちょっとくすぐったいぞ。」
カブトは響鬼をアームドハガネタカに変化させ、
「おい、ちょっとくすぐってえぞ!」
電王はカブトをゼクターハイパーに変化させ、
「すみません。ちょっとくすぐったいですよ。」
キバは電王を超クライマックスモモタロスに変化させ、
「ちょっと、くすぐったいぞ。」
ダブルはキバをエンペラーアローに変化させ、
「ちょっとくすぐったいぞ。」
ディケイドはダブルをサイクロンサイクロンとジョーカージョーカーに分裂させ、超クライマックスモモタロスはキングブレードを、サイクロンサイクロンはクリムゾンブラスターを、ジョーカージョーカーはエンペラーアローを手に取る。
「ヴィータ、シグナム、私達でバリアを破壊しよう!」
「オッケー!そういうことなら、行くぞアイゼン!」
[gigant form!]
「轟天爆砕!ギガントシュラーク!」
ヴィータはギガントシュラークを放ち対魔法バリアを破壊する。
「フェイトちゃん、この魔法を使わせてもらうで!サンダースマッシャー!」
はやては夜天の書からフェイトの砲撃魔法を引き出し、対物理バリアを破壊する。
「レヴァンティン、ここは我らの出番だ。」
[bogen form!]
「翔けよ、隼!」
[sturm falcen!]
シグナムはシュツルムファルケンを放ち、対魔法バリアを破壊する。
「今よ、はやてちゃん!」
「解ってるで、シャマル!響け終焉の笛!ラグナロク!」
はやてはラグナロクを発動し、スキュラの最後のバリアを破壊する。
「無駄さ、君達ではスキュラに傷一つ与えられない。」
その光景を見てキュゥべえは平然としていた。

ほむらのアンダーワールドでラプラスと交戦しているウィザードは苦戦を強いられていた。
「くっ、ファントムだけならどうにかなるが、魔女が邪魔する!」
此岸の魔女に手出し出来ないウィザードはラプラスの攻撃を受ける。
“晴人、魔女の動きを封じろ!そうすれば魔女を気にせずに戦えるはずだ!”
「解った!」
“バインド…プリーズ…”
ウィザードはウィザードラゴンの指示を受け、炎の鎖で此岸の魔女を拘束する。
「フィナーレだ!」
“チョーイイネ!キックストライク!サイコー!”
ウィザードは必殺技を発動し、ウィザードラゴンは巨大な足、ストライクモードに変形する。
「はぁっ!」
ウィザードはウィザードラゴンで敵を踏み潰す必殺技、ストライクエンドを放ち、ラプラスを撃破する。
「ふぃ~。」
ウィザードは此岸の魔女に掛けていた拘束を解き、ほむらのアンダーワールドから撤退する。

「ほらほら、どうしたの!」
ディロードはドッペルゲンガーの攻撃に苦戦している。
「これならどうだ!」
【CHANGE RIDE-DARK KABUTO ZECTOR-】
「変身!」
ディロードはディロードライバーをダークカブトゼクターに変え、仮面ライダーダークカブトに変身する。
「クロックアップ!」
ダークカブトはクロックアップし高速移動を行うが、
「無駄だよ!」
ドッペルゲンガーも対応するように高速移動を行い、バルディッシュでダークカブトに的確な斬撃を放ち、変身を解除させる。
「だったら!」
【CHANGE RIDE-WISE DRIVER-】
「変身!」
“チェンジ…ナウ…”
雅はディロードライバーをワイズドライバーに変え、仮面ライダーワイズマンに変身する。
“エクスプロージョン…ナウ…”
ワイズマンはエクスプロージョンを発動し、ドッペルゲンガーの周囲を爆発させるが、
「だから、そんなことしたって意味ないんだよ。」
ドッペルゲンガーは上空へ回避し、バルディッシュからエネルギー弾を放ちワイズマンを攻撃する。
「ぐっ!」
エネルギー弾はワイズマンに直撃し、ワイズマンは怯む。
「それなら!」
【CHANGE RIDE-BUILD DRIVER VERSION SINOBU-】
雅は変身を解除し、ディロードライバーを桐生戦兎の父、葛城忍が使用したビルドドライバーに変える。
〝ラビット!タンク!〟
雅はボルテックレバーを回転させる。
「変身!」
〝Are you ready? 鋼のムーンサルト!ラビットタンク!ィエーイ!〟
雅は仮面ライダービルドに変身する。
「これで、どうだ!」
ビルドはドリルクラッシャーでドッペルゲンガーを貫こうとするが、ドッペルゲンガーは軽々と回避する。
「っていうかさ、こんな失敗作にかまけているなんて、ばっかみたい。」
ドッペルゲンガーは笑いながら言う。
「失敗作だと?」
 「だってそうじゃん。フェイトなんて名乗っているけど、結局は私になれなかった出来損ないの失敗作じゃん。」
ドッペルゲンガーはバルディッシュをビルドに叩きつける。
「違う!フェイトは生まれたときからフェイトだ!アリシアの失敗作でも、代用品でもない!お前を生み出すゲートでもない!」
ビルドは立ち上がる。
「綺麗事を言っても無駄だよ!母さんは全部私のためにあるの!このバルディッシュだって、リニスが私のために作ったものだもん!」
ドッペルゲンガーはバルディッシュでディロードをなぎ払う。
「ぐはっ!」
ビルドは吹き飛び、変身が解除される。
「どう?母さんも、バルディッシュも、アルフも、なのは達も!全部私のための、私のものなの!出来損ないの失敗作のものじゃない!」
ドッペルゲンガーはバルディッシュを振るうが、雅はそれを間一髪で回避する。
「あなただって、チームディロードだって、本来なら私の居場所のはずだった!」
ドッペルゲンガーはバルディッシュで雅を攻撃しようとするが、雅はバルディッシュの柄を掴んで攻撃を防ぐ。
「さっきから聞いていれば!お前はそもそもアリシアですらない!」
「そんなこと言っても、あなたじゃ私には勝てないよ。だから、このまま諦めて私と一緒に暮らそ?」
ドッペルゲンガーは和やかに言う。
「勝てないかどうかは、まだ決まっていない!」
雅はディロードに変身し、晴人から渡されたアイテム、ディロードドラゴタイマーを起動させる。
“ディロードドラゴタイマー!セットアップ!スタート!”
ディロードドラゴタイマーは一分のカウントを確認する。
“ファイナルタイム…”
「これにドラゴタイマーと同じ機能が備わっているなら、きっと!」
ディロードはディロードドラゴタイマーをディロードライバーに翳す。すると、ディロードは黒い光に包まれる。
『相も変わらずだな、偽りのディロードよ。』
「ディロードドラゴン…」
光の中、雅の精神世界の中で雅はディロードドラゴンと向き合っていた。
『お前は我に何を求める?』
「ディロードドラゴン、お前の力を、僕のディロードとして使わせてほしい。」
『冗談はほどほどにしておけ。ただの小僧が調和を司る我を力として使いたいだと?』
「同じ調和でも、僕とお前では本質が違う。お前は破壊された状態の調和を、僕は創造の調和を、それぞれ担っている。」
『ならなおさらやめておけ。有と無の融合の果てにあるものは混沌。それは我自身も望まぬ。』
「だとしても、今僕達のいる世界は既に混沌となっている。それを打開するには、どうしても必要なんだ。」
『偽りのディロードよ、本当に使うのか?我を使おうものなら、お前は確実に命を落とす。』
「それでも、向こうの戦力の増強を、何より大切な人を失うことは防げる。この身が例え朽ちて消えても、僕は成し遂げてみせる。」
雅はディロードドラゴンの目を見て言う。
『…そこまで言うのなら止めはしない。せいぜい我に飲み込まれて滅びよ!』
ディロードドラゴンは雅と一体化する。そして、黒い光は晴れる。
“ドラゴフュージョン!プリーズ!”
そこには、ディロードドラゴンの手足、ディメンションウィング、ディメンションテールを生やしたディロードがいた。
「仮面ライダーディロード ドラゴフュージョンスタイル…この力で、フェイトを救う!」
ディロードは飛翔し両手の爪、ディメンションクローで虚像の魔女を引き裂き、撃破するとそのままグリーフシードを粉砕する。
「なんなの!仮面ライダーは何でもありなの!?」
ドッペルゲンガーはバルディッシュからエネルギー弾を放つが、ディロードはディメンションウィングを羽ばたかせてそれらを防ぐ。
「これで決める!」
ディロードがディロードライバーを開くと、ファイナルアタックライドのカードが自動的にスキャンされ、ディロードは読み込ませる。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
カードのスキャンに合わせてディロードの胸部にディロードドラゴンの頭部が出現する。
「えっ!ちょっ!」
ドッペルゲンガーは慌てる。
「終わりだ!ディメンションストライク!」
ディロードは急降下しながら突撃し、ディロードドラゴンの頭部がドッペルゲンガーを飲み込み、そのまま爆発させる。
「さて、変身を解除したらそれまでか。」
雅は変身を解除するが、何も起こらない。
『偽りのディロードよ。お前に死なれては我も復活出来ない。今はその命、奪わずにいてやろう。』
ディロードドラゴンは雅に話し、姿を消す。それを確認した雅はフェイトのアンダーワールドから撤退した。
to be continued.

次回予告
「ただ力をぶつければいいわけではないことは解っている。後は、少女の勇気だけ。次回『救済の願い』。」 
 

 
後書き
新カード紹介
ダークカブトゼクター:ディロードライバーをダークカブトゼクターに変えて、仮面ライダーダークカブトに変身するためのカード。
ワイズドライバー:ディロードライバーをワイズドライバーに変えて、仮面ライダーワイズマンに変身するためのカード。
ビルドドライバー(葛城忍):ディロードライバーをビルドドライバーのプロトタイプに変えて、仮面ライダービルドに変身するためのカード。派生形態には変身出来ないが、ベストマッチ形態の戦闘能力を加味して雅は使用した。

新フォーム紹介
仮面ライダーディロード ドラゴフュージョンスタイル
身長:198cm
体重:105kg
キック力:30t
パンチ力:推定40t
ディロードがディロードドラゴタイマーのファイナルタイム状態をディロードライバーに翳すことでディロードドラゴンと融合した姿。二つのケータッチはディメンションウィングに、ロードスラスターはディメンションテールに変化し、両手両足のディメンションクローと共に装備される。本来のディロードが可能としているロードスラスターを駆使した戦術、ディロードドラゴンが可能としているディメンションテールを用いた戦術の両方が不可能となるが、有り余る戦闘能力がそれを補う。 
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