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オズの木挽きの馬

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第四幕その一

   第四幕  真田十勇士
 ガラスの猫は黄色い煉瓦の道を進みながら恵梨香に尋ねました。
「あの忍犬さんが真田幸村さんと十勇士のことをお話していたわね」
「ええ、オズの国にもおられるのね」
「忍者の人達よね」
「幸村さんはお侍さんでね」
 恵梨香はガラスの猫にこのことからお話しました。
「それで十勇士の人達はね」
「忍者なのね」
「幸村さんにお仕えするね」
「そうなのね」
「武士の身分も持っていたかも知れないけれど」
「基本忍者なのね」
「十人共ね」
 こうガラスの猫に説明します。
「そうなのよ」
「それで十人共かなりの腕を持っているの」
「それぞれ忍術を使っていて」
 そしてというのです。
「物凄く強いのよ」
「そんな人達なの」
「昔から日本のヒーローでね」
「幸村さんって人と一緒に戦ったりしていたの」
「豊臣家の為にね、徳川家康さんとね」
「そうなのね」
「徳川家康さんは天下を取ったけれど」
 それでもというのです。
「まだ豊臣家、前の天下人のお家が残っていて」
「ああ、豊臣家をどうしようか」
「対立もあって」
「家康さんは豊臣家に何かしようともなのね」
「そんなこともあって。実際に戦にもなって」
 それでというのです。
「幸村さんは豊臣家にお仕えする様になって」
「それでなのね」
「その前から幸村さんは徳川家と戦もしていたし」
「敵同士で」
「徳川家と戦っていたから」 
 だからだというのです。
「争っていてね」
「そこで十勇士の人達が活躍したのね」
「幸村さんもね」
「そうした人達なの」
「特に大坂の陣の最後で大活躍して」
 そしてというのです。
「私達も知っているのよ」
「そういうことなのね」
「ええ、わかってくれたかしら」
「まあね」 
 ガラスの猫は恵梨香に答えました。
「ある程度だけれどね」
「わかってくれたの」
「それで幸村さんは最後どうなったの?」
「大坂の陣で死んだの」
「そうなったの」
「そう言われているわ、ただ十勇士の人達はどうなったか」
 このことはといいますと。
「わからないの」
「そうなの」
「幸村さんと運命を共にしたともね」
 その様にともというのです。
「生き延びたともね」
「言われているの」
「その様にもね、幸村さんも生き延びたとも言われているし」
「実は死んでいなくて」
「そうも言われているの」
「そうなのね」
「私としては生きていて欲しいわ」
 恵梨香はこうも言いました。
「幸村さんにはね」
「その大坂の陣で死んでいなくて」
「それでね」
「そうなのね」
「けれど今はオズの国にいるから」
 木挽きの馬がこのことを言ってきました。 
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