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夢幻水滸伝

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第百八十話 プールサイドの対面その十四

「斬首になったんや」
「打ち首に」
「大名でもな」
「そうでしたか」
「ちなみに江戸時代で一人だけやった」
 唯一だったというのだ。
「大名で打ち首になったんはな」
「一人だけですか」
「二百六十四年やったが」
 その歴史はというのだ。
「たった一人やった」
「大名の打ち首は」
「ちなみに首を取られた人はおった」
「あの嫌われ者の」
「井伊直弼さんな」
「桜田門外の変ですね」
「あの時にそうなって拍手喝采やった」
 このことは歴史にある、桜田門外の変が起こった時江戸城内でも江戸市中でもその死が喜ばれたという。
「安政の大獄で無茶苦茶やったからな」
「自業自得ですね」
「ほんまな」
「あの人滋賀県でも人気ある地域とそうでない地域があるで」
 滋賀県出身の小雪が言ってきた。
「彦根では人気あるけれど」
「地元やからな」
「それでも」 
 滋賀県の他の地域ではというのだ。
「嫌いな人が多いねん」
「そんな人なんやな」
「あんまりにも酷かったから」
 その安政の大獄でしたことがだ。
「そのせいで」
「滋賀県でもやな」
「滋賀県いうても一つやないから」
「彦根だけやないか」
「そやで、そやから」
「彦根では人気あってもか」
「他の地域ではちゃうから」
 そうした事情があってというのだ、実際に井伊の下にいた者で近江その滋賀県に領地を持つ者がいたが職務での高圧的な姿勢と近江で大藩彦根藩の圧力を常に受けていて非常に呻吟していたと言われている者がいた。
「そうなんやな」
「というかあそこまでやったから」
「嫌われるか」
「幕末最大の悪役やし」
「ほんまガチの悪役になってるな」
 その安政の大獄によってそうなった。
「徳川斉昭さん蟄居にしてな」
「よおさんの人処刑したから」
「吉田松陰さんとかな」
「そうしたことしたから」
「嫌われるな」
「滋賀県でも嫌ってる人おるし」
 小雪はその滋賀県民として話した。
「彦根位ちゃうか」
「そこまで嫌われるとかえって凄いな」
「極悪人ですよ」
 尾崎はこれ以上ないまでに顔を顰めさせて言った、うどんを食べつつそう言う。
「まさに」
「自分は北陸やしな」
「橋本左内さん処刑してますから」
「その安政の大獄でな」
「あの人は処刑されることをしたか」
「してへんな」
「遠島でも厳罰でした」
 幕府の評定所も自分達でかなり重い処罰を出したと思ったのだ。
「ですが」
「それを死罪にしたな」
「そうでしたから」
「しかも幕府ってそれまで刑罰軽くしてたしな」
「はい、遠島つまり島流しとなりますと」
 評定所はその処罰を出してもだ。 
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