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オズの木挽きの馬

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第二幕その八

「だからドロシーもお外では堅苦しいものを食べないのよ」
「そういえばそうだね」
「オズマもそうだし」
 オズの国の国家元首である彼女もというのです。
「そして私もなのよ」
「お外では軽く美味しいもの」
「そうなるのよ」
 まさにというのです。
「これがね」
「そういうことなんだ」
「だからお昼はハンバーガーにしましょう、あとおでんも食べたいわね」
「おでんって」
 神宝はそのお料理の名前を聞いて言いました。
「日本のあれだね」
「中に蒟蒻とかちくわが入っているね」 
 ジョージも言います。
「それで煮たものだね」
「全部一緒に煮ていて美味しいんだよね」
 カルロスはおでんの味のお話をしました。
「それぞれにおつゆの味が滲み込んでいて」
「食べると身体が温まるわ」
 ナターシャは微笑んでこのことがいいと言いました。
「冬は特にいいわ」
「そのおでんをなの」 
 グリンダは四人にも言いました。
「食べたいの」
「旅に出たから」
「軽食を食べられるからですか」
「おでんもですか」
「そうお考えなんですね」
「そうなの、和食も食べるって言ったけれど」
 宮殿の中で、です。
「けれどね」
「やっぱり堅苦しいですか」
「そうしたものですか」
「宮殿の中では」
「どうしてもそうなるんですね」
「懐石料理とかお膳にしっかり入れたもので」
 グリンダが宮殿の中で食べる和食はです。
「やっぱり物々しいの」
「じゃあお寿司は」
 恵梨香はこのお料理をお話に出しました。
「どうですか?」
「そちらもなのよ」
「堅苦しいですか」
「寿司職人の人が握ってくれるけれど」
 それでもというのです。
「食べたいものは食べられないのよ」
「好きなネタを言ってもですね」
「そうなの」
 グリンダは恵梨香に少し寂しそうに答えました。
「これがね」
「それじゃあ」
「どうも、でしょ」
「お寿司は好きなものを食べられることがいいですが」
「それがないから」
 だからだというのです。
「そのこともね」
「残念ですか」
「私としてもね」
「そうなんですね」
「だからね」
「旅の間はですね」
「お寿司も軽くで」
 そしてというのです。
「好きなネタを食べたいわ」
「そうなんですね」
「私としてはね」
「それじゃあ召し上がられる時は」 
 そのお寿司もというのです。
「軽くですね」
「そうしたいわ」
「そうなんですね」
「ではその軽食もお外をゆっくりと歩いて見て回ることも」
 そうしたこと全てをというのです、グリンダはいつもよりも明るく朗らかな感じで恵梨香達に言いました。 
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