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オズの木挽きの馬

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第二幕その一

                第二幕  グリンダのお友達 
 一行はグリンダのお城にすぐに着きました、グリンダのお城つまり宮殿の周りに今は街があってです。
 城壁に囲まれています、恵梨香はその城壁と門を見てこんなことを言いました。
「これがお城よね」
「そうだよ、お城は街だよ」
 木挽きの馬が答えました。
「街は城壁で囲まれていてね」
「それでお城よね」
「そうだよ」
「そうなのよね、日本以外の国だと」
 恵梨香はこう言うのでした。
「お城って街なのよね」
「恵梨香は今お城は宮殿のことと考えているね」
「ええ、日本でお城は街じゃないの」
「そうだったね」
「お殿様が住む天守閣のあるお城があって」
「大阪城みたいなだね」
「ええ、あの街にあったわね」
 恵梨香はかつて自分達が行った大阪にとても近い街のお話をしました。
「立派な天守閣があってね」
「周りに堀や石垣や城壁や櫓があるね」
「そうしたお城があって」
 そしてというのです。
「周りをね」
「街が囲んでいるね」
「そして街は城壁で囲まれていないの」
「それが日本だね」
「他の国で言う宮殿がお城ね」
 日本ではそうなるというのです。
「街はお城じゃないの」
「そうだね、けれどね」
「他の国では違っていてね」
「オズの国でもだよ」
 この国でもというのです。
「街はね」
「お城ね」
「それ自体がね」
「だからグリンダさんのお城も」
「街なんだ、ここがカドリングのお城だよ」
「そうよね、ただ」
 ここで恵梨香はこうも言いました。
「ブリキの樵さんのお城は」
「ああ、あの人のお城は周りに街がないね」
「首都から少し離れた場所にあるわね」
「そうだね、けれど首都にもね」
「あの人のお城があるのね」
「宮殿がね」
 それがというのです。
「ちゃんとあるよ、そしてあのお城もね」
 全てがブリキで出来たそのお城もというのです。
「宮殿だよ」
「そうなのね」
「恵梨香の言うお城はね」
 それはといいますと。
「宮殿だね」
「日本の考え方ね」
「そういえばあの街は城壁に囲まれていないよ」
 木挽きの馬もその街について言いました。
「全くね」
「そうでしょ」
「大阪城があるけれど」
「その外にあの街があるね」
「河豚や蟹や紅白の服のおじさんの看板がある」
「あの面白い街がね」
「私達から見るとね」
 ガラスの猫も恵梨香に言ってきました。
「街がお城じゃない方が違う感じがするわ」
「そうよね、やっぱり」
「オズの国でもそうだから」
 街がお城だというのです。
「だからね」
「そうなるわね」
「私あの街最初に見ておかしな場所ねって思ったわ」
「街が城壁に囲まれていなくて」
「お城じゃないから、けれどそれが日本なのね」
「ええ、そうなの。ただ中には街を囲んでいるお城もあるの」
 日本にもというのです。 
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