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夢幻水滸伝

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第百七十九話 星達の集結その十

「スタンカさんの二日連続完封、最終戦巨人相手に甲子園で惨敗」
「あとホームランがツーベースになって引き分けな」
 羅はそばを食べつつ述べた。
「そして三十三対四」
「何でや阪神関係ないやろ」
 シェリルは無表情でこの伝説の言葉を出した。
「最早祟りレベル」
「というか祟りやったんやろ」
 施は真顔で述べた。
「あれは」
「マモノとケンタッキーのおっさん」
「この二つのな」
「ケンタッキーのおっさんは我が国のもんやが」
 トウェインがどうかという顔で言ってきた。
「怨霊になってるのは日本だけやからな」
「しかもスポーツチームに憑いてたのは」
「他にないわ」
「というか阪神はほんまネタ凄かったな」
 メルヴィルも唸る程だった。
「世界に他にあんなスポーツチームないらしいな」
「そらないわ」
 シェリルはこうも述べた。
「あんな強烈なネタチームは」
「そやろな」
「今は毎年日本一やけど」
 そうなっていてもというのだ。
「かつての阪神はほんまに凄かった」
「それでいて華がある」
 リーは阪神のこのポイントをしてきした、そうしつつお握りを食べてその中の梅干しの酸いも味わっている。
「勝っても負けても何があっても」
「あれも阪神だけ」
「世界には多くのスポーツチームがあるけどな」
 それこそ数えきれないまでにだ。
「阪神位や」
「あそこまでネタになって華があるチームは」
「他にない」
「ヘッセも言うてたな」
 芥川は彼の名前をここで出した。
「阪神みたいなチーム絶対に他にはないと」
「まずないな」
 リーは芥川に強い声で答えた。
「ああしたチームは」
「やっぱりそうか」
「他のどの国にもな」
「スポーツのジャンルに関わらずやな」
「華があるだけでなくだ」
「ネタの提供もな」
「ちゃう」
 他のスポーツチームとは、というのだ。
「まことにな」
「あのユノフォームと旗と球場もええし」
 シェリルはこうしたものを挙げた。
「何かとええチームやで」
「あのユニフォームも絵になるな」
「ほんまに」
「恰好いいというか華があるんですよね」
 李は味噌ラーメンを食べつつ言った、その上にはキムチをどっさりと入れて混ぜたうえで食べている。
「阪神のユニフォームは」
「そやな」
 中里は李のその言葉に笑顔で頷いた。
「実際に」
「それに対して巨人のユニフォームは」
 阪神のそれに対してというのだ、全世界の邪悪を具現化したかの如き禍々しさに満ちたこのチームのそれは。
「北韓の人民軍とやらの軍服みたいな」
「ああ、北朝鮮な」
「我が国ではあそこをこう呼ぶんで」
「そやったな」
「北半分を不当に占拠している集団です」 
 これが韓国側の主張だ、尚北朝鮮は北朝鮮で韓国を南半分を不当に占拠していると言って南朝鮮と呼んでいる。
「あくまで」
「まあこの学園北朝鮮の人だけはおらんしな」
「そうですね」
「全世界から来ていてもな」
 それでもとだ、中里は李に話した。 
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