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友達と一緒に

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第一章

               友達と一緒に 
 岸田大輔はこの時自分がいる街を歩いていた、コンビニにお菓子を買いに行ってその帰りだった。その時に。
 一緒にいた友人が彼に言ってきた。
「おい、あそこ見ろよ」
「どうしたんだ?」
「何かいるぜ」 
 友人は大輔に言った、それで大輔もそこを見ると。
 そこには耳と脚の先が茶色い白の子猫がいた、頭の天辺の毛がなくなっていて痩せていて毛は汚れている。歩いているがその動きは。
 右の前足のそれが悪い、大輔はそれを見て言った。
「足が悪いみたいだな」
「そうみたいだな」
 友人、浜尾徳治もその猫を見て言った、ダークブラウンの髪の毛を分けた大輔とは違い黒髪をスポーツ刈りにしている。大輔の目は大きいが彼のそれは小さい。だが背は二人共一七三位でスタイルもすらりとしている。大輔の職業は公務員で徳治は球場職員である。二人は高校からの友人なのである。
「あの子は」
「首輪をしていないのを見ると野良か」 
 大輔は猫の首を見てこうも言った。
「だったらな」
「保護しないと駄目か」
「脚が悪いなら野良だと生きられないな、というか」
 大輔は猫を見つつ言った。
「よくあそこまで生きていたな」
「子猫みたいだけれど結構な大きさだしな」
「六ヶ月位か、じゃあな」
「保護するか」
「今からな」
 大輔は迷わなかった、すぐにだった。
 猫のところに向かった、そして猫に声をかけた。
「俺と一緒に来るか?」
「ニャア~~~・・・・・・」
 逃げない、だが弱々しい声と表情で応えてきた。大輔はその猫にさらに言った。
「よかったらいい人紹介するよ」
「ニャア・・・・・・」
 猫は近寄りかけた、だがここで。
 猫がもう一匹出て来た、その猫はダークグレーの毛のトラ猫だった。その猫が足の悪い猫を見て心配そうに出て来た。
 大輔の傍に来ていた徳治はその猫を見て言った。
「兄弟か?」
「いや、毛の色が全然違うし野良だと親兄弟にも足が悪いと見捨てられるし」
 大輔は徳治に話した、屈んで猫の前にいる。
「この子は友達だろうな」
「友達か」
「ずっと足の悪い子を助けてきたんだろうな」
「そうなんだな」
「この子も保護するか」
 大輔はトラ猫も見つつ言った。
「そうするか」
「それで二匹共助けるんだな」
「そうしよう、ただ俺はな」
「お前のところもう猫何匹もいて犬もいるからな」
「流石にこれ以上は飼えないからな」
「さっきいい人紹介するって言ってたな」
「ボランティアのつてでな」
 野良犬や野良猫を保護するそれである。
「それでな」
「そうした人知ってるんだな」
「ああ、じゃあこの子達は保護して」
 そしてというのだ。
「まずは獣医さんに診せて」
「病気がないか確認してな」
「それでな」
「紹介するか」
「そうするな」
 こう言ってだった、大輔は猫達を保護した。足の悪い猫は足が悪いだけにすぐに保護出来た。トラ猫も身体が弱っていたのか動きが鈍くすぐに保護出来た。そして。 
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