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剣の世界の銃使い

作者:疾輝
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天災と飛将軍

 
前書き
毎回、副題が思いつかなくて苦しんでます・・・
同じ単語かぶる時とか多いですし、はぁ、センスが欲しい・・・
今回はレナ視点で書かれてます。
では、どうぞ! 

 
「せっかく私が気を利かせて二人の時間にしてあげようと、今日は行かないようにしてたのに・・・」

私は一人ぶつくさ言いながらも、先輩たちのホームに向かっています。珍しいことにシリカの方から私にメッセージが届き、聞きたいことがあるからホームの方に来てくれないか、との事だったのですけど・・・。一体なんなんでしょうか?

「というか、今日一日店を臨時休業にさせただけの代価は貰わないと、気が済みません」

大切な予定こそなかったものの、今から出向いていては、店を何時も通りの時間には開けられませんし・・・まったく、今日は嫌というほど居座ってやることにします。
そう決意して、先輩のホームの戸を開けると、意外な光景が広がっていた。

「わー、何なんですか一体。ボス攻略でも行くんですか?だったら私よりも・・・」

中にいたのは、シリカとアスナ、キリトさんにあと一人知らない男の人。KOBの制服を着ているから、攻略組には違いないんだろうけど・・・。
と、ここに居ないはずがない人がいないことに気づく。

「あれ、先輩は?」

キッチンの方にでも行っているのだろうかとも思ったが、皆の表情が暗くなるのを見て違うと判断する。

「ここに・・・」

シリカがさした方を見ると、ソファの上に先輩が横たえられていた。
えと、全く状況が読めないんですけど・・・。

「ついさっきの事なんだけど、レイト君が急に倒れたのよ」

「は?先輩が?」

「ああ、フィールドに出ている時に倒れて、原因が分からないからここまで運んだんだ」

「ただ単に睡眠不足とか、ナーヴギアの調子が原因とかではないんですね?」

「それはないと思う。倒れる前に悲鳴あげてたから・・・」

「それで、ここにいる人ではお手上げだから、私が呼ばれたってことでいいんですか?」

確かに、シリカ以外では先輩と付き合いが長いのは私でしょうけど・・・。
流石に予想外でしたね、この展開は。

「で、倒れる直前に何かきっかけとかなかったんですか?」

「レイトは、ちょっと諍いがあって直前まで無力化したオレンジプレイヤーと話してた」

何がどうなったらオレンジとのんびり話していられるのか分かりませんけど、まあそこは置いておきましょう。今は関係ないですしね。

「それがさ、レイトはラフィン・コフィンの名を聞いたら、おかしくなったみたいでな」

っ!?ラフィン・コフィン!
大筋は読めましたけど、あと一個ピースが足りない・・・。もしかして・・・。

「その諍いって、PK絡みでしたか?」

「ん、ああ。KOBの奴らが殺された」

なるほど、分かりました。
確かに先輩なら、いえ、私でもそうなりますね。

「分かりました。先輩がどうして倒れたか」

「何なんですか、レナさん!」

「きっかけは、ラフィン・コフィンに2人が殺された。ってところです」

これを聞いても、誰も理解はできませんよね。シリカだけが、何か引っ掛かりを見つけたようですけど、まだ回答にはたどり着けてないみたいですし。

「なあ、レイトって、ラフィン・コフィンとしがらみがあったのか?」

「ええ、まあ。先輩が倒れたのは、過去のトラウマですね」

「トラウマ・・・?レイトさん、過去に何かあったんですか?」

いえ、シリカならもう答えは知ってるはずです。私に聞くまでもなく。

「一つ質問いいかな?なんで、君は殺されたのが2人だと知っているの?」

「あ、そういえば。そんなこと言ってなかったよね」

「疑うまでもなく、先輩がやられたのは、そこなんですから」

これが1人、もしくは3人以上だったら、先輩は倒れるまではいかなかったんですよ。
なんで倒れたか?そんなの決まってるんです。

「シリカちゃんもヒドイですねぇ。これを私に聞くなんて」

「え?どういうことですか!」

今でさえ、私はまだ立ち直れてはいないっていうのに。

「私も、藍椿だったんですよ?」

「っ!もしかして!?」

やっと答えが分かりましたか。さて、ほかの人は全く分からないでしょうから、答え合わせと行きましょうか。

「少し長くなりますね。過去に私と先輩はとあるパーティに入っていました」

「過去形ってことは今はもう・・・」

「はい。まあ、私と先輩を入れても4人しかいない小規模パーティでした。活動目標はギルドに負けないパーティを作るというものでした。そのパーティの名前は藍椿」

「あ、藍椿ってあの?」

「どの藍椿かは知りませんけど、ボス戦を勝手に攻略し、アイテムをばら撒いて市場を滅茶苦茶にし、軍に喧嘩を売ったこともある藍椿です」

皆がそれぞれの表情で納得していた。みんな別々に思うところがあるのでしょうけど。意外と皆さんが知っていたのは驚きでしたけど、まあ色々やりましたしねぇ。

「本当にあったんだな・・・」

「正直迷信ものだと思ってたんだけどねー、まあレイトなら納得もできるけど」

「話が若干ずれますけど、私と先輩が未だにどこのギルドにも入ってないのは、藍椿の影響が強いせいですね」

ギルドに負けないパーティ、つまりギルドに入ってはそれは達成できない。実際出来たのかどうかは今になってはもう確認しようがありませんけど、多分攻略ギルドにすら負けず劣らずのパーティだったと思います。

「というと、レイトが《天災》か?」

「おや?その名前をご存知で?」

《天災》は藍椿だけでの話でしたけど、外にも広まってるんですかね?それが良い悪いって訳ではないんですけど。

「キリト君、天災って?」

「ああ、藍椿自体の信憑性も薄かったけど、その中の構成員の一人にそう呼ばれているリーダー格の人がいたって噂を聞いたことがあってな。あとは、飛将軍とかって人も」

「へぇ、私は全く聞いたことないけど・・・」

「あー、飛将軍なら俺も聞いたことあるよ。藍椿のメンバーだってことは知らなかったけどね」

「残念ながら、どちらも先輩ではないですね。天災はリーダーだったラウ姉ですし、飛将軍はリオンさんの方ですし。先輩はあの頃から臆病な殺戮者でしたね」

俺一人じゃ、流石に1000人は相手にできねぇぞ?とはリオンさんは言ってましたけど。確かに、天下無双の二つ名を持ってるだけの実力はありましたね。その後に、藍椿なら分かんねぇけどな、と付け加えて、危うくラウ姉をその気にさせるところでした。

「でも、アスナはリオンさんには会ってると思いますよ?」

「え?そうなの!?」

「56層の時だよね?フィールドボスを狩ろうとしてた攻略組を一人で止めた人、だよな?」

そんなこともありましたね、あの時はリオンさんいなくて3人で狩るのは辛かったんですから。

「あ、もしかして、あの鎌使ってた人のこと?」

「ええ、リオンさんの主武器は鎌でしたし」

「あいつ自身とは俺は戦ってないけど、攻略組の1パーティ相手に勝ってたしなぁ」

うわぁ、それは初めて聞きましたけど、流石としか言い様がないです。同じ藍椿でも、私では無理ですね。ちなみにですけど、私はヒーラー、なんて呼ばれてたりしました。

「それで、その藍椿と今日のことと、何の関係があるの?」

あらら、結構話がそれてましたね、そろそろ戻しますか。
はぁ、それにしてもこれは思い出したくもないんですけどね・・・。
こんな役押し付けてくれるなんて、先輩もヒドイですね、ほんと。

「まあ、私たちは色々やりました。それはとても楽しい日々ではあったんですけど、楽しい時って簡単に過ぎていっちゃうんですよ。ある時、藍椿は突然終わりを迎えました」

「え、それって・・・」

「私たち以外の2人が死んでしまって。それで、藍椿は事実上解散しちゃったんですよ」

思い出したくもないことを無理やり話しているせいで、先程からめまいがしている。
なるべく軽く、今日の天気を語るくらいの軽さで。深刻だと受け取られないように。

「その死因が・・・」

その時、横合いからいきなり声がかかる。

「MPKだったからだ」

まったく、遅いんですよ・・・  
 

 
後書き
疾輝「おー、お早い復活で」

レイト「ま、そう長く倒れてんのでは主人公としてもなぁ」

疾輝「だね。次回でこの話終われるかな・・・」

レイト「そこはお前の文才次第だろ」

疾輝「できるだけ頑張るさ」

二人「「これからもよろしくお願いしまーす!!」」 
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