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レーヴァティン

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第百八十話 トランシルバニアへその七

「ああしてね」
「一人だけ太ってな」
「他の皆は餓えているよ」
「つくづく冗談みたいな国だな」
「本当にそうだね」
「っていうかあの国階級もあるしな」
「生まれに拠ってね」
 剛は久志にこのことも話した。
「そうだよ」
「共産主義じゃないよな」
「世襲の国家元首は共産主義にはないよ」
「そもそもそうだしな」
「あそこは封建国家だから」
 共産主義どころかというのだ。
「あの国は」
「どう見てもそうだよな」
「そんな国だから」
 それでというのだ。
「共産主義でもないし普通はね」
「すぐに潰れる国だな」
「まあ色々やって続いているけれどね」
「体制の維持だけ考えてな」
「うん、けれど本当にね」
「あそこまで極端だとな」
「普通の国は潰れるしね」
「民が貧しくて暮らしていけないとかどんどん飢え死にするとかな」
 そうした国はというのだ。
「国力も落ちていってな」
「多くの人が出来るだけ豊かにならないとね」
「富める者だけが富めるってな」
「これかえってよくないからね」
「だからだな」
「本当に民も豊かにならないと」
「国はな」
 それこそとだ、久志は剛に話した。
「豊かにならないからな」
「だから僕達もね」
「ああ、民もな」 
 その彼等もというのだ。
「豊かになってもらわないとな」
「お茶やコーヒー、てんさいもね」
「作らせる中でな、まあ俺自身はな」
 久志は自分のことも話した。
「別にな」
「贅沢にはだね」
「特に興味ないしな」
「ルイ十四世とか秦の始皇帝みたいな」
「食いものは美味いのが好きだよ」
 これはというのだ。
「けれどそんな酒池肉林とかな」
「ただ沢山飲んで食べてね」
「そうしたらよくてな」
「ご馳走とか興味ないね」
「山海の珍味を集めていつも腕によりをかけたご馳走に囲まれるとか」
 そうしたことはとだ、久志は剛にさらに話した。
「俺はな」
「興味がなくて」
「それでな」
 そうした考えでというのだ。
「贅沢はな」
「権力者みたいなね」
「ないな、というか宮殿とかな」
 特に権力者の病と言われる建築のことを話した。
「そんなにいいのかよ」
「古今東西皇帝とか王様が築かせるね」
「とんでもない金と人手使ってな」
「始皇帝の阿房宮とかね」
「ルイ十四世だってな」
「さっきお話に出したね」
「ベルサイユ宮殿建てたな」
「無茶苦茶な人手とお金使ってね」
 剛もこう言った。 
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