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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十五話 詩織さんの決断その三

「やっていくとね」
「いいのね」
「うん、じゃあ正岡君とね」
「これからは」
「幸せになってね」
「そうなる様に努力するわね」
「幸せになるには」 
 僕は詩織さんにこうも話した。
「努力しないとね」
「そうよね、努力しないと」
「幸せといっても色々だけれど」
 その人それぞれだ、地位だったり友情だったり富だったり恋愛だったり食事だったり家庭だったり成績だったりだ。本当に幸せの種類は色々だ。
 それでもだ、それを適える為にはだ。
「それを手に入れる為には」
「努力ね」
「それをしてこそね」
「そうよね」
「だから」
 それでだ。
「頑張ってね」
「そうしていくわね」
「幸せの為にね」
「私の、そして」
「うん、彼の為にも」
 正岡君のだ、あんな大きな人こそ幸せになるべきだとも思う。
「宜しくね」
「そうしていくわね」
「じゃあ僕はね」
「香織とよね」
「クリスマス行って来るよ」
「義和も頑張るのね」
「そうしてくるよ」
 詩織さんに微笑んで答えた。
「僕自身もそうだから」
「幸せは努力して手に入れるもの」
「だからね」
「努力するのね」
「そうしてくるよ」
「じゃあ義和も頑張ってね」
「そう言ってくれるんだ」
「だって私に言ってくれたから」
 微笑んで話してくれた。
「だからね」
「そうしてくれるんだ」
「ええ、じゃあね」
「うん、お互いにね」
「幸せになりましょう」
 僕達はこう言って別れた、勿論それぞれのお茶は飲んだ。そしてだった。
 僕が八条荘への帰り道を歩いているとだった、そこに香織さんが来た。帰っていると僕に後ろから声をかけてきた。
「今から?」
「うん、帰るけれど」
「そうなの、じゃあね」
「一緒にだね」
「帰る?」
「じゃあね」
 僕は笑顔で応えた。
「そうしようね」
「それじゃあね」
 こう話してそうしてだった。
 僕達は一緒に帰った、そこでだった。
 香織さんは僕の横からこう言った。
「ひょっとしてね」
「ひょっとして?」
「決めたの?」
 こう言ってきた。
「私達のこと」
「うん」
 僕は香織さんにすぐに答えた。
「さっきね」
「何か目を見たらね」
「わかったんだ」
「決めた、もう迷いがないっていうね」
「そうした目だから」
「それでね」
 その目を見てというのだ。 
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