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夢幻水滸伝

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第百七十二話 プールに行ってその二

「この度は」
「ええと思うで」
 綾乃は寝た世界でそうしている様に即答で返した。
「うちとしては」
「では」
「早速皆に連絡して」
「そうしてですね」
「一緒に遊ぼうな」
「ではその様に」
「自分が遊びを言うとかな」
 中里は綾乃と話した太宰に少し意外といった顔で言った。
「ちょっとな」
「いえ、催しといいますか」
「そうした感じか」
「それもまた遊びですね」
「オリエンテーションとかか」
「林間学校や臨海学校も」
「それで修学旅行もかいな」
 中里は学校の催しを出して話した。
「そういうのはかいな」
「人生の勉強になりますし」
「親睦を深めることにもやな」
「なりますので」
「自分もしてええと思ってるんやな」
「左様です、あと私は遊びは否定しません」
 太宰は中里に自分からこのことを述べた。
「趣味や息抜きも人には必要です」
「そやからか」
「はい、よく遊びよく学ぶがです」
「ええことやな」
「人は」
「そうやねんな」
「よく田辺さん達に注意していますが」
 太宰はこのことも自分から話した。
「あのことはです」
「あの四人がさぼって怠けてるからやな」
「やるべき時はやる」
「そうせなあかんか」
「ですから」
 それでというのだ。
「私も注意しているのです」
「そういうことやな」
「そして遊ぶべき時は」
「遊ぶべきやな」
「遊びもまた人生の勉強です」
 太宰はこのことは微笑んで話した。
「旅行やゲームから学べることも多いですね」
「それはな」
「私はギャンブルの類は全くしませんが」 
 太宰はこうした遊びはしない、他人がすることは止めないがあちらの世界では法で闇の賭博場を禁止し博打で破産する者が出ない様に処置も取っている。
「しかしです」
「遊び自体はか」
「否定しません」
「それでやな」
「是非です」
「今度の休みにでもか」
「統一された諸勢力の星の方々が一同に集い」
 そのうえでというのだ。
「遊び親睦を深めましょう」
「ほなな」
「丁度八条プールが学生割引のうえです」
 神戸にあるこのプールは普段から学生は割引にしている。
「食べものや飲みものが半額です」
「開園三十年記念やったか」
「はい、それで半額になっていますし」
「それでかいな」
「あちらで遊ぶというのはどうでしょうか」
「プールな、僕はええけどな」
 中里は太宰のその言葉にまずは考える顔になったそうしてどうかという口調で彼にこうも言ったのだった。
「水着になるな」
「そのことですね」
「女の子はどやろな」
「自由参加ということで」
 太宰はこう返した。 
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