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おぢばにおかえり

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第六十一話 食べてもらってその九

「三年の子達も後輩の子達も奥華の人達も」
「皆言うでしょ」
「私が鈍感だって」
「何について鈍感かもわかってないわね」
「何についてか」
 本当にです。
「わからないわ」
「それでそう言うのがね」
「駄目っていうのね」
「何もわかっていないことが」
 このこと自体がというのです。
「千里がまだまだっていうことよ」
「そうなのね」
「そう、それがわかった時に」
「その時に?」
「千里はきっと素晴らしいお引き寄せに気付くわよ」
「そうなの」
「というか阿波野君も」
 ここで阿波野君にも言うのでした。
「積極的にいっていいかもね」
「ははは、それもいいな」
 お父さんも阿波野君に言います、それも笑いながら。
「この場合はな」
「どうも僕とても」
 阿波野君はこう言いました。
「そうしたことは」
「無理なのね」
「そうなのか」
「はい、ですから」
 それでとお母さんにもお父さんにも言いました。
「ゆっくりと」
「まあ阿波野君が大学卒業して」
「その時でいいな」
「その時まで一緒にいてくれたら」
「宜しくな」
「そうさせてもらえるなら」
 私を見て言うのでした。
「先輩もそれでいいですか?」
「何が?というか阿波野君が大学を卒業するって」
 それだけの歳月はです、阿波野君は今度高校二年生になるので最低でも六年はたっぷりとあります。 
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