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俺、ヤンデレ神に殺されたようです!?

作者:鉛筆削り
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第2話 入学前

 転生してから16年経った。16年間の中身は・・・・・まあ全部話すと俺がおじいちゃんになっちまうくらい濃密なものとなった。
 転生先の家庭では、平和な家族団欒がなど無かった。まず! 産まれて物心ついた時、1番最初に触ったのが刀だ。前世では絶対にありえん。
 家も家じゃなくて原子力潜水艦。俺が何故か道端で捨てられていて、拾ってくださったのがシャーロックホームズとかいう人だし。
 てかあんた何でまだ生きてんの?

 ということでゼウス様(ロリ)に聞いたところ、

『ああ、瑠瑠神と戦うには強くならないとね。だから瑠瑠神と関わるルートと、強くなるためのルートを合わせたところ、この世界でも上位の強さを持つシャーロックにたどり着いたの! 』

 らしい……おい、たどり着いたの! じゃねえよ。なんでこの世界普通に銃とか刀とか触れるんだよ!
 よく見たら人外もいるじゃねえか!

 そのほかにも色々聞いたところ……どうやら悪いニュースが1つと良いニュースが3つあるらしい。

『おいロリ様、俺は嫌いな食べ物は先に食べる派なんだ。悪いニュースから聞かせろください』

『敬語使うならはっきり使ってよ! あとロリ様やめろ! まったく……悪いニュースは正直私のミスだ。君は不幸が続く』

『はい? なんのミスをしたんだ? てかロリ様でもミスするんだな』

 ニヤニヤしてると、体を突き抜けるような電流が流れた。なぜ⁉︎

『あなたが転生するためにくぐった扉に……瑠瑠神が呪いの念を含む光を放ったのよ。私はその光を止めることはできなかった。だから君には不幸の呪いが背中にまとわりついているわ』

『おいロリ、もともと幸福度がマイナスの方に傾いてるのに悪化させてどうすんだよ! 』

『だから、これからは良いニュース。私から3つプレゼントがあるわ』

『……言っておくが、私がプレゼント‼︎ とか言っても受け取らないからな?ロリコンじゃないし』

 ​──痛ッ‼︎ また電気流しやがったな? しかも威力上げてやがる‼︎あのロリめ、覚えておけ!

『てかなんで俺にプレゼントなんて……あ、ミスしたからお詫び的なね』

『そうよ、1つはあなたに刀をあげるわ。この私がじきじきに作ってあげた対瑠瑠神用の刀よ。』

 どうやって受け取るの? なんて思ったが、腰あたりが急に重くなったので見ると……いつの間にか刀がぶら下がっていた。
 鞘は全体的に雪のように真っ白に染まっている。刃のほうは灰色に若干白色が混ざっていて……あれ? この刀どこかで見たことあるような……

『それはあなたが1回目の人生でハマっていたとある作品を元にしているんだ。名は氷刃【雪月花】。意味はちゃんとあるの』

『おいそれはダメだろ! 怒られるぞ! てか元にしたってそれ完全にだよな! 』

『大丈夫! 氷属性持ってないから! それと、2つ目の良いニュースは、あなたに能力をあげるわ』

 能力か……全国の男子と女子の憧れだな。一度はそういう系の能力に目覚めてとか色々と妄想したものだ……おっと、黒歴史は封印しておかねば。
 さて、なんの能力かな? やっぱり炎とかか? いやでもこのロリのことだから……

『まさかその能力って氷属性とか言うんじゃないだろうな? 』

『え……あ……えと……………えへ?』

『お前マジで単純だな! ……瑠瑠神は氷が苦手なのか? 』

『そんなことないわ。ただ、これからあなたが出会う強敵達にやられないようによ』

 おお。でも、こいつのことだからきっと自分も欲しかったとか思ってそうだな。

『それは建前で、本音は? 』

『氷属性カッコいいからだよ!私も氷属性欲しいよ!』

『お前のオモチャじゃねえぞ俺は』

 予想的中だ。なんだこのロリ。自分勝手すぎだろ! 少し可愛いからって調子に乗りやがって。
 いつか能力使って氷漬けにしてやる!

『3つ目、君が私との別れ際に言ってくれた言葉が嬉しかったから身体能力を1.5倍にしといたわ』

 おお!なんだ俺の身体能力が1.5倍に! ……ってあんま変わんねえじゃねえか!

『おいツンデレロリ! 100倍とかじゃないのかよ⁉︎ 』

『私のことをロリって言った罰よ。ま、君ならできるさ。天界から応援しとくよ。』

『ちょ! 待っ……うわ、切断しやがったあのロリめ』

 ともかく、対瑠瑠神用の刀と氷属性と死ぬ前の身体能力の1.5倍をもらったんだ! 前の世界では結構運動神経よかったし、これはこれでオッケーとするか。


☆☆☆


 ツンデレロリことゼウス様に武器と能力をもらって10年経った頃俺はあの能力や武器など一切使わず、学問に励み……なんていうことはできるはずもなかった。

 シャーロックに銃の使い方、剣術、体術、能力の使用など色々な事を教えられ……
 10歳の頃に、紛争地域にいる武装勢力を制圧してこいとか言われたり、どこかの国の王室に潜入してこいなどと野蛮で、非道なことをしていた。

 日本人の心が痛むぜ!
 幸い、俺には才能というものが……少しだけあったから頑張って成し遂げた。人間、やれば出来るもんだな。

 そして……俺に友達なんていなかった。これもシャーロック他のメンバーに会わせてくれなかったからだ。俺が9歳の頃に、「他のみんなに会いたい! 」 といったところ、「これから面白いことがおきるんだ。だから武偵校に入学するまで我慢してね」

 なんて言われたから。だけどまあ……いいよもう。ゼウス様いるし……。


☆☆☆


 ──15歳になったと同時に、伊・U という俺がいた組織(?)から卒業し、東京武偵高校という高校に進学した。そこは、南北2km、東西500mの人口浮島にあり、武偵を育成する総合教育機関。
 武偵とは、武偵法というものを犯さない限り金さえあれば何でもするという、いわば【何でも屋】。

 本当に何でもするのだ。
 一般教育の他に武偵の活動に関わる専門科目を履修する。また、校則により校内での拳銃・刀剣の携帯が義務付けられており、制服は防弾制服を必ず着用、という前にいた世界では考えられない学校だ。銃刀法違反なんて通用しないし。そこで俺は、明日無き学科、と言われる一番殉職率が高い強襲科を受けた。結果は……Sランク。特殊部隊一個中隊と同等の戦力らしい。シャーロックに鍛えられたおかげだ。

 俺は色んな先輩たちにお世話になり、友達もたくさんできた。
 特に、遠山キンジ、不知火亮、武藤剛気 とは仲が良い。このメンバーで任務をすることが多かったな。
 1年間、銀行強盗を制圧したり、麻薬取引しているところを強襲したりと平和な(?)日々を過ごした。
 キンジは特殊体質があるらしく、それを発見したときは目が飛び出しそうになった。割と本気で。


☆☆☆


 そして現在に戻る。朝の6時30分、目覚ましがなくとも起きられるようになったね。革命だ! とりあえず顔を洗い、着替えを済ませ……アニメを見る。深夜帯のアニメ見れないからね! 録画したのを朝早く見るのが日課となっている。素晴らしきかな。それから7時ちょいすぎたあたりで、ピンポーン、とチャイムがなった。その人物はおそらく……

「やあ白雪さん、おはよう」

「お、おはよう朝陽くん! キンちゃんは? 」

「あいつならまだ寝てるよ。起こしとくから先にあがってて」

「ありがとう! 」

 満面の笑みで玄関に入るのは……星伽白雪、キンジの幼馴染だ。可愛くて、頭が良くて、料理もできる。黒髪ロングの大和撫子って感じだ。キンジにこんな素晴らしい幼馴染なんてもったいないけどな。
 とりあえずキンジを起こすため寝室に行くと、幸せそうな顔をして眠っている。
 妙にイラっときたし、一発重いの食らわせるか……

「さーん、にー、いーち……起きろおおおおおお‼︎ 」

 キンジの腹めがけて拳を振り下ろす。
 鈍い音と共に、一瞬にして苦しそうな顔になり、

「痛っ⁉︎ゴホッ! ゴホッ! お前朝から何してんだよ! 」

「白雪さんがまた朝ごはん作ってくれてるんだ! いい加減起きろ! 」

「だからって拳で起こすのは違うだろ⁉︎ 」

 と、いつもの会話をしながらリビングに行き、白雪さん特製の和食を食べる。
 白雪さんの作る飯は毎日食べても飽きないし、むしろ毎日食べたい。

 白雪さんは……キンジの方を見て、美味しい? なんて聞いている。キンジは眠たそうにしながらも、

「美味しいよ。いつもありがとう。」

 なんて言っちゃってる。クソッ! リア充爆ぜろ! イチャイチャ空気作りやがって‼︎

「白雪さんいつもありがとね! これじゃキンジの通い妻みたいだな」

 なんて言ってみると……白雪さんは一気に赤面し、わたわたと自分の箸を落としてしまう。

「な、ななな! 朝陽くん! そんな……通い妻なんて……キンちゃんはどう思う? 」

 ハハハハハ! どうだキンジ! 返答に困るだろう! 俺からの精一杯の嫌がらせだ! キンジに怒りマークが2,3個出来たが、構わない!

 そのあとは白雪さんがミカンをくれた。これも美味しい。美味しすぎて涙が出そうだよ! キンジもお礼を言っているのだが……

 白雪さんが立ち上がる際に胸元が見えてしまった! しかも黒のブラジャーだと⁉︎ 高校生はダメだろそれ‼︎
 俺もキンジも赤面してしまったが……目の保養になった。ゲスい? 知らないなそんな言葉‼︎

「キンちゃん、先行ってるね! 遅刻しないでね! 」

「分かってるよ。気をつけてなー! 」

 などと平和な会話をして、白雪さんは一足先に学校に向かった。
 
 ──このとき、白雪さんの言葉をしっかり覚えていれば、あのピンクツインテと会って、人生が大変なことになることもなかったのに。


☆☆☆


「あああああああああああああ‼︎ 今‼︎ 私のことを思ってくれた‼︎ 朝陽が私のことを‼︎
 待っててね‼︎ こんな部屋、すぐ壊して朝陽のところまで行くからね‼︎
 そしたら朝陽を私の世界に招待してあげる‼︎手を私の金属の糸で縫い合わせるの‼︎ そうすればもう一生離れない‼︎
 ずっと一緒‼︎ ずっと一緒‼︎ あああああああ会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい‼︎ アイシテルノ‼︎ もう何もかもいらない‼︎ 朝陽さえいれば私はいいの‼︎待っててね‼︎ 朝陽‼︎ 」

 その日、とあるアメリカの研究所が火の海につつまれた……。
 
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