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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その四十七

「その分戦える」
「そのことを徹底して考慮している」
「それが連合軍ですね」
「無駄死にもさせない」
「そうした思想も見えますね」
「そのことは参考にしていく」
 これからのオムダーマン軍はというのだ。
「艦艇、陸上兵器も水上艦艇もな」
「あらゆる兵器で、ですか」
「そうしたことをしていきますか」
「そのうえで将兵の生存を高めていきますか」
「それを」
「そうしていこうと考えている、これまでのサハラはだ」
 この地域全体はというのだ。
「どうしてもだ」
「速度のことは考えていて、です」
「攻撃力は高くしていましたが」
「防御力は連合程ではなく」
 それもかなりだ、これは連合の軍隊が各国の軍隊に分かれていた時からだ。もっとも連合はこの時から速度よりも他の能力特にダメージコントロールに重点を置いた設計思想だった。そうして将兵が死なない様にしていたのだ。
「生存能力もですね」
「低かったですね」
「それもかなり」
「我々は軽騎兵だ」
 サハラの艦艇はというのだ。
「俊敏で戦場を動き回れるが」
「防御力は弱く」
「一旦攻撃を受けると脆い」
「そうした状況でしたね」
「戦死者が多いのも道理だ」
 連合と比べるとだ。
「しかし戦死者はな」
「やはり出すべきではないですね」
「将兵には限りがあります」
「人間には」
「この世に無限のものなぞない」
 また言い切ったアッディーンだった。
「あらゆる資源が。そしてだ」
「人間、人材資源もですね」
「限りがありますね」
「幾らでもあるものではない」
「だからですね」
「スターリンの様な戦い方は駄目だ」
 アッディーンはその具体例を挙げた。
「ああするとな」
「例え戦争に勝ちましても」
「それでもですね」
「後で国家に影響が出ますね」
「それも深刻なまでに」
「実際にソ連は後で恐ろしいことになった」
 成人男性の数が極端に少なかった、それで産業等に極めて深刻な影響が出て喧伝通りの復興なぞ出来なかったのだ。
「あの戦争で事実上国が滅んだとも言われている」
「そこまででしたね」
「多くの人材を失ったので」
「それで、ですね」
「ああしたことをしてはならない」
「消耗戦は」
「それをまた言う、とかくだ」
 採る場合も有り得る、だがというのだ。
「出来るだけだ」
「採るものではないですね」
「ましてやスターリンの様な戦い方は」
「断じてするものではないですね」
「ナポレオンにしてもだ」
 この英雄の戦い方もというのだ。
「犠牲を厭わない戦術だったな」
「流石にスターリン程でないにしても」
「確かに犠牲を厭いませんでしたね」
「多くの将兵を失ってきています」
「それまでの戦いの中で」
「それがフランスに影響を及ぼしましたね」
「働き手不足を引き起こしたからな」 
 徴兵で戦場に出た者が多く死ぬ、それでは当然のことだ。フランスはこの他にも軍馬の消耗で深刻な馬不足にもなった。 
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