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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第15話『交わした約束は忘れない』

「あなたに何が解るっていうの!まどかに助けられて、まどかのために今まで戦ってきた私の何が!」
晴人達が作戦会議をしていた頃、ほむらと雅は互いの意見で衝突しあっていた。
「あなたには絶対に解るわけがない。私の中の、まどかのためだけの、私の思いは…」
ほむらは時間を巻き戻していた日々を回想する。

─私は元々病弱で、入院と退院を繰り返していた。ある日、私の入院期間は終わり、見滝原に引っ越して新しい生活が始まった。
「今日は皆さんに転校生をご紹介します。暁美さん、入ってきて。」
私は先生に言われて教室に入る。先生は黒板に私の名前を書き、
「明美さん、皆さんに自己紹介を。」
笑顔で私に言う。
「暁美ほむらです。よろしくお願いします…」
自分に自身の無かった私は、最後は尻すぼみになるような自己紹介をした。
「明美さんは体が弱いので、皆さん無理はさせないでくださいね。それから、保健委員の鹿目さん、暁美さんに保健室の場所を教えてあげてね。それじゃ、今日のホームルームはこれで終わりね。」
先生は出て行き、まどかは私に近づく。
「初めまして、私は鹿目まどか、まどかって呼んでね。それで、ほむらちゃんって呼んでもいいかな?」
まどかは優しく私に話しかけて、笑顔を見せてくれた。
「はい、大丈夫です…」
「それじゃあ、保健室の場所を教えるね!」
まどかは私の手を引いて保健室に案内しようとする。私は、突然のことで手を引っ込めてしまい、まどかはキョトンとしたが、すぐに納得して歩きはじめ、私はそれに着いて行った。
「ほむらちゃんって、とってもカッコいい名前だよね!」
保健室に向かう途中でまどかはふと、そんなことを言った。
「そんなこと、ないです。女の子なのに、ヘンな名前で…」
「そんなこと無いよ。なんかこう、もえあがれ~!って感じでカッコいいよ!だからさ、ほむらちゃんもカッコよく変わっちゃおうよ!」
実際に可笑しな名前だと思っていた私の名前を、まどかは受け入れるどころか、私にアドバイスをしてくれた。だけど、当時の私はそれに怯えていた。そして、放課後になり、帰宅途中の道で、私は初めて魔女に出会った。
「何…あれ…」
怯える私は、ここで終わりなのか、こんな面白みの無い自分には相応しい最後だと思っていた。その時、魔法少女に変身したまどか達に救われた。丁度、今のまどかのような状態だった。
「突然驚かせちゃってゴメンね!クラスのみんなには、ナイショだよ!」
まどか、さやか、マミは素晴らしいチームプレーで芸術の魔女を瞬く間に倒してしまう。
「すごい…」
それから私は、まどか達に着いていきある日、それはやってきた。まどか達はワルプルギスの圧倒的な力に敗れてしまった。その時にキュゥべえは何時ものように現れた。
「君はどんなことを願う。君なら、どんな願いも叶えられる。だから、僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ。」
「私、鹿目さんとの出会いをやり直したい!彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守れる私に!」
私はキュゥべえと契約して、時を遡った。
「鹿目さん!私、魔法少女になりました!」
私はまどかに話したが、流石に学校で話したこともあって驚かれた。それでもまどか達は優しく私を受け入れてくれた。そして、巴マミと美樹さやかの犠牲の中でワルプルギスに勝利した。だけど、まどかは苦しみの中で魔女に変貌した。
「キュゥべえ、どういうこと!?私、何も聞いていない!」
「君たちからは何も聞かれなかったからね。」
私は再び時間を遡った。みんなキュゥべえに騙されている。私がどうにかしないと。だけど…
「はぁ?キュゥべえが嘘を吐いている?それであいつに何の得があるんだよ!」
「暁美さん、悪戯に人を混乱させないで。」
「てゆうか、それ自体こいつがグリーフシードを独り占めするための嘘なんじゃないの?」
誰も私の言葉に耳を傾ける人はいなかった。それでも、現実が変わることなんてない。美樹さやかは魔女になり、私達は魔女になった美樹さやかを倒した。
「こんなのって、あんまりだよ…」
まどかは泣き崩れる。そんな中で巴マミは佐倉杏子のソウルジェムを撃ち抜き、彼女を消滅させてしまう。そして、次は私を標的にして私を拘束する。
「ソウルジェムが魔女を生むなら、みんな死ぬしかないじゃない!」
「あなたも?」
私は巴マミの嘆きに疑問を投げかける。
「私も!」
巴マミは迷わず答えるが、まどかは私を助けるために巴マミを撃ち倒す。
「まどか…」
私はまどかに泣きつく。
「一緒に、ワルプルギスの夜を倒そう。」
まどかと私は必死の思いでワルプルギスをなんとか倒す。だけど、二人のソウルジェムは限界を迎えていた。
「まどか、グリーフシードは?」
「ううん、もうない。このまま、二人で魔女になっちゃう?」
「それでもいいかも。」
私がまどかの言葉にそう返すと、まどかは美樹さやかのグリーフシードを使って私をソウルジェムを回復させる。
「ほむらちゃん、一つだけお願い。ほむらちゃんは過去に戻って。それで、こんな馬鹿な、キュゥべえに騙される私を守って。」
「うん、約束する。」
私は、その言葉を頼りに何度も時間を遡る。その度にまどかはワルプルギスを倒し、魔女になる。
「どうしたんだい?戦わないのかい?」
「私の戦場は、ここではないわ。」
もはや何故時を遡るのか、その目的を忘れていた。それでも、交わした約束は忘れない。それだけが、最後に残った道しるべだから─

「なまじ時を戻れるだけ、つらいことは解る。僕だってそうだった。」
「あなたに何が解るの!」
「解りますよ。僕の持つディロードライバーも、僕の目標を達成するまでは何度でも時間を繰り返す。今から10年ほど前に、目標を達成するまで、実に400年もかけてしまった。」
雅は言う。すると、既に消えたはずのディロードライドウォッチが雅の手に出現する。
「これは、ディロードウォッチ!?もしかして…」
“ディロード!”
雅はディロードライドウォッチを起動させる。

『どっちがいい?』
場面は、王蛇が龍騎にトドメを刺そうとしているシーンになる。
『そんなことはさせない!』
【ATTACK RIDE-BLAST-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
『ライダーパンチ!』
ディロードは王蛇の隙を狙って王蛇のバックルに必殺のライダーパンチを放ち、王蛇を倒す。しかし、
『何故だ!どうして世界が!』
本来あるべき世界の道筋から外れた龍騎の世界は崩壊してしまう。
「最初は失敗続きだった。みんなを救おうとすれば、世界のルールが乱れて崩壊してしまう。」
場面は、グランザイラスの攻撃をディロードが受けているシーンに変わる。
『消えるがいい、仮面ライダーディロード!』
ディロードはグランザイラスの爆撃を受けて倒されてしまう。
「僕が倒される度に時間が戻り、人々との出会いはやり直しになった。」
雅が話していると、場面はディロードドラゴンとチームディロードが戦うシーンに変わる。
『雅さん、しっかりしてください!』
『ダメだ!体の制御をディロードライバーに奪われている!』
『皆さん、世界がどんどん消えていますわ!』
『みんな、早くディロードライバーを破壊してくれ!ディロードライバーを破壊しないと、世界が全て崩壊して、ディロードのエネルギーにされる!』
『そんな、雅を倒すなんて出来ないよ!』
【FINAL WORLD ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
雅の言葉にフェイトは反論するが、ディロードドラゴンは必殺技を発動する。
『ダメだ…全てが終わってしまう…ディメンションオーバーヒートエンド…』
ディロードドラゴンは自爆し、世界は全て崩壊する。

「あなたは、どれだけ繰り返したのかしら?」
ほむらは雅に拳銃を向けながら聞く。
「大体820回は。」
「あなたはどうして、平気でいられたのかしら?」
「平気だったわけがない。たとえ苦しくても、自分が選んだ結末なら、それを受け入れるしかない。それが、僕の罪の償いだから。」
「そう。それであなた、やっぱり私を騙していたのね。」
そして話は現在に戻る。
「ほむらちゃん…」
そこにまどかが現れる。

「晴人さん、その指輪を使ってください!今ならきっと、大丈夫なはずです!」
それを見たフェイトは晴人に言う。
「わかった。やってみよう。」
晴人はウィザードライバーを魔法発動モードに変える。
“ルパッチマジックタッチゴー!ルパッチマジックタッチゴー!”
晴人はディロードウィザードリングをスキャンする。
“ディロードォォォ!プリーズ…ライダーライダーライダー!”
ディロードウィザードリングは効果を発揮する。

「暁美さん、この魔法陣の先にワルプルギスはいるはずです。行きましょう。」
雅とほむらは魔法陣を通り抜け、仮面ライダーウィザードの世界に向かう。

「あんた達は?」
晴人はウィザードの世界にたどり着いた雅達に質問する。
「初めまして、僕は凪風雅。フェイトの夫で、仮面ライダーディロードをやらせてもらっています。」
「暁美ほむら。彼の協力者ってところね。」
雅とほむらは自己紹介をする。
「それで、君は?」
晴人はある方向に視線を向ける。そこには、まどかが地面に座っていた。
「鹿目さん、どうしてここに!」
「だって、見ていられなかったから。何も出来ないかもしれないけど、それでも誰かの役に立ちたいもん!」
雅の言葉にまどかは反論する。
「あなたは何時もそうね。とにかく、ワルプルギスは今までの魔女やファントムとはレベルが違うわ。逃げなさい。」
「暁美さん、君も鹿目さんと一緒に行くんだ。鹿目さんを護れるのは、暁美さんしかいない。」
雅はほむらに言う。
「わかったわ。まどか、行きましょう。」
ほむらとまどかは戦場から離脱する。
「ディバイドエナジー!」
雅は晴人達の魔力を回復させる。
「行きましょう晴人さん、仁藤さん、はやて、それからフェイト。」
雅の言葉で晴人達は立ち上がり、一斉に変身する。
「さあ、ショータイムだ!」
ディロード達は最強の魔女に立ち向かう。
to be continued.

次回予告
「勝てないことはわかっている。止められないことはわかっている。それでも、成し遂げなければならない。それが僕達の使命だから。次回『究極のファントム』」 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーディロード(ファイナルワールドアタックライド):ディロードドラゴンの必殺技を発動させるためのカード。 
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