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ドリトル先生と牛女

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第十一幕その十

「そうなるからね」
「不思議だよね」
「先生もなのかな」
「先生色々な言語知ってて読み書きもお話も出来るし」
 チープサイドの家族の言います。
「それだとね」
「先生もなのかな」
「じゃあ先生実際にそうしてみる?」
 トートーは先生に言いました。
「同じことをそれぞれの言語で考えてみる?」
「これって凄い実験かも知れないね」
 チーチーはトートーの言葉に頷きました。
「若しかして」
「そうね、じゃあね」
 ポリネシアも言います。
「それでやってみる?」
「そうね、考えることはね」
 ダブダブが言うことはといいますと。
「日笠さんのことね」
「日笠さんが先生のことをどう思っているか」
 ジップは先生に言いました。
「それでどうかな」
「じゃあ先生早速考えてみて」
 ガブガブも先生に言います。
「色々な言語でね」
「面白いね、英語に日本語に中国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、タイ語、ベトナム語、トルコ語と色々な言語でね」
 王子も楽しそうに言います、海鼠を食べつつ。
「やってみて」
「どうして日笠さんかわからないけれど」
 先生は皆の言葉にきょとんとして言いました。
「それじゃあやってみるね」
「絶対に何かの言語で真実がわかりますよ」
 トミーも言います、お酒を飲みながら。
「きっと」
「そうかな、じゃあね」
「やってみて下さい」
「それじゃあね」 
 こうしてでした。
 先生は実際に色々な言語で日笠さんが先生についてどう思っているのか考えてみました、そうして皆に言いました。
「うん、僕をお友達と思ってくれているね」
「えっ、全部の言語で考えてそれ?」
 王子は思わず動きが止まりました。
「その答え?」
「そうだよ」
「そうなるんだ」
「そうだったけれど」
「本当に全部の言語でなんだね」
 先生にさらに尋ねました、
「そうなんだね」
「そうだけれど」
「あの、先生は」
 牛女さんも言ってきました。
「まさかと思いますが」
「これがね」
「実は、なんですよ」
 王子とトミーが牛女さんにお話します。
「恋愛経験は全くで」
「これまでね」
「それでご自身ではです」
「全くもてないって思ってるんだ」
「やっぱりそうですか」
 牛女さんは二人の言葉に頷きました。
「先生は」
「僕はもてないですよ」
 先生も言います。
「本当に」
「そう思われますか」
「生まれてから運動神経は全くなくて」
 そしてというのです。
「女性にもです」
「縁がないのですか」
「全く、ですがお友達は沢山いてくれるので」
「その人もですか」
「はい、日笠さんもです」
 この人もというのです。 
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