覇王の隣に戦闘狂 Ruler with Berserker
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行くとしよう 2
前書き
_〆(。。)
───死に抗い戦の原に至る者よ。
神の証を刻み、真なる力を望むか?
(生きられるなら、守りたいものを守れるなら、証でも何でも刻んでやる)
「馬鹿なッ、こんな小僧がッ!?」
白髪の男が見た《鷹城柊矢》の左手。
その甲に燃えるような痛みが生まれる。
赤熱した烙印で焼き付けられたような感触が他の全てを消し去っていく。
柊矢は自分が生きているのか死んでいるのか、果たして少女は救えたのか、それを確かめる前に、彼の意識は途絶えた。
「柊矢は【ルーンズ】になっちまったか」
少し前から一部始終を見ていた《小山田城嶋戌/こやまだきじまいぬ》は柊矢が勝ったことに安心して思わずホッとする。
「取り敢えずあの娘を起こすか。桃花ちゃんも呼んで来ないと」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
城嶋戌は銀髪少女を目覚めさせた後、階段を降りた所に居た《鷹城桃花》に駅のホームへ上がって来てもらった。
女の人の怪我は完治させたので、《加藤岳/かとうがく》が付き添って駅の外まで連れて行ったのだという。
《田中要》は桃花と一緒にホームへ来て、倒れてしまった柊矢へと【気功術】を施して女の人のように回復させる。
「ここは……俺、どうなって……」
「生きてるなら早く言いなさいっ……!」
銀髪の少女は怒りと嬉しさを見せながら、桃花は泣きながら柊矢に抱き付く。
「俺らに感謝しろよ~柊矢? 格好付けさせてやったんだからな」
柊矢は視界にあるものを見付けた。
ホームには爆破テロで空いた穴が幾つも有るが、その中でも一際大きなもの。
少し離れた場所に白髪のテロリストが倒れており、動く気配がしないのだ。
「……あいつ……誰がやったんだ?」
「お前だよ。俺が証人だ。駄目そうなら助けるつもりだったんだけどな」
城嶋戌が肩を揺らしてクックッと笑う。
「でも……そんなこと考えられない……」
銀髪の少女は困惑している。
「今日の礼は必ずするから覚えていて」
少女は柊矢の額にキスした。
「もう一度逢える時が来たら……その時は私のものになりなさい」
その様子を城嶋戌は生温かい目で、桃花は顔を隠しながらも指の間から見ている。
「!」
何かに気付いた要の肩を城嶋戌が叩く。
「任せて良いか?」
城嶋戌も気付いていたようだ。
「ボクがやっておくよ」
要は頷いて了承。
「さ~て、帰りますか。要、見せしめにしても構わないから派手に頼むな」
後書き
_〆(。。)
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