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覇王の隣に戦闘狂 Ruler with Berserker

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お、前世ぶりの騒ぎだな 3

 
前書き
_〆(。。) 

 
「置いてくなんて出来ないよ……このままじゃこの人が死んじゃう」


桃花が優しいことも、倒れている女性を見捨てられないことも解っていた。


「どうする柊矢?」

「俺等がやろうと思えば助けられるだろうけど、お奨めはしないよ」

「今は駅から離れた方が良い」


爆破テロを起こした犯人はまだ近くで彷徨いている可能性が高いだろう。

女性を置いていくことに未練を残しながらも柊矢は桃花/いもうとの手を引く。

しかし顔を上げて前を見た柊矢は焦りの色を絶望へと変えられた。

送電が止まり暗くなったホームの奥から炎も熱も気にせず男が歩いてくる。

白い前髪で片目を隠しており、病人のように青白い顔をしていた。

落ち(くぼ)んだ眼窩(がんか)には煌々と赤い瞳。

そして全身を覆った黒いラバースーツのような服は各所に装甲が着いている。

何かの作品に出てくる特殊部隊のような姿。

しかし焦げた臭いと何処からか響く悲鳴が目前の事態を夢ではないと告げていた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「爆破を避けたか。悪運の強い子供達だ」


白髪の男は抑揚の少ない低音の言葉に明確な殺意を込めて告げる。


「安心しろ。痛みは一瞬だけだ」

「要と岳は女の人を運んで治してくれ。柊矢は桃花ちゃんを連れて逃げろ」

(【ルーンズ】と()るのは初めてだが、俺も能力者だし、前の世界では能力者相手に散々戦りあったことも有るし、大丈夫な筈だ)


城嶋戌が白髪の男と戦う為に一歩前へ出る。

その直後に《鷹城桃花/たかしろももか》の手を離した《鷹城柊矢(たかしろしゅうや)》が走り出し、テロリストの【ルーンズ】に対してあまりに無謀な特攻を仕掛けていた。

だが所詮はがむしゃらな子供。

力いっぱい振るう拳は二回りも大きく戦闘訓練を受けた大人の相手ではない。


(前の世界で俺や岳が生まれた場所なら大人より強い子供は珍しくなかったけどな)


白髪の男は柊矢の頭上から容赦なく、叩きのめす為に腕が振り下ろす。


「むうっ!?」


だが振り下ろされた衝撃は柊矢に当たる寸前で城嶋戌に受け止められる。


「ったく、人の話を聞けよシュウ」

「ほう……! 大したものだ。まさか子供に邪魔されるとは思わなかったよ。しかし惜しいな少年。君がルーンズなら是が非でもスカウトしたいところなんだが」


この場で男と戦えるのは城嶋戌と要、岳の3名だが、戦っている間に火が回ってしまえば鷹城兄妹は生き残れないだろう。


「もっぺん言うぞ柊矢。桃ちゃんを連れてさっさと逃げろ。女の人は岳と要に任せてな。一緒に助かるならそれしか方法が無い。それに知ってるだろう。俺が簡単に負けると思うか?」


城嶋戌はニヤリと白い歯を見せながらギラギラとした闘争心を剥き出しにした。


「逃がすわけがないだろうに」

「だろうさ。けど他の4人を追うことは許さないってのも解ってるだろう?」


男は城嶋戌の台詞で気に障るところが有ったのか不快感を露にする。


「許さないというのは力持つ者が言うこと。持たざる者であることを恨むんだな」
 
 

 
後書き
_〆(。。) 
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