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八条学園騒動記

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第五百八十八話 カツカレーといえどもその一

                カツカレーといえども
 ルビーはクラスの喫茶店でウェイトレスをしていた、そうして注文されていたコーヒーや紅茶をそれぞれの客に出してだ。
 そのうえで控室に戻って自分と同じウェイトレスをしているジュディに話した。
「どんどん売れるわね」
「お店繁盛していてね」
 ジュディもこう返した。
「それでね」
「売れてるわね、コーヒーも紅茶も」
「いい感じね、ただね」
 ジュディはルビーにこうも言った。
「不思議なことにね」
「どうしたの?」
「紅茶のティーパック幾ら使ってもね」
「減らないの」
「そうなの、次から次に使っても」
 注文に応えてだ。
「何か憑かった分だけ新たに出てね」
「そんな感じで」
「それでね」
「減らないの」
「無限に出る感じなの」 
 そのティーパックがというのだ。
「これがね」
「そういえば」
 ルビーもその話を聞いて述べた。
「紅茶相当出してね」
「ティーパックもその分使ってるわね」
「ええ、もうそろそろ箱の中のパックが減ってきても」
「おかしくないでしょ」
「その筈なのに」
 それがというのだ。
「全然ね」
「あんたが見てもでしょ」
「そういえばね」
「これどうしてかしら」
「だってな」
 ここでタムタムが二人に言ってきた、彼は店の裏方でものの管理を行っているのだ。
「もう使った傍からその数チェックしてな」
「あんたがしているの」
「そして使った分だけ補充しているからな」 
 こうルビーに話した。
「だからだ」
「それでなのね」
「パックは減らないんだ」
「すぐに補充しているから」
「俺がそうしているからな」
「成程ね」
「そういうことだ」
「何でかって思っていたら」
「俺がそうしていた、コーヒーもな」
 こちらもというのだ。
「インスタントだから素をな」
「瓶の中に入れていっているのね」
「そうしている」
「あんたが補充していたの」
「ものが切れたら終わりだ」
 喫茶店もというのだ。
「だからだ」
「すぐに入れているの」
「俺はそれが仕事だからな」
「流石ね」
 ルビーはここまで聞いてタムタムをこう言って褒めた。
「その辺りは」
「流石か」
「流石タムタムよ」
 彼自身に微笑んで話した。
「本当にね」
「俺ならではか」
「キャッチャーじゃない」
 今度はジュディが言ってきた。 
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