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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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ダーマ神殿とナンパ野郎、そしてブラック少女

バンザーイ、バンザーイ!!
はい。私は無事にドラクエ3の世界へ舞い降りました!
さぁ皆さんご一緒に!バンザーイ!バンザーイ!!

とは言え浮かれてばかりも居られません。
ご相伴に与ったとは言え、寄りによってこの男と一緒とは…
出来ればポピーお姉様と一緒が嬉しかったのに…
しかもお母様まで来ちゃいました。
今のお母様は不機嫌すぎて、結構扱いに困ります。
早いとこお父様と合流しないと…

さてさて、今私達が何処に居るかと言えば………何かでっかいお城みたいな建物の裏に、私達は落ちました。
此処は何処でしょうねぇ…
今朝、物語を読んだときは、ホビットのノルドさんとお話している所でしたから………
あの付近に、こんな建物あったっけ?
吸い込まれたときに、お兄様は藻掻いてたから、落ちた場所がお父様達からズレちゃったのかもしれませんね…
ったく……碌な事しねーな!


取り敢えず、目の前の建物を調べた結果、此処はダーマ神殿であることが判りました。
ダーマって事は、今朝の時点でバハラタにも着いてないお父様達より、物語の先のポイントへ来てしまったみたいですね…
即ち、此処で待っていればお父様の方から来てくれるわけですよ。

とは言え、そんな事が分かっているのは私だけ…
お母様とお兄様は、必死でお父様の行方を探すでしょう。
「お母様、お兄様、提案なんですが…」
「何、マリー?」
「はい。お父様がどの方角に居るかさえ分からない状況です…ですから、下手に移動しないで、此処ダーマ神殿で待つのはどうでしょう?幸い各地からの旅人さんが大勢おりますし、あれだけ目立つ存在の人ですし、情報が入ってくると思うんです。ある程度の事が分かるまで、此処で待ちましょうよ」
どうよ、この正論攻撃!
変態兄貴とヒステリックママとの旅なんて、遠慮したいからね!
お父様が来るのを待った方が得策よ!
「そうですよ母さん!マリーも居る事ですし、あまり動き回るのは危険かと…」

「………でも、リュカが此処に来るとは限らないじゃない!」
普段冷静なお母様が、お父様の近くまで来ていると思っただけで、落ち着きを無くしてる!親子ね…お兄様もリュリュお姉様が居ただけで、落ち着かなくなるもの。
「…では母さん、僕が近隣を調べてきます。ですから母さんとマリーは、此処で父さんの情報を集めて下さい」
あ、きったねー!自分一人だけこのヒステリーから逃げるつもりだ!
しかしお兄様について行く為の正論が見つけられなかった私は、お母様と共にダーマ神殿でお留守番をする事となりました。



ダーマで待つ事、早5日…
お父様の情報は一向に入らず、日々不機嫌さを増すお母様。
先程、4日ぶりにお兄様も帰ってきたんですが………
「…で、リュカの情報は何も無いのね!」
「は、はい…で、でも探索した塔で『悟りの書』という珍しい物を入手しましたよ!」
不機嫌なお母様は、ジト目でお兄様を見つめ重く言い放つ。
「その書物にリュカの居場所が書かれているの?」
「い、いえ………これには………」
お父様が居ないだけで、これ程まで情緒不安定になるなんて…
にしても、大人なら自分の感情を制御してほしいですね。
「はぁ………もういいわ!マリー行きましょう…今日も皆さんにリュカの事を尋ねますよ!」
お兄様はガックリ肩を落として立ち尽くしてる…
流石に可哀想………でも、それが似合ってるわぁ~………

さてさて、私はお母様と一緒に旅人さんへ尋ね人中。
先程ダーマ神殿に入ってきたばかりの若い男2人組に、ここら辺でお父様らしき人物を見かけなかったか質問です。
お母様は努めて笑顔で接近し、優しく可愛く話しかけます。
「あのー、お尋ねしたい事があるんですが…よろしいですか?」
男2人がお母様を見て驚いてます。

当然ですね!
絶世の美女ですから!
今までも、お母様に話しかけられた男共は、デレデレ状態で不必要な情報まで吐き出してましたから…
「お美しいお嬢さん…一体俺等に何用でしょうか?」
「どうやらお嬢さんはお困りの様子…私達でお役に立てるなら、喜んでお力になりますよ!」
イケメン指数75%の2人が、白い歯を光らせてお母様に近寄ってくる。
ぶっちゃけウザイ!

下心丸出しの、バカ丸出し!
唯一の救いはアソコを丸出しにしない事だけ…
お母様もそれが分かった様で、取り敢えずの質問で逃げ出しにかかる。
しかし男2人も諦めない。
これ程の美女を逃がすわけにはいかないと、自分たちの武勇伝を聞かせてくれる。
とっても嘘くさい武勇伝を…

「……ってわけで、俺達はロマリアの酒場で暴れる美少女2人を落ち着かせたわけよ!」
「そうそう!私達の魅力にメロメロだったよな!」
どうでもいい………早くあっちに行ってくんないかな!?
「あ、あの…もう十分ですから…色々な情報をありがとう…大変助かりましたわ」
「あぁ…待って待ってお嬢さん!こんなご時世だし、女性が一人で彷徨くには危険だぜ!俺達と一緒に行かないかい!?」
どうやらコイツ等は、頭だけでなく目も悪い様だ…『女性一人』じゃねーだろ!私と手を繋いでるのが見えないのか!?
「私達が貴女の事を守りますよ…昼も夜も何処ででも!」
イオナズンでぶっ飛ばしちゃおうかしら!?
鬱陶しい事この上ない!

お母様も辟易している様で「もう結構ですから」とか「私には必要ないですから」とか言って、逃げようとしているのだけど…
ともかく、しつっこいのよコイツ等!
言っとくけど、マジお母様とは釣り合わないから!
生半可な美形じゃ、お母様との釣り合いは取れないのよ!
お前等、鏡見た事あんのか!

等と、このバカ共に苛ついていると、当のお母様は既に臨界突破な様で、彼等の頭スレスレをかする様に魔法を唱えた。
唱えた魔法は『メラミ』ですが、怒りで魔法力を押さえきれなかった様で、見た目は『メラゾーマ』の威力です。
「いい加減にしなさい、この不男が!女を漁るのなら、余所でやれ!」

言うだけ言うと、お母様は踵を返し宿屋の方へと去って行く…ダーマの壁を盛大に焦がして…
私は途中までお母様について宿屋へ向かったのですが、情けなく尻餅をつく彼等の元へ戻り言いました。
「鏡見ろバーカ!お前等如きが、お母様と釣り合うはずが無いだろうが!」
と言って、失禁する奴等の股間に唾を吐き付けてやりました!
気分爽快ですぅ!



 
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