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覇王の隣に戦闘狂 Ruler with Berserker

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お、前世ぶりの騒ぎだな 2

 
前書き
_〆(。。) 

 
爆音が耳を(つんざ)く。

鼓膜が破れそうな程だ。

ホームの喧騒(けんそう)が引き裂かれる。

衆人は皆一様に足を止め、視線は(せわ)しなくキョロキョロ動いていた。

続いて駅全体への激しい衝撃。

《小山田城嶋戌/こやまだきじまいぬ》が乗っている車両も激しく揺らぐ。

鷹城桃花(たかしろももか)》は悲鳴を上げながら兄の《鷹城柊矢/たかしろしゅうや》に縋った。


『列車は現在【ルーンズ】による攻撃を受けています。速やかに車両から───』


再びの爆発にアナウンサーが途切れる。

警報が鳴り列車の扉が全て開く。

外へ出るよう促しているようだ。


「自力で逃げろってことか」

「まあ妥当でしょ」


城嶋戌に頼まれ隠れて着いて来ていた転生仲間の《加藤岳/かとうがく》と《田中要(たなかよう)》は呑気に話しながら席を立つ。


「あれは……岳さんと要さん?」

「柊矢達には内緒で来てもらっといたんだが、正解だったみてーだな」


岳と要は城嶋戌と同じ孤児院であり、柊矢と桃花にとっては良き兄代わり。


「桃花ちゃんを守れるのは俺達だけだ」

「さっさとずらかるぞ」


岳と要の二人が柊矢に声を掛けた。


「……そうだ。俺がやらなくてどうする。父さんも母さんももう居ないんだ」


柊矢が落ち着きを取り戻す。


「どうしよう……電車が壊れちゃった……」


桃花は不安そうに兄達を見上げる。


「だいじょーぶ」

「桃花ちゃんには柊矢が居るからな」

「ついでに俺等も」


城嶋戌たちは心配要らないと自信満々でお気楽な雰囲気で二人を和ませた。


「先ず俺が行くから4人は後から来てくれ」


城嶋戌は電車のドアからホームに出ると、安全を確認してから手招きする。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


柊矢と桃花の前を岳が、後ろを要が警戒しながら車両の外へ出て目にした光景。


「こりゃまた」

「えらいことになってんな」


ホームのあちらこちらで炎が燃え盛っており、床も壁も爆発の衝撃で砕け、照明や電光掲示板の通電は途絶えてしまっている。

城嶋戌や彼等は前世でこれ以上の惨事を何度も体験してきたので平然としていた。

しかし鷹城兄妹は動揺を隠せない。

柊矢はアナウンスで聞いた【ルーンズ】について詳しくないが覚えが有る。

彼等は皆一様に超能力を想起させるような特殊能力を有しており、全員がそうではないが、凶悪な事件を起こすことも有るという。

しかし柊矢も桃花もルーンズにそこまでの恐怖を感じてはいなかった。

ルーンズというわけではないが、違う特殊能力を持つ人間と過ごしてきたから。


「あっ!」


桃花が急に走り出す。

その先には倒れた女性。


(そこそこ重症だな)


少し離れていた城嶋戌が見たところ、手足には爆発で散乱した破片が突き刺さっており、本人も吹き飛ばされたようだ。


「全身打撲だけど死んではいない。ただ、意識を失ってしまっている」


女性に近寄って体を調べた要は少なくない出血が有ることを確認。


(今すぐ治療すれば助かるかもしれないが、例え生き残れたとしても……)


傷痕が残ったり後遺症が出たりして、生きていた方が苦しむかもしれない。

救うことが最善とは限らなかった。

柊矢は痛々しさで目を背けそう。


(助けようと思えば助けられる。前世ほどじゃないけど俺達は人間の常識では有り得ないほど強い【気】の力を使えるわけだし)


しかし岳達には優先事項が有る。


「もうすぐ救急の人が来る筈だ」

「早くここから逃げないと」


城嶋戌たちは柊矢と桃花を逃がすのが一番の目的なので、それが済むまでは余裕が有ろうと他人を助けるつもりは無い。
 
 

 
後書き
_〆(。。) 
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